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ジャパンオープン・荻村杯2013

 これでジャパンオープン・荻村杯2013の速報を終わります。大会の詳細は、7月20日発売の卓球王国9月号に掲載されます。ご期待ください!
 見事な優勝を決めた塩野。優勝後の会見では「まさかの優勝で、自分自身が一番驚いています」と笑顔で語った。
 「日本リーグでメンバーに入れなかったり、苦しい時期もあったけど、いろいろな人に支えられてここまで来ることができました。大会を通して、相手が自分のボールにあまり慣れていないという感じがあった。これからチャンスがあれば、世界に挑戦していきたいと思っています」(塩野)

敗れた徐晨皓は、絵に描いたようなふくれっ面(つら)。準決勝でこの徐晨皓が競り勝った金ミン鉐は、非常にカット打ちのうまい選手。彼が決勝に勝ち上がってくれたことも、結果的には大きかったか…。
●男子シングルス決勝
塩野真人(日本) 3、8、6、4 徐晨皓(中国)

男子シングルスも塩野が優勝。日本、男女シングルスを制した!

徐晨皓はバックドライブでのカット打ちも交え、塩野に抵抗を試みたが、いかんせんカット打ちのレベルがあまりに低かった。一球、二球攻め込んでも、塩野のカットが切れ味を増してくるとネットミスを連発。ベンチに入った肖戦コーチも苦笑いが漏れるほどだった。ここまでシングルスでは連勝街道を突き進んできたが、その幕切れはあまりにあっけなかった。

塩野は要所で鋭い連続攻撃も見せ、徐晨皓を翻弄。予選リーグから勝ち上がっての優勝。しかも予選リーグでは一敗を喫しながらの優勝。異例ずくめの優勝だが、今大会で見せたプレーは素晴らしかった。
全日本選手権では悔しい逆転負けが続き、試合後にガックリと肩を落とす姿もあった塩野。しかし、この荻村杯での優勝で、日本男子の貴重なジョーカーとして、改めてその存在がクローズアップされるだろう。優勝おめでとう!
●女子シングルス決勝
福原 7、5、11、8 文玄晶(韓国)

福原が右ペンドライブの文玄晶に完勝し、ジャパンオープンで日本女子として初の優勝!

最初から最後まで、福原のプレーには迷いがなかった。ペンホルダーのバックショートは、福原のバック表ソフトのナックルボールに対して、厳しく返球することが難しい。強く弾くプッシュや横回転ショートはミスが出やすいからだ。文は試合後、「どうしてもバック攻めに対応できなかった」と語った。福原はこのバック対バックでの優位性を試合のベースにして、さらに決定打をしっかりフォアで狙っていった。第3ゲーム9−8でベンチに入っていた張莉梓コーチが退場させられるアクシデントもあったが、攻撃の手を最後までゆるめなかった。

それにしても今大会の福原は強かった。パリ大会での悔しい敗戦で、今までとは違うギアが入ったという感じだ。来年の世界団体選手権でもこのプレーを見せてほしい。

 「12歳で初出場してから13年、応援して下さる日本の方々の前で優勝できてとてもうれしいです。パリ大会では成績が残せなかったですが、この1カ月はずっと苦しい練習をしてきた。この優勝に油断せず、気を引き締めて頑張りたい。もっともっと苦しい練習をして、もっともっと結果を残せるように努力したい」(福原)
●男子ダブルス決勝
上田/吉村 -7、8、6、8 松平健/丹羽

 日本ペアの同士討ちとなった男子ダブルスを制したのは、上田/吉村ペア。初コンビながらも、今年の全日本優勝ペアを破っての優勝だった。上田の鋭いチキータから、吉村の強烈な両ハンド攻撃というパターンで得点を量産した。
  • 上田のチキータでのレシーブが冴え渡った

  • 松平健/丹羽は守勢に回る展開が多かった

●女子ダブルス決勝
顧玉ティン/周シントン(中国) 3、−6、4、7 鄭怡静/黄怡樺(チャイニーズタイペイ)

女子ダブルスは中国の若手ペアが優勝。タイペイペアも威力ある両ハンドドライブを随所に決めたが、右ペン粒高の周の変化ボールがダブルスでも有効だった。
  • 優勝した顧玉ティン/周シントン

  • タイペイペアは惜しくも2位

●男子シングルス準決勝
徐晨皓(中国) -11、-8、9、11、-8、5、12 金ミン鉐(韓国)

 男子シングルス準決勝が終了し、昨日U-21で優勝した徐が決勝に進出した。
 両者とも相手のチキータレシーブに対して、安定して攻撃することができず、ミスの山を築いた。金ミン鉐は台上の柔らかいボールタッチ、中陣でのキレのある両ハンドドライブを見せたが、サービスミスが6本ほどあったか。最終ゲームも終始リードを奪いながら、自ら勝機を手放した感があった。スコアだけを見ると接戦、激戦の印象だが、手に汗握るようなラリー戦はほとんどなかった。

 昨日の王励勤戦では、審判に注意されるほど得点を挙げた際に吠えていた徐だが、今日の試合ではまるで別人のように、終始淡々と試合を進めていた。決勝の塩野戦では、再び吠えるのだろうか?

 これから休憩を挟み、14時から女子ダブルスの決勝が開始される。
  • シングルスでは今大会無敗の徐晨皓

  • 劉国梁総監督のアドバイスを神妙な表情で聞く

  • センス抜群だが、勝負に徹しきれなかった金ミン鉐

●男子シングルス準決勝
塩野 5、5、5、-7、12 陳建安(チャイニーズタイペイ)

 塩野真人が決勝に進出!序盤から陳は塩野の変化に対応できず、ドライブのミスを連発。塩野のフォアにループドライブを集めて、浮いたボールをバックへスマッシュする戦術で4ゲーム目を奪い、5ゲーム目も5-0とリードしていたが、やはり攻撃のミスが目立ち、反撃もここまで。

 決勝では、これから行われる金ミン鉐(韓国)と徐晨皓(中国)の試合の勝者と対戦する。大会史上初、男女シングルスで日本選手のアベック優勝なるか?
●女子シングルス準決勝
文玄晶(韓国) 7、7、14、13 劉㬢(中国)
福原愛(日本) 3、7、9、−6、7 顧玉ティン(中国)

 福原、顧玉ティンを下して決勝に進出!
 単調なフォアの力攻めに終始し、レシーブにも厳しさがなかった顧に対し、福原のプレーはほぼ完璧だった。バック表ソフトで自在に緩急をつけながら、非常にコースが厳しいバッククロス、フォアストレートへのシュートドライブでフィニッシュ。顧のミスが多くても、相手のミス待ちではなく、自分でラリーを決めるという意識を切らさなかった。

 準決勝のもうひと試合は、堅いバックショートで試合の主導権を握った文玄晶がストレート勝ち。決勝は福原対文玄晶。08年世界団体戦、韓国戦ラストの激闘を思い出す。この4年間は対戦がないが、準決勝での福原のプレーを見る限り、福原が断然有利と見た。
●女子シングルス準決勝 10:00〜
文玄晶(韓国) vs. 劉㬢(中国)
福原愛(日本) vs. 顧玉ティン(中国)

●男子シングルス準決勝 11:30〜
塩野真人(日本) vs. 陳建安(チャイニーズタイペイ)
金ミン鉐(韓国) vs. 徐晨皓(中国)

●女子ダブルス決勝 14:00〜
鄭怡静/黄怡樺(チャイニーズタイペイ) vs. 顧玉ティン/周シントン(中国)

●男子ダブルス決勝 14:30〜
松平健太/丹羽孝希(日本) vs. 上田仁/吉村真晴(日本)

●女子シングルス決勝 15:00〜
●男子シングルス決勝 15:45〜

大会最終日は快晴。横浜文化体育館には初夏どころか、真夏のような日差しが照りつけている。
現在、会場では女子シングルス準決勝の第1試合が進行中。韓国の文玄晶が正確なバックショートを軸にしたプレーで、中国の若手・劉㬢を3−0でリードしている。この試合が終われば、福原愛の登場だ。相手はフォアのパワードライブが武器のサウスポー、顧玉ティンだが、試合経験と技術の幅では福原が上。いかにして顧のパワードライブを封じるか、注目。

また、男子シングルス準決勝では、日本勢でただひとり勝ち残っている塩野が、こちらもサウスポーの陳建安と対戦。強烈なパワードライブを誇る陳だが、「カットはあまり打てないのでは?」という声も。単調な力攻めに出てくれば、塩野にも十分勝機はあると見た。