スポンサーリンク

速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

用具のこだわり by ゆう

 左腕からの変幻自在の攻守で相手をかわす梅村優香(四天王寺高)の卓球。相手のコートに入ってからグンと伸びるロングサービスを左右に打ち分け、チャンスボールはフォア強打。実にクレバーなプレーを見せる選手だ。

 ラケットは剛力(ニッタク)、フォアがファスタークG-1(ニッタク)、バックにはピンプルスライド(ニッタク)を貼っている。

 「前はニッタクの特注ラケットを使っていましたが、重量がすごく軽かったんです。威力がなかったので、剛力にしてラケットを重くしました。20グラムくらい重くなりました。だから最初はずっとブロック練習だけやってました。
 振れるようになってからフォアで打ったボールが決まるようになりました。私はドライブもスマッシュも打つので、フォアは硬いラバーが良いです。テナジー05だとスマッシュが打ちづらかったので、今はファスタークG-1にしています。厚さは中です。
 バックはピンプルスライドを使っています。安定するし変化も出ます。スポンジが軟らかいので相手の打球が食い込みやすいんです。ラケットが硬い剛力なので、食い込んでからブレードで押していけます。早いボールも出るので良いですね」
  • 初戦となる3回戦を突破した梅村

  • 年々、剛力が増えてます

  • 伸びるフォアサービスで先制攻撃

  • バックは変化とスピードを使い分ける

 昨年の全中3位、全日本カデット14歳以下では準優勝とカット型の有力株として知られる相馬夢乃選手(新発田ジュニア)。一般的なカットマンとは違い、フォアに変化ラバー、バックに裏ソフトを貼りプレーをする。試合前のフォア打ちでもラケットを反転することなく、変化ラバーで独特なポンポンと音を鳴らしてのフォアロング。対戦相手は「え?こっちがフォア?」と驚きを隠せないだろう。

 相馬選手の使用ラケットはデフプレイセンゾー(ドニック)、フォアがカールPー2(特薄)、バックがV>15リンバー(VICTAS)
 カールPー2と言えば、最初は粒高ラバーとして登録されたが、途中からITTFの粒形状規格が変わり、表ソフトとして再登録された。粒高に近い性質を持つ変化系表、これが今のカールPー2だ。

 「普通のカットマンだと勝てないからと、姚先生のアドバイスでフォア面に変化ラバーを貼っています。フォアカットが他の人より切れると思います。このラバー粒高・・・じゃなかったんですね。打ちやすいし、変化も出ますね。バックのV>15リンバーは一度試してみたら、カットも攻撃もやりやすかったから使っています。ラケットは軽くて振りやすいのでデフプレイセンゾーが良いです」

 ボールの右側をとらえて少し横回転がかかったフォアカットは、相手のフォアサイドへ逃げるように曲がっていく。このエースボールを打ちあぐむ選手は多い。
  • 将来が楽しみなカットマンだ

  • 隠れた名品カールP-2

  • やや横をとらえたフォアカットが……

  • フォアサイドを逃げるように曲がって入る

 小学6年生にして、今年度の全日本カデット13歳以下でベスト8に入るなど、活躍がめざましい前出陸杜選手(松生TTC)。ジュニアの部1回戦にに登場し、高校生を相手に圧倒した。
 「初めての全日本で緊張しました。気持ちをうまくコントロールできたと思います」(前出)とコメント。中国式ペンホルダーで両ハンドをブンブン振り回し、フォアフリックや裏面ストップなどの小技も多彩。見ていてワクワクするペンホルダーは大物の予感がする。

 前出選手の用具はカルテット2スピード(VICTAS)、に両面ともV>15エキストラ(MAX)。180グラムを超えるずしっと重いラケットを小さな体で振り回す。
 
 「ラバーは硬いほうが好きです。V>15リンバーを使ったことがありますが、軟らかくてカウンターが落ちてしまいました。両面ともエキストラにしたらスピードも出るしカウンターも入るようになりました。
 ラケットはスワット(TSP)を使っていて、スピードが出ないと思い、カルテット2スピードに変更しました。このラケットは監督が使っていて、使わせてもらったら良かったんです。スワットより重くて打ち負けない感覚があります」(前出)
  • これから輝くペンドラの星だ

  • 人差し指部分はかなり削りが深い

  • 中陣から伸びのあるフォアドライブを放つ

  • 裏面での前陣カウンターも得意

遊学館のファイターと言えば、五十嵐史弥選手(遊学館高)。
長身ですらっと長い腕から放たれるボールはスピード抜群。
上から押し込むような打球は相手にとって驚異になる。

 ラケットは水谷隼ZLC(バタフライ)、フォアバックともにテナジー05を使っている。
 
 「ぼくは威力で押していきたいので、パワーが活かせる用具を使っています。水谷隼ZLCは威力もあり、テナジー05と合わせることで、回転もかかるから安定します。前はインナーフォースZLCを使っていましたが、安定したけどもう少し威力があればと思っていました。自分の持ち味はパワーとスピードなので、より威力を求めて水谷隼ZLCにしました。
 私は台上があまり得意じゃないですが、カウンターが得意です。もしストップとかが台から出てしまって、それを打たれてもカウンターで攻め返せるように両面とも回転重視のテナジー05にしています」(五十嵐)
  • 長身で爽やかな五十嵐選手

  • スピードを重視してアウターの水谷隼ZLCを使用

  • 試合はガッツ溢れる

  • 前陣でのカウンターバックは安定感抜群

コート狭しと足を動かしたドライブ速攻が魅力の菅沼湧輝選手(大阪桐蔭高)。
インターハイでは団体戦3位入賞の主軸として躍動し、今年のインターハイでの活躍も楽しみな選手だ。

ラケットはフォルティウスFT(ミズノ)、フォアはテナジー05、バックはテナジー05FX

 「ラケットはインターハイまでインナーフォースZLCを使っていました。でも台上が弾んでしまって、安定しなかったので、木材に変えようと『フォルティウスFT』にしました。大島祐哉選手(ファースト)とか、強い選手が使っていたので、『フォルティウスFT』がいいかなと。
 前のラケットだと、とっさのボールとかチャンスボールをバチンと当ててしまったりしたんですが、木材だと自分でしっかり打とうと心がけるので、ミスが減りました。
 インターハイを経験して、強い人はボールの質が高いと感じました。木材にして自分自身で回転を作ることでもっと良いボールが打てるかなと思っています。素材系のラケットに比べると弾みは落ちましたが、ラリーは威力よりも粘りを大事にしていきます。ぼくは足を使ったフォアが得意なので、そこを活かすには今の用具のほうが合っていると思います。
 ラバーはずっと使っています。慣れているのが大きいですね。男子のフォアはテナジー05ばかりですから」(菅沼)
  • コートを離れれば、キリッとイケメン!

  • フォルティウスFTはやや硬質な7枚合板

  • 体を使ったフォアは見ていて清々しい

  • ラケット変更の目的は台上の安定感

今年もやります!ミニ用具のこだわり!

全日本選手権、開幕は混合ダブルスの1回戦。
早速目についたのは、裏面を貼らずに戦うペンホルダーの柿崎実華選手(金城大/東奥学園)だ。

下山優樹選手(専修大/青森山田高卒)とは高校が同じ青森ということで県予選に出場。
練習なしの一発勝負で青森県予選を優勝したという。

柿崎選手の使用用具はAP(ニッタク)にファスタークG-1(ニッタク)
APといえば、左ペン表ソフトの天才肌・渡辺将人氏(シチズン)が使用していたことで有名。9㎜の桧単板で威力とコントロールを兼備している。
 「超特選を使っていたけど、1年前に割れてしまって、APに変えました。お父さんがこれが良いって、勧めてくれました。超特選もお父さんからです。最初から単板で合板は使ったことがないんです。裏面は一度貼ったことがありますが、手首が痛くてやめました。
 角丸型を使っているのは、振り遅れを解消するためです。角型を使ったらすごくドライブがかかったけど、戻りが遅くなって、連打が遅れてしまった。私はスマッシュも使うので、連打で遅れたくないんです。ドライブもスマッシュも使うなら角丸型のほうがいいなと思います。
 ラバーのファスタークG-1もお父さんのオススメですね。発売したときからずっと使っています」(柿崎)

パートナーの下山選手はインナーフォースZLCに両面テナジー05という王道のパターンだ。しかし、こだわりは旧インナーフォースZLCという点だ。
 「今発売しているレイヤーではなくて、昔のインナーフォースZLCが良いです。ブレードが大きくて球持ちも良くて弾みます。今のレイヤーは少し弾みが落ちました。このラケットが折れてしまったら怖いですね。それくらい気に入っています。
 ラバーはテナジー05。以前はバックに64を貼っていましたが、プラボールになってボールが硬くなったので05にしました。硬いラバーのほうが良いボールが出ると思います。
 組み合わせ的には自分の力で打てます。水谷隼ZLCみたいな勝手に飛んでしまうラケットではないですね。ぼくは威力で勝負するタイプではないので、弾みよりもコントロールを大事にしています」(下山)
  • バックは堅いショートとプッシュで戦う

  • 1回戦は2−3で惜敗

  • 桧単板はそれだけで美しい

  • 高校1年生の時から使っているというラケットは年季が入っている