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全日本選手権団体の部の全日程が終了し、優勝チームが決定した。
最終日は準決勝〜決勝まで行われ、結果は以下の通り。

●男子準決勝
東京アート 3−0 愛工大名電高
リコー 3−2 専修大

●男子決勝
 リコー 3−2 東京アート
 鹿屋 −6、-4、-7 高木和○
○有延 8、9、-8、5 大矢
 池田 -7、13、-2、-8 村松○
○有延 -10、6、7、11 高木和
○鹿屋 -7、2、11、-9、8 大矢

●女子準決勝
中国電力 3−1 遊学館高
ジュニアナショナルチーム(JNT) 3−1 サンリツ

●女子決勝
 JNT 3−2 中国電力
 大藤 3、-9、4、-7、-10 土田○
○長崎 10、6、-10、4 成本
 木原 8、-4、-10、-9 宋○
○長崎 -7、8、-8、9、9 土田
○大藤 8、5、-7、6 成本

男子はリコーが、女子はJNTがそれぞれ初優勝を飾った。

リコーは準決勝、決勝と、大接戦の連続を制しての優勝。
エースの有延が大車輪の活躍で、チームを引っ張り、最後は鹿屋が踏ん張る。準決勝での専修大戦では、郡山に先に2ゲームを連取されたが、3ゲーム目は4−7、4ゲーム目は2−7、そして最終ゲームは3−7の劣勢から神がかり的なプレーで逆転勝ちを収めた。

「前期日本リーグで勝った時と同じ顔をしていた。鹿屋ならやってくれると思った」と工藤監督。
決勝でも有延が2点取り、ラストの鹿屋が最後まで足を止めずに打ち切った。。3時間14分の熱戦のラストは中陣からフルスイングのバックドライブ一閃。ベスト4に入るのも初というリコーが、一気に頂点まで上り詰めた。

女子はJNTが実業団選手を次々に破り、初優勝。
高校1年の長崎、中学2年の大藤と木原が快刀乱麻の活躍で、あれよあれよと決勝へ。

特に大藤の成長は目を見張るものがあり、ラリー能力は大人顔負けの安定感がある。
角度の合わせ方がうまく、相手のバック表のミートに対しても、ドライブだけでなく、ミートで打ち返すことができる。小学生時代はフォアで豪快に攻めるプレースタイルだったが、両ハンドのオールラウンドスタイルにチェンジ。今大会は実に頼もしい存在だった。

女子はこの3人に相馬(遊学館高)が加わって、世界ジュニアで戦う。
渡邉監督は「今回(全日本団体)は優勝を狙ってきました。優勝できたことで、自信になったと思う。2カ月後、世界ジュニアも優勝を狙います」と意気込みを語った。

詳しい報道記事は卓球王国1月号(11月21日発売号)に掲載予定です。
  • エースとして、十分な働きをした有延

  • 劇的な試合でラストを死守した鹿屋

  • 日本リーグ前期に続き、鹿屋が決めた!

  • リコーが初優勝

  • スケールの大きい長崎は好調ではないながらも、決勝は2点取り

  • ここ1年での成長が著しい大藤

  • 高校生・中学生のメンバーが制した

  • ベンチの雰囲気も良かったJNT

全日本選手権団体の部が茨城・日立市池の川さくらアリーナで行われている。
3チームずつのリーグ戦を行い、上位2チームが決勝トーナメントへ進出し、優勝を争う。
そのトーナメント1回戦(準々決勝)で波乱が起きている。

昨年優勝の協和発酵キリン、そしてシチズン時計の2大実業団チームが準決勝へ進めず、敗退した。
協和発酵キリンは、インターハイ優勝校の愛工大名電高に、シチズン時計はインカレ優勝校の専修大学に破れた。学生たちの力が大人を飲み込んでいる。

両ハンドの連打で早い卓球を展開する学生卓球は、今の実業団選手とは違う世代の卓球だ。台に貼り付いて、前陣でのテンポの早さと、コース取りの多彩さでクレバーに点を取っていく。ダイナミックさにはかけるが、理にかなった卓球だろう。無理に回り込んでフォアで打つという思考は彼らにはない。打球点を落とすくらいなら、フォアは必要なく、バックハンドで打っていく。

特に愛工大名電高の田中佑汰は、そのスタイルが顕著だ。
田中は予選リーグでシチズン時計の町飛鳥、神巧也に、準々決勝で協和発酵キリンの平野友樹、松平賢二を下した。競り合いになっても無理にボールを打ちにいかず、あくまで冷静なボールさばきを見せる田中は、高校生離れしたゲーム作りをする。今後が楽しみな逸材のひとりだ。
準決勝で東京アートの「大人の卓球」を崩せるか、注目したい。

●準々決勝結果
男子
愛工大名電高 3−2 協和発酵キリン
東京アート 3−2 明治大学
専修大学 3−0 シチズン時計
リコー 3−1 ジュニアナショナルチーム

女子
中国電力 3−0 中央大学
遊学館高 3−2 早稲田大学
ジュニアナショナルチーム 3−2 日立化成
サンリツ 3−1 十六銀行

残るは準々決勝、決勝を残すのみ。
男女通じて、2011年大会以来、学生のチャンピオンチームは出ていない(11年は女子の淑徳大)。
そして高校が優勝するとしたら大会初となる。
男子の愛工大名電高、そして女子は遊学館高が準決勝へ挑む。
躍進はどこまで続くか?
  • 全勝中の田中は準決勝で東京アートに挑む

  • 今大会で成長した曽根。協和発酵キリン戦で松平に打ち勝った

  • まだまだ強い、高木和。高校生の挑戦を受ける

  • ここにきて調子が上がってきた田添(専修大)

 10月14日(日)に行われる『スポーツフェスティバルin東京スカイツリータウン』に、Tリーグの松下浩二チェアマンとTOP名古屋から参戦する安藤みなみ選手(専修大)が出演する。

 フェスティバルでは、卓球体験ブースや松下チェアマン、安藤選手のトークショー、Tリーグクイズが行われる予定。10月24日(男子)、25日(女子)の開幕戦に向けて、松下チェアマンがTリーグの魅力を語る。

■スポーツフェスティバルin東京スカイツリータウン

2018年10月14日(日)

◆卓球チャレンジ 10時30分〜 5階スペース634

◆ラジオ文化放送 公開生放送 15時〜 東京スカイツリータウン1階

◆トークショー 東京スカイツリータウン4階スカイアリーナ 16時15分〜
  • 松下チェアマン

  • 安藤みなみ

 アルゼンチン・ブエノスアイレスで行われている第3回ユース五輪・卓球競技。10月10日に男女シングルス決勝が行われ、張本智和(JOCエリートアカデミー)は王楚欽(中国)に1ー4で敗れ、準優勝。平野美宇(日本生命)も孫穎莎(中国)に1ー4で敗れ、ともに銀メダルとなった。男女シングルス、準決勝以上の記録は下記のとおり。

●男子シングルス準決勝
張本智和 ー6、11、12、4、ー9、ー5、6 林昀儒(チャイニーズタイペイ)
王楚欽(中国) 7、7、5、4 ジャー(アメリカ)
●3位決定戦
ジャー ー6、7、11、3、ー8、ー4、9 林昀儒
●決勝
王楚欽 8、ー5、1、11、9 張本智和

●女子シングルス準決勝
平野美宇 2、7、5、2 ドラゴマン(ルーマニア)
孫穎莎(中国) 3、7、6、ー1、5 カマス(インド)
●3位決定戦
ドラゴマン ー8、11、9、5、9 カマス
●決勝
孫穎莎 11、ー9、9、9、6 平野美宇

 張本は準決勝でチャイニーズタイペイの「天才児」、林昀儒にゲームオールで勝利。決勝で、ともに優勝候補の双璧を成す王楚欽と対戦した。張本は第2ゲームを奪うものの、左腕の王楚欽のコースと回転の読みにくいサービスに苦戦。中国選手独特の初速の速いサービスで、ロングサービスをうまく混ぜられ、なかなかチキータで狙い打てない。一方、王楚欽はフォア前からの強烈なチキータを随所に見せながら、両ハンドの快速カウンターを次々に決めた。

 まだ体の線は細い王楚欽だが、中国代表にデビューした頃から体の使い方のうまさ、柔らかさは光っており、スイングスピードは抜群に速い。台から下がってのラリー戦になれば互角以上に勝負できた張本だが、サービス・レシーブで優位に立てなかった。銀メダルは立派な成績だが、もちろん本人は満足していないだろう。

 平野は準決勝でドラゴマンを一蹴し、こちらも決勝での対戦が確実視されていた孫穎莎と激突。ゲームカウント1ー1の3ゲーム目は6ー3、4ゲーム目は5ー2と序盤でリードを奪い、十分にチャンスはあっただけに惜しまれる。平野のサービスはよく効いていたが、孫穎莎はバック対バックのラリーで緩急を交えながら粘り強く戦い、要所で思い切りの良いパワードライブを決めた。

 日本は大会後半の混合団体で、金メダル獲得に挑むことになる。混合団体は1番女子シングルス、2番男子シングルス、3番混合ダブルスの2単1複(5ゲームズマッチ)。張本、平野、混合団体で中国にリベンジだ!

※写真提供:レミー・グロス/ITTF
  • 張本は3歳年上の王楚欽に敗れ、銀メダル。写真は準決勝でのプレー

  • 平野、サービスはよく効いていたが、惜しくも銀メダル

  • 王楚欽のバックのカウンターは脅威だった

  • 粘り強い戦いぶりを見せた孫穎莎

  • 男子シングルス表彰。アメリカのジャー(右端)がうれしい銅メダル

  • 女子シングルス表彰。銅メダルはドラゴマン(右端)

 広島県東広島市に拠点を置く株式会社ATHERでは、卓球事業強化のため卓球の指導ができる人、また一般の人やスポーツ選手のトレーニング指導のサポートができる人を募集している。11月3日に会社説明会があるので、興味のある人はぜひ参加してみよう。まずは、HPにアクセス! (電話、メールでも申し込みは可能)
 ちなみに、株式会社ATHERのオーナーは、現在、日本卓球協会競技者育成委員で、マッサーを務めていた米澤和洋氏。日本スポーツ協会公認アスレチックトレーナーでありNSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト、NSCA認定パーソナルトレーナーの資格を持つ。

web:http://ather-sports.com
株式会社ATHER
739-0047 広島県東広島市西条下見5-1-24 ラポールこうのす102
TEL (082)424-8172 (担当:藤田,蘇武,米澤)
mail: info@ather-sports.com
 いよいよ卓球の新リーグ「Tリーグ」が10月24・25日に東京の両国国技館で開幕する。男女合わせて、現世界ランキングでトップ10の選手が7人も参戦する、文字通り世界最高峰のリーグの誕生だ。

 9月23日に水谷隼が自ら監修したDVDの発売記念サイン会にTリーグの松下浩二チェアマンも参加し、70名ほどのお客さんにTリーグをアピールした。このように地道なプロモーションにもチェアマン自ら足を運んでいた。
 五輪メダリストの水谷隼はこのTリーグを代表する「選手の顔」である。「日本でのプロリーグは楽しみにしていた。心待ちにしていたリーグの誕生です。ようやく実現されることがうれしいですね」と期待に胸を膨らませている。

 一方、Tリーグの「組織の顔」は松下浩二である。
 2017年3月に組織ができたが、その前のインタビューで、「18年秋のスタートは時間がなさ過ぎではないか」と質問をぶつけると、当時の松下はこう答えた。
 「スタートする時期を延ばしても同じです。人間、明日必ずやらなければいけないと思えば、今日始めるじゃないですか。あえてスケジュールをタイトにして優先順位を一番に持ってこなければいけない。だから、ゴールを決めて、そこに到達するためのスケジュールを決めたいと思っています」

 しかし、現実的に、テレビでの放映やネットでのストリーミングの権利問題、スポンサー獲得の問題、そして参加チームの募集は難航を極めた。途中でこのプロジェクトを投げ出したくなる衝動に襲われたのは一度や二度ではないだろう。
 Bリーグなどと違うのは、女子の日本生命レッドエルフ以外は、既存のクラブチームもなく、ほぼゼロからのチーム作りが始まったことだ。
 
 泣いても笑っても無茶な開幕と言われた10月24日はやってくる。松下浩二は「卓球新リーグ」を告げ、水谷隼がコート上で舞い、観客を魅了するだろう。
 だが、それは卓球の新しい時代の最初の一歩にしか過ぎない。本格的なリーグ作りはこれから始まるのだ。 (今野)
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Tリーグチケット情報

Tリーグオフィシャルサイト チケットページ
(Tリーグ会員の登録(無料)が必要)
https://tleague.jp/ticket/
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一般販売
(Tリーグ会員なしで購入を希望される方)

■ローソンチケット
インターネット予約: http://l-tike.com/sports/tleague
電話予約: 0570-000-732 (10:00~20:00/オペレーター対応)
店頭販売: ローソン・ミニストップ店頭「Loppi」

■e+(イープラス)
・インターネット予約:http://eplus.jp/tleague/
・店頭販売:ファミリーマート店内設置「Famiポート」

■CNプレイガイド
・インターネット予約:http://www.cnplayguide.com/tabletennis/
・電話予約:0570-08-9999(10:00~18:00/オペレーター対応)
・店頭販売:セブンイレブン店内設置「マルチコピー機」、ファミリーマート店内設置「Famiポート」

■チケットお問い合わせ窓口
0570-000-732
※10:00~20:00 オペレーター対応
  • 日本の卓球界を代表する顔。右は松下浩二、左が水谷隼

 ヨーロッパトップ16で優勝し、昨年のT2 APACのシングルスで優勝し、脚光を浴びているルーマニアのスッチ(23)。美人プレーヤーとしても有名だ。
 今週、卓球のメーカーのティバー社、三英社、卓球王国との共同イベントのために来日し、日本の卓球ファンをその美貌で魅了した。

 日本がTリーグで盛り上がっているのは知っていて、月刊卓球王国の最新号の表紙に同じルーマニアのサマラ(世界ランキング17位)がいるのを見つけ、指さしながら「本当は私がここにいたかった」と打ち明けた。

 「半年以上前かしら、Tリーグの関係者からメールをもらい、打ち合わせまでしてTリーグでプレーすることを考えていたんだけど、ある日からプツッと連絡がなくなった。驚いたし、とても残念だった」
 同僚のサマラはTOP名古屋に加入したのだが、この美人プレーヤーにその後、声がかかることはなかった。現在、兄もプレーをしているドイツのブレーメンで練習を続け、試合の時だけフランスリーグに駆けつける形を取っているが、練習環境や試合のレベルを考えればスッチにとってTリーグは憧れの場所でもある。

「大好きな日本でプレーしたい!」と美人選手はラブコール
 
 チャンスがあればTリーグに参戦したいか、と聞くと「もちろんよ。日本は大好きな国だし、日本のファンも好き。Tリーグでプレーすることは自分の夢でもあり、目標なんです」と熱く語るスッチ。
「ヨーロッパの選手が日本に住むのは大変かもしれないけど、日本なら大丈夫だと思う。今私は世界ランキング24位なので、20位以内に入って、早くトップ10に近づきたい。もちろん東京五輪は大きな目標です」

 ヨーロッパの女子の卓球選手は、プロフェッショナルとしてプレーを続けていくことは相当に難しい。男子は職業としての卓球選手が成り立つが、女子は長く続けることが難しく、さらに中国からの帰化選手も多いためにプロリーグである程度の報酬を得るのは容易ではない。
 一方、アジアでは中国でも日本でも女子選手がCMに使われたり、スポンサーが多くつくなど、ヨーロッパでは考えられない逆転現象が現実としてある。特に卓球では福原愛、石川佳純、伊藤美誠、平野美宇クラスになると、男子以上にスポンサーがつく。

 その美貌だけでなく、卓球の強さでもスッチはTリーグでプレーするに値する選手と言えるだろう。彼女自身のTリーグへのラブコールに応えるチームが現れれば、日本のファンはその美しい姿を見ることができるのだが……。 (今野)
  • 美人の誉れ高きスッチ

  • ティバー・三英・卓球王国の共同イベントでのスッチとサムソノフ

 リオ五輪でオフチャロフ(ドイツ・ロンドン五輪メダリスト)を破り、準決勝に進出。メダル決定戦では日本の水谷隼に敗れたものの、40歳という年齢ながら最高のパフォーマンスを見せたブラディミル・サムソノフ(ベラルーシ)が、女子のヨーロッパトップ16優勝者のベルナデッテ・スッチ(ルーマニア)とともに、昨日、東京・渋谷(渋谷卓球倶楽部)で行われたティバー・三英・卓球王国の共同イベントに参加した。

 これが彼の人間性なのだろう。
 日本の卓球ファンに対して、笑顔でボールを打ち合い、気軽にサインをして、カメラに収まっていた。「こういうイベントはヨーロッパにもあまりないし、ぼくの好きな日本でファンとこれだけ触れあったことはない。楽しい体験だね。このイベントを見ただけでも日本での卓球人気がわかるよ」とコメントしつつ、「今卓球の人気はどのくらいあるんだろ?」「テレビにも卓球はよく出るの?」と質問をしてきた。日本の卓球事情に興味津々だった。

かつてチームメイトだった松下浩二にエールを送る

 Tリーグの松下浩二チェアマンとは、1998年から同じドイツのボルシア・デュッセルドルフのクラブで一緒にプレーし、ヨーロッパチャンピオンズリーグで優勝カップをともに掲げた仲だ。また昨シーズンまでは水谷隼とロシアリーグのオレンブルグでチームメイトとしてプレーしている。
「(松下)コウジは頑張ってるよね。ヨーロッパの選手にとっても日本のTリーグは興味深いリーグだし、みんなが注目している。ぼくが出るかどうか? もちろんリーグには興味はあるよ。フル参戦は難しいかもしれないけど、日本は好きな国だからチャンスがあれば嬉しい」「アジア、とりわけ中国と日本は卓球人気が高いし、世界の中でも注目すべき国になっている。Tリーグはヨーロッパを刺激すると思うよ。それによって世界の卓球界が発展していったら嬉しいね」と語った。

 1993年世界選手権に16歳でデビューし、いきなりベスト16まで進み、「天才サムソノフ」と呼ばれた。1996年にはアトランタ五輪に初出場し、準々決勝で中国の王涛と対戦し、停電による2度の中断がなければ、ひょっとしたら……という大激戦を演じた。その後、1997年世界選手権では4人の中国選手を連破し、決勝に進出したが、もう一人の天才、ワルドナー(スウェーデン)に敗れた。ヨーロッパ選手権では3度、チャンピオンに輝いている。まさに生けるレジェンド。
 2000年の世界選手権では、心臓病に苦しむ子どもの新聞記事を読み、病院を訪れ、お金を寄付するなど、慈善活動も行っている。

 低迷するヨーロッパの卓球を憂慮しながら、世界の卓球の発展に目を向けるサムソノフは、松下浩二チェアマンとTリーグを気にかけていた。
 そして最後に「好きな日本で行われる東京五輪に出場することが今の目標だよ。そしてそれがぼくの最後の国際大会になるかもしれない」と語った。 (今野)
  • リオ五輪でオフチャロフに勝った時のサムソノフ

  • ティバー×三英×卓球王国のイベントでのサムソノフとスッチ

 Tリーグ男子の岡山リベッツに韓国の張禹珍が加入することが発表された。すでに岡山は2017年世界3位の韓国の李尚洙に、日本の上田仁、吉田雅己、森薗政崇、吉村和弘を登録。張禹珍の加入で層が一段と厚くなった。

 張禹珍は1995年9月生まれの23歳。ロングサービスからの両ハンドドライブの超攻撃型卓球。2018年世界団体では、日本戦の3番で当時世界ランク14位の松平健太を破り、チームの勝利に貢献した。
 13年には世界ジュニアで優勝、今年の韓国オープンでシングルス・ダブルス・混合ダブルスで優勝した。10月現在の世界ランキングは20位。
  • 岡山リベッツに加入する張禹珍

 10月24日に男子、25日に女子の開幕戦を迎える卓球の新リーグ、Tリーグ。日本男子のすべてのトップ選手、女子では平野美宇、早田ひな、そして石川佳純が参戦を発表した。
 唯一、世界選手権の日本代表クラスでTリーグへの参戦を表明していなかった伊藤美誠(リオ五輪メダリスト・全日本チャンピオン)が「参戦を見送る」ことを今日、所属先のスターツがマスコミにリリースした。

伊藤美誠選手のコメント
「いつもたくさんの応援、ありがとうございます。Tリーグ開幕にあたり、参戦要請をいただいたことはとても嬉しく、大変光栄に思っています。参戦に関してはとても悩みましたが、私は小学生からの夢『オリンピックで金メダル』を実現させるため、またこれまで私を育ててくださった卓球界へ恩返しするためにも、2020年の東京オリンピックで金メダルという結果を出すことが一番と考え、それまでの限られた時間を強化に専念すると決めました。この決断をご理解いただき、あたたく見守り応援してくださる日本卓球協会様、そしてスポンサー各社の皆様にも大変感謝しています。Tリーグ発足は卓球界にとって新たな一歩で、私も大変嬉しく思っています。近い将来、私もTリーグに参戦させてもらう機会がありましたら、皆様に私のプレーを見ていただきたいと思います。
  いよいよ、年明けから東京五輪の選考レースが始まります。応援してくださる皆様の期待に応えるためにも、自分らしく頑張ります。これからも応援よろしくお願いします」

 本人のコメントではオリンピックでの金メダルを実現に向けて強化に専念するため、年明けから始まる五輪選考レースで頑張るため、という理由が挙げられている。
 ただ、五輪への出場やメダル獲得というのは、同じく選考レースを戦っていく石川佳純や平野美宇なども同じ状況。石川佳純はTリーグへの参戦は「自分が強くなるため」と位置づけながら、「卓球ファンや一般の方に卓球の面白さを見てほしい」という卓球界への貢献も口している。ネットなどでは伊藤美誠がTリーグに出ないのはおかしい、という声が挙がっており、今回そういったネガティブな声に応える形のプレスリリースとなった。

 これでようやくTリーグに参加するトップ選手が決まった。五輪選考レースはともかく、このTリーグは5年後、10年後の卓球界を形成していく大事な新リーグになっていくことを考えれば、まずはこのリーグのスタートダッシュに注目していきたい。
 そしていつの日か、伊藤がTリーグに参戦する日が来ることを卓球ファンは待っている。 (今野)
  • Tリーグ参戦見送りを決めた全日本チャンピオンの伊藤美誠