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 21日に開幕した世界選手権個人戦、69年ぶりにハンガリーのブダペストで静かに始まったが、来年の東京五輪を前に、ここがアジア勢の決戦の地になることを誰もが想像している。日本選手も中国選手も安定した出足を見せながら、大会のスタートを切っている。
 1926年(昭和1年)に国際卓球連盟が創立され、第1回世界選手権がイングランドのウェンブレーで開催された。その時の創立協会のひとつがハンガリーである。卓球が中国発祥の思っている人も多いのだが、実はイングランドが発祥で、アジアの日本や中国が世界の舞台に立つのは1950年代以降の話なのだ。
 かつてはシド、サバドス、ベルチック、その後、1970年代以降は、ヨニエル、クランパ、ゲルゲリーがハンガリーの全盛時代を築いた。世界卓球界の盟主であり、スウェーデンとともにヨーロッパ卓球の中核だった。

 大きな転換期は1989年。まずはドイツのベルリンの壁の崩壊だ。その後、冷戦は終結し、東欧の民主化が進んでいく中で、古豪ハンガリーも衰退していく。
 そういう中で2007年ザグレブ(クロアチア)、2010年モスクワ(ロシア)に続く、東欧ハンガリーでの開催となった。自国が決して強くはない中、今回よくぞ大会を招致し、開催したものだと思う。ハンガリー選手の活躍で盛り上がることがないと想定される中で、大会を持ってくるのはある意味相当の決意が必要となる。そこに国際卓球連盟創立協会として、かつて世界の覇権を握っていた協会の矜持を垣間見ることができる。

 今、ヨーロッパの卓球界は瀕死の状態になっている。かつて、ハンガリー全盛時代があり、その後、1980年代後半からスウェーデン全盛時代が訪れ、日本は低迷していたものの、そのヨーロッパに中国と韓国、北朝鮮が対抗する時代があった。
 1980年代から2000年にかけての世界の卓球はダイナミックでエキサイティングな時代だった。世界チャンピオンになりえる選手たちがいくつもの国にいた。卓球スタイルも百花斉放で、個性的な選手が多くいた。

 スウェーデン全盛時代に、まずスウェーデンの育成システムや練習方法はほかのヨーロッパの国々が模倣した。スウェーデン選手の創造的なプレーはコピーできなくても、その練習メソッドのコピーによって、個性的だったヨーロッパの国々の卓球がある意味画一化されていった。

 前述した1991年の東欧の自由化が、世界卓球に与えた影響は大きい。それまでハンガリーをはじめ、ユーゴスラビア(のちにセルビアやクロアチアなどに分離)、チェコスロバキア(後にチェコとスロバキアに分離)、ポーランド、ソ連(後のロシアやベラルーシ、ウクライナなど15カ国)などの国々は、卓球選手はステートアマ(国が支えるアマチュア選手)と呼ばれていたが、実施的には職業卓球人(プロフェッショナル)だった。彼らは国のナショナルトレーニングセンターで練習を重ね、生活をしていた。
 それが東欧民主化によって、ステートアマがなくなり、自力での生活を余儀なくされる。それは生活するためにはドイツ・ブンデスリーガやフランスリーグで、プロ選手として生活するということだった。

 それは有望な選手が、自国での訓練を行わないことを意味していた。これによって一気に東欧の卓球のレベルが落ち、世界の卓球の勢力図は、ドイツ、スウェーデン、フランスなどのヨーロッパのわずかな国と、中国、韓国、日本、チャイニーズタイペイ、香港、シンガポールなどのアジアに大きく傾いていく。
 もうひとつ重要なのは指導者の問題だ。それまでは国家公務員として保護されている中でジュニアやシニアを指導していたコーチが、民主化の影響で生活できなくなり、激減したことだ。
 東欧に限らず、ドイツ、スウェーデン、フランスでも良い指導者の枯渇が問題視されており、これがヨーロッパ卓球の地盤低下、低迷の最大の要因かもしれない。

 プロの指導者がいないヨーロッパに対し、日本では、特に女子では選手ひとりにマンツーマンコーチ、専任の練習相手、専任のフィジカルが帯同するのが当たり前となっている。日本選手を支えている経済的バックボーンが日本とヨーロッパの差になって現れているとも言える。

 日本の強化体制の二つの柱は個人の恵まれた環境と協会のサポートである。常に練習できるナショナルトレーニングセンターの存在も大きい。選手個人の所属チーム(もしくはスポンサー)の強大な経済的バックアップ(特に女子)、そこへの協会の配慮によって、日本の卓球は近年、独特の発展を遂げている。国家チームとして協会が全てを決定し、掌握する中国とは異なる強化方法だ。
 ヨーロッパの衰退と日本の隆盛。時に過剰にも見える日本選手の環境だが、中国や韓国でさえ参考にしようという動きもある。フルタイムのコーチさえ減っているヨーロッパにとって、ひとりの選手に専任のコーチ、専任の練習相手やフィジカルコーチがつくという体制は垂涎の的になっている。

 ヨーロッパ女子は壊滅的な状態であり、男子はボル、オフチャロフというドイツ勢も高齢化する中、有望な若手が出てこない。ヨーロッパが徐々にはあるが弱っていく中、卓球大国の威信を保とうとする中国と、多くのメダリストを輩出してきた韓国の地力、そして日本の素晴らしい環境などを考えると、今や完全に世界卓球の勢力図はアジアを中心に描かれている。

 「卓球がアジアスポーツになる」ことを関係者は指をくわえて眺めるしかないのか。近年、国際卓球連盟はマーケティング先行で卓球のステイタスを上げるために新しい試みを見せているが、卓球はグローバルスポーツとして、実は、内憂外患の時代を迎えている。 (今野)
  • 日本の柱、石川選手。「チーム石川」としての環境は整っている

  • かつてのスター選手、メイスの復活。欧州の若手は枯渇状態

 4月18日より、奈良・ジェイテクトアリーナ奈良で開催されていた第28回日本卓球リーグ選手権 ビッグトーナメント奈良大会が本日終了。昨日は男女ダブルス、今日は男女シングルスの決勝までが行われ、男子は有延大夢(リコー)、女子は宋恵佳(中国電力)がともに2冠に輝いた。

【男子シングルス】
優勝:有延大夢(リコー)
準優勝:笠原弘光(シチズン時計)
3位:平野友樹(協和発酵キリン)、上村慶哉(シチズン時計)

【女子シングルス】
優勝:宋恵佳(中国電力)
準優勝:安藤みなみ(十六銀行)
3位:平侑里香(サンリツ)、平真由香(日立化成)


【男子ダブルス】
優勝:鹿屋良平/有延大夢(リコー)
準優勝:松下海輝/藤村友也(日鉄物流ブレイザーズ)
3位:江藤慧/松下大星(クローバー歯科カスピッズ)、後藤卓也/渡辺裕介(協和発酵キリン)

【女子ダブルス】
優勝:土田美佳/宋恵佳(中国電力)
準優勝:松本優希/平侑里香(サンリツ)
3位:安藤みなみ/徳永美子(十六銀行)、鈴木李茄/近藤早紀(日立化成)

 有延は今日の初戦でいきなり皆川(日野自動車)に2ゲームを先取される苦しい立ち上がりも、徐々に調子を上げて藤村(日鉄物流ブレイザーズ)、高木和(東京アート)らを下して決勝進出。決勝では積極的に先手を奪っての鋭いドライブ速攻、持ち上げさせてのカウンターで笠原のペースに持ち込ませず3-1で優勝を決めた。
 シチズン時計に移籍後、初のゲームとなった笠原は気合いの入ったプレーで準優勝。準々決勝で松平、準決勝で平野と、昨年度まで所属した協和発酵キリンのエース2人を退けるなど存在感を放ったが、優勝には届かず。決勝後はベンチで悔しさをにじませた。

 宋は予選リーグ2位通過からの優勝。準決勝で社会人女王の平(サンリツ)にゲームカウント2-0と追い込まれたが、ここから3ゲーム連取で決勝へ。「相性は良いと思う」という青森山田の後輩・安藤の変化も苦にせず、しっかりとボールを絞ってストレートで圧倒。クールな宋だが、優勝の瞬間は拳を握り、チームメイトからの声援に笑顔を見せた。
 ルーキーの安藤はさすがの実力を見せて決勝に勝ち上がるも、青森山田の先輩に屈しデビュー戦Vはならなかった。しかし、実力者ひしめく中での準優勝は見事。チーム、そして日本リーグを盛り上げる選手となりそうだ。

 リコー、中国電力にとっては、初のビッグトーナメントでのタイトル獲得。昨シーズン、ファイナル4を初めて制した両チームだが、今年度の日本リーグ最初のゲームでも大きなインパクトを残した。
  • 男子シングルス優勝:有延大夢

  • 女子シングルス優勝:宋恵佳

  • 男女ダブルス優勝ペア

 いよいよ明日4月21日に開幕する『世界卓球2019ブダペスト大会(個人戦)』。
 同大会の模様が、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」にて4月23〜29日の期間中、日本語実況・解説付きでLIVE配信・見逃し配信が行われる。
 さらに、4月25〜28日は全試合Paraviが独占配信することが決定した。
 ParaviでのLIVE配信予定は以下のとおり

【Paravi(パラビ)LIVE配信概要】※日本語実況・解説付き
4月23日(火) 01:00~03:45 (4月22日(月)深夜25:00~27:45)
4月23日(火) 17:00~27:40
4月24日(水) 17:00~27:00 
4月25日(木) 17:00~28:00 ※Paravi独占配信
4月26日(金) 19:00~27:00 ※Paravi独占配信
4月27日(土) 19:00~27:00 ※Paravi独占配信
4月28日(日) 20:30~22:30 ※Paravi独占配信
※アーカイブ配信:LIVE配信終了後、順次配信予定
※大会の進行により、配信時間変更の可能性があります。あらかじめご了承ください。


●動画配信サービス「Paravi」世界卓球視聴ページ
https://www.paravi.jp/title/40440


 
 4月15〜19日にベルギー・スパでITTFジュニアサーキット・ベルギージュニア&カデットオープンが開催。日本からは男子5選手のみ参加し、ジュニア男子ダブルスで篠塚大登/横谷晟(愛工大名電中)が決勝でベルギーペアをゲームオールジュースで下し優勝を果たした。ジュニア男子シングルスでは吉山僚一(愛工大名電中)のベスト16が最高の成績となったが、ジュニア男子団体では日本/ニュージーランドの混成チーム(吉山・柏竹琉/ネイサン・シュ)が準優勝。カデット男子シングルスでは鈴木颯(愛工大名電中)が3位と健闘した。

 大会の優勝記録と日本選手の上位記録は以下のとおり。 

■ベルギージュニア&カデット記録(※日本女子は不参加)
●ジュニア男子シングルス優勝:全開源(中国)
●ジュニア女子シングルス優勝:臧小桐 (中国) 
●ジュニア男子ダブルス優勝:篠塚大登/横谷晟
●ジュニア女子ダブルス優勝:冷雨桐/梁家怡(中国)
● ジュニア男子団体優勝:中国 2位:日本/ニュージーランド混成(吉山僚一・柏竹琉/ネイサン・シュ) 
● ジュニア女子団体優勝:中国 
●カデット男子シングルス優勝:陳垣宇(中国) 3位:鈴木颯
●カデット女子シングルス優勝:徐奕(中国) 
●カデット男子ダブルス優勝:陳垣宇/林詩棟(中国) 
●カデット女子ダブルス優勝:劉如紜/蔡昀恩(チャイニーズタイペイ) 
● カデット男子団体:中国 
● カデット女子団体:中国
● ホープス男子シングルス優勝:サモヒン(ロシア)
●ホープス女子シングルス優勝:葉伊恬(チャイニーズタイペイ)
 スポーツライターの城島充氏が描き上げ、1999年のNumberスポーツノンフィクション新人賞を受賞した『武蔵野のローレライ』の主人公であり、荻村伊智朗氏(故人・元世界チャンピオン、元国際卓球連盟会長)を長く支えた上原久枝さんが4月19日午前に逝去された。
99歳だった。

 ひとりの主婦だった上原さんが、東京の吉祥寺の自宅を改造して作った武蔵野卓球場。この卓球場から後の世界チャンピオン荻村伊智朗が育っていった。また、その後、荻村が主宰する青卓会というクラブチームを上原さんは陰で支えた。

 実は、現在、卓球王国の発行・編集人である今野昇、編集スタッフである中川学、営業担当の宮内信也、販売担当の榎並雅子は若い時に武蔵野卓球場で汗を流し、卓球王国を創刊する時も上原さんに叱咤激励された縁がある。上原さんと会っていなければ、四人は卓球の仕事に入ることはなかったかもしれない。また、青卓会は国際交流も盛んに行い、スウェーデンのステラン・ベンクソン(1971年世界チャンピオン)、ウルフ・カールソン(1985年世界ダブルスチャンピオン)も武蔵野卓球場や上原さんにお世話になった。
 故人のご冥福をお祈りする。
 4月21日に開幕する世界選手権ブダペスト大会(個人戦)。
 それに先だって4月13日に、世界選手権日本代表の公開練習と記者会見が行われた。その席上で、マイクを向けられた全日本チャンピオンの水谷隼(木下グループ)は「世界選手権の個人戦はこれが最後です」と多くのメディアの前でそう語った。以前から、「日本代表として東京五輪が自分の最後の大会」と語っていただけに、最後の世界選手権個人戦、と彼が言っても驚きはない。
 しかし、全日本選手権で優勝した直後の「最後の全日本」発言に始まり、ここに来て「最後の世界選手権個人戦」と続いた。それは彼自身の決意表明だったのか、世界戦(個人戦)への決別だったのか……。

 その会見の1時間半前に行われた記者のための囲み取材で、記者の質問は水谷の目のことに集中した。

 「会場にもよるけど、国際大会で暗い中でやる時にはボールはほとんど見えない。18年1月からこんな状態です」と語り始め、15分間の囲み取材のうち、12分間は目のことに質問が集中した。全日本チャンピオンの水谷であれば、もっと卓球に関する質問があってもいいし、本人もそういう質問に誘導すべきではないのか。
 個人的にはそういう水谷を取り巻く雰囲気には辟易している。最後の世界選手権個人戦であれば、その決意や卓球への思いの強さをもっと語ってほしかった。それが全日本チャンピオンとしての矜持ではなかったのか。

 1月に全日本優勝を決めた直後の卓球王国へのインタビューで、彼の目に関するコメントを拾ってみた。
「ボールが見えなかったし、1球のストレスがすごくて、どんなチャンスボールでもミスをしそうだった」「目の病気ではないので原因がわからない。光が反射して、ザワザワした感じでクリアに見えない」 
目が改善されなくて、オリンピックに行くのはしんどくない?
「オリンピックと言うよりは、これからのワールドツアーだと会場が暗くて本当にボールが見えない。手術もしたけど、いまだにボールが見えなくて、これからどうしていいのかわからない」

 全日本選手権で優勝したからこそ、水谷は目のことを正直に語ったのかもしれない。今回の合同の囲み取材でもそうだが、堰を切ったように目のことを語った水谷。今まで言いたくてもそれが言い訳に聞こえてしまうために、言えない苦しみを自ら口に出しているということなのだろう。

 しかし、今のままでは世界選手権でも、水谷が戦ったあとには常に目の質問が集中するだろう。暗い会場でスポットライトが入るようなコートでの見えにくさは、彼だけではなくほかの選手も感じている。それを口に出すかどうかは選手次第。もちろん、その目の不調の苦しみは彼にしかわからない。
「目のことは水谷しかわからないので、彼に寄り添っていくし、できるだけのことはしていく。ただ、なるべく卓球に集中する環境をつくってあげたい」と男子NTの倉嶋洋介監督は語った。

 その通り、今回の世界選手権で水谷は卓球に集中しなければならない。彼が戦う前に目のことが気になって集中力が落ち、最後の世界選手権個人戦で力を発揮できないことが心配だ。最後の世界個人戦で水谷隼という、日本卓球界の顔ともいうべき選手に後悔を残してほしくない。
 ブダペストで水谷が戦うべき相手は二人いる。ひとりはコートの向こうの相手であり、もうひとりは目の問題に逃げ込もうとする水谷自身なのだ。今はただ、ブダペスト大会のプレー環境が、彼にとって良好なものであることを願うばかりだ。(今野)
  • 2月のジャパントップ12でサングラスをかけてプレーする水谷

 4月10〜14日にフランス・メスでITTFジュニアサーキットプレミア・フランスジュニア&カデットオープンが開催。日本からは男子5選手、女子3選手が参加し、5種目で優勝と活躍を見せた。
 カデット男子シングルス決勝では愛工大名電中の同士討ちとなり、鈴木颯が吉山僚一を破って優勝。カデット女子では準決勝で赤江夏星(貝塚市立第二中)との同士討ちを制した横井咲桜(ミキハウスJSC)が決勝でもパバデ(フランス)をゲームオールでくだし頂点に立った。横井は赤江と組んだダブルスでも優勝し、今大会2冠を獲得した。

 ジュニア種目では男女ともに団体戦で優勝。シングルスでは頂点には届かなかったが、篠塚大登(愛工大名電中)と赤江がそれぞれ3位に入賞した。

 大会の優勝記録と日本選手の上位記録は以下のとおり。 

■フランスジュニア&カデット記録
●ジュニア男子シングルス優勝:カツマン(ロシア) 3位:篠塚大登
●ジュニア女子シングルス優勝:パバデ(フランス) 3位:赤江夏星 
●ジュニア男子ダブルス優勝:グレブネフ/カツマン(ロシア)
●ジュニア女子ダブルス優勝:エイミー・ワン/クリスタル・ワン(アメリカ)  3位:赤江夏星/横井咲桜
● ジュニア男子団体優勝:日本(篠塚大登・鈴木颯・横谷晟) 
● ジュニア女子団体優勝:日本(小塩遥菜・赤江夏星・横井咲桜) 
● カデット男子シングルス優勝:鈴木颯 2位:吉山僚一
● カデット女子シングルス優勝:横井咲桜 3位:赤江夏星
●カデット男子ダブルス優勝:ベリク/ホーロ(チェコ/ドイツ) 
● カデット女子ダブルス優勝:赤江夏星/横井咲桜 
● カデット男子団体:フランスA 
● カデット女子団体:フランスA 
 03年世界選手権準優勝で、驚異的な守備範囲と鋭い攻撃で活躍した「カットの鉄人」、朱世爀(チュ・セヒュク)選手がTリーグ男子の琉球アスティーダに加入することが発表された。

 朱世爀は17年に一度現役を引退し、三星生命女子チームのコーチを務めていたが、韓国国内で新設されるKRA(韓国馬事会)男子卓球部の一員として現役に復帰することが伝えられていた。今季のTリーグ男子では、カット型の登録は同じ琉球の村松雄斗選手と、シーズン途中から木下に加入した侯英超選手のふたりだけ。すでに韓国NT(ナショナルチーム)からは外れている朱世爀選手だが、琉球にとっては貴重な戦力になると同時に、往年のカットプレーでファンを大いに沸かせてくれるだろう。

【朱 世赫選手コメント】
https://www.youtube.com/watch?v=zGBFsPl-uN0&feature=

沖縄のファンの皆様、こんにちは!チュ セヒョクです。
Tリーグでプレイし、皆さんにお会いできることになりました。
8月からの試合で期待してもらえると嬉しいです。
私とチームを応援をおねがいします。
全力を尽くして戦います。沖縄でお会いしましょう!
  • 17年のT2リーグでプレーする朱世爀選手

 4月13日、東京・赤羽のNTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)で、世界選手権(個人戦)ブダペスト大会に出場する日本選手団の練習が公開され、記者会見が行われた。

 例年にも増して多くの報道陣が集結する中、最も注目が集まったのがアジアカップで右手薬指を傷めた張本智和の状態。4月8日に検査を受けた結果、診断は腱鞘炎(けんしょうえん)で、昨日から練習を再開している。
 「アジアカップの時よりは良くなっている。無理したら少し痛くなってしまいますが、練習は普通にできています。まだまだ感覚とかは足りないんですけど、練習できることがまず一番。これからもっと調整していきたい。規定練習以外はあまりやらないようにしています」(張本)

 この4月に高校1年になったばかりで、男子NT・NT候補選手の中でも最年少の張本だが、昨年計測した握力の数値はNTでもナンバーワン。利き手である右手の握力は57キロあるのだという。「ラケットをずっと強く握って振っていたので、その積み重ねだったり、強く握りすぎる部分もあるみたいです。世界選手権が終わってから、対策も考えたい」(張本)。

 8大会目の世界選手権個人戦となる水谷は、2020年東京五輪を最後に第一線を退くことを表明している。記者会見でも「世界選手権個人戦は今大会が最後になると思うので、最後の一球まで悔いのないプレーをしたいと思います」と抱負を語った。

 女子では、3種目に出場する伊藤が早田とのダブルス練習を中心に汗を流していた。好プレーには満面の笑顔でガッツポーズを決め、凡ミスには顔をしかめて自らを叱咤する。五輪前年のプレッシャーは少なからずあるはずだが、コートの中では全力で目の前の一球に取り組んでいる。
 
 「ミックスの試合をやった後に、練習せずに女子ダブルスの試合をやったりして、(3種目出場に備えて)1日の中で種目をいろいろ切り替えたりしています。
 カタールオープンで3種目出させてもらって、体はすごく元気なんですけど、頭がボーッとして動かなくなることがあった。まずは目の前の種目ごとの切り替えを早くして、自分の実力を出せるようにしたい。世界選手権は今年では一番大きい大会でもありますし、五輪選考にも絡む大会ですが、一大会として世界選手権に集中したい」(伊藤)

 日本選手団は4月15日に日本を出発。ドイツでの直前合宿を経て、19日にブダペストに入る予定だ。中国を筆頭に強力なライバルが揃うが、1枚でも多くのメダルを日本に持ち帰ってもらいたい。
  • 昨日から練習を再開した張本。練習の虫もスローペースで調整

  • 「最後の世界選手権個人戦」に臨む水谷

  • 笑顔が絶えない伊藤(右)/早田も、練習中はビシッと締める

  • 石川は7大会目の世界選手権個人戦となる

  • いざニッポン、出陣の時は来た!

 4月21日にスタートする世界選手権ブダペスト大会(個人戦)に日本からエントリーしていた混合ダブルスの張本智和・石川佳純組(木下グループ・全農)がエントリーを取り消し、前回の世界チャンピオンペア、吉村真晴(名古屋ダイハツ)・石川佳純組で再エントリーしたことが国際卓球連盟のWEBサイトで判明した。
 7日に終わったアジアカップの準々決勝のあと、右手薬指に違和感を訴えた張本智和。順位決定戦ではプレーしたものの、力の入らない状態となった。ブダペスト大会では3種目にエントリーしていた張本だが、本人への負担を軽くするためのエントリー取り消しと見られる。
 
 吉村・石川の混合ダブルスは、先の全日本選手権では早くに敗退したが、4年前の世界選手権では銀メダル、2年前に優勝している実績のあるペアだ。来年の東京五輪では初めて混合ダブルスが採用されるため、中国はじめ、各協会が混合ダブルスに力を入れている。
  • 前回チャンピオンの吉村真晴・石川佳純ペア

  • 17年世界選手権より