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 11月1日から12日まで香港で開催される予定だったアジア聴覚障がい者スポーツの祭典、「第9回アジア太平洋ろう者競技大会」。香港で過熱化する反政府デモの影響を受け、この大会の中止が発表された。数カ月に亘り、アジア太平洋ろう者スポーツ連合(APDSC)と大会実行委員会(香港ろうスポーツ協会)が協議を重ね、選手団の安全面を最優先した結果、10月10日に大会中止の通知が各国になされた。

 卓球競技には、男女8名(男子:伊藤優希、井藤博和、灘光晋太郎、亀澤史憲、女子:川﨑瑞恵、長田恵、立石里吏、影山光輝)が派遣される予定だったが、無念の大会中止。「中止は大変残念ですが、来年6月にデフ世界選手権(ユースの部:6月17〜19日、一般:6月20〜27日/オーストリア・バーデン)が行われます。そちらに向けて、気持ちを切り替えて頑張っていきたい」(梅村正樹日本ろうあ者卓球協会ナショナルチーム監督)
 ろうあ者日本代表は大会に向けて、定期的に大正大などで合宿を開催。今週末の10月19、20日に最終合宿を行って大会に臨む予定だった。大会は中止となったものの、今週末の合宿は予定どおり行うとのこと。6月のオーストリアで、鬱憤を晴らす活躍に期待したい。
 スウェーデンとドイツでのITTFワールドツアー2大会を転戦し、帰国したばかりの日本選手団。さらに女子の石川・平野の両選手は、今日16日午後に女子ワールドカップが開催される中国に向けて出発する強行軍。さすがに各選手とも疲労の色が濃かったが、2014年の世界卓球(団体戦)東京大会以来、5年ぶりとなる日本での団体戦の世界大会開催。各選手ともしっかり抱負を述べた。コメントは下記のとおり。

■日本男子チーム
◎水谷隼

「最近本当に試合が多くて、世界のトップ選手と毎週のように試合ができるので、自分の状態もわかってくる。チームワールドカップでは自分のプレーがしっかりできればどのチームにも勝てるチャンスはある。
 今度のワールドカップ団体戦でも、14年世界卓球東京大会と同じような雰囲気で試合できると思うと、期待感でいっぱいです。自分の持っている力を全部発揮して、良い成績を残したい」

◎張本智和
「チームワールドカップまで3週間あるので、しっかり練習して、本番では金メダルが獲れるように頑張りたい。ぼくは他の選手より団体戦の経験が少ないので、まだ団体戦で良いプレーができていない。経験は少ないですけど、自分の実力を100%出し切って、チームのために貢献できればと思います」

◎吉村真晴
「ぼくはいつもどおり元気です(笑)。自分が持っているものをすべてチームワールドカップで出し切ることを目標にしている。そうすれば必然的にみんな勢いづいて、メダルは必ず獲れる。自分がやれることをやって、できる最高の準備をしたい」

■日本女子チーム
◎石川佳純

「たくさんある試合の中でもチームワールドカップはすごく大きな大会。優勝目指して頑張りたいです」

◎伊藤美誠
「私は大会まで3週間弱あるし、団体戦ですけど個々の力も大事になってくるので、練習をたくさんしてチームの勝ちにつなげていけたらいいと思います。私は日本で試合をするのが大好き。たくさんの方に見に来てもらえたらすごくうれしいです」

◎平野美宇
「結構試合が続いているんですけど、チームワールドカップではしっかりコンディションを整えたい。日本でいろんな方に見てもらえるので、しっかり結果を残して、台風で被災された方々にも元気を与えられるようなプレーがしたい。目標は優勝です」

 会見での質疑応答では、快進撃を続ける日本男子ラグビーチームの活躍が刺激になるかどうか、質問が飛んだ。石川は次のように語っている。「(ラグビー男子チームが)格上のチームに何度も勝つというのは本当に素晴らしいことだし、難しいこと。私たち卓球はずっと中国が優勝していて、そこに挑戦している。格上のチームに何回も勝っていく姿を見せてもらって、「私たちもやれるんだ」という勇気をいただいた」。

 今大会の日本女子では唯一、2014年の世界卓球(団体戦)東京大会を経験している石川。「団体戦はすごく特別なものがありますし、日本での戦いはプレッシャーも大きいですけど、それを力に変えられるかどうかは、自分たちの気持ちの持ち方次第。自信を持って日本代表としてプレーしたい」と力強く語った。
  • 「ラグビーW杯から勇気をいただいています」とコメントした石川

  • 日本は男女チームとも前回準優勝、今大会で初優勝を狙う

  • テレビ東京の大会応援団長に、アニメ『ポケットモンスター』のピカチュウが就任

  • ちょっとお疲れの日本選手団も、ピカチュウに癒やされました

 11月6〜10日に東京・東京体育館で行われる『JA全農 卓球ワールドカップ団体戦 2019TOKYO』。2020年東京五輪の会場となる東京体育館を舞台に、世界から男女12チームが集結し、頂点を争う。
 10月16日、9月から新たに運営が開始されたNTC(ナショナルトレーニングセンター)の屋内トレーニングセンター・イースト(東館)で、日本男子チームの倉嶋洋介監督、日本女子チームの馬場美香監督と男女出場選手が出席し、大会前の記者会見が行われた。倉嶋監督及び馬場監督のコメントは下記のとおり。

◎日本男子チーム・倉嶋洋介監督
「日本では台風19号による大きな被害が出る中、我々選手団も心配する思いでおりました。日本開催のワールドカップ団体戦で、被災された方々に少しでも元気を出してもらえるような戦いを目指したい。ラグビーワールドカップやバレーボールのワールドカップの勢い、熱をそのまま引き継いで、卓球の素晴らしさ、スポーツの素晴らしさを伝えられる大会にしたい。
 前回大会で初めて決勝に進出できて、次の目標はもちろん中国に勝つことですが、ライバル国も多くて準々決勝からは厳しい戦いになる。カギになるのはダブルスと、エースがしっかり勝ち星を上げること」

◎日本女子チーム・馬場美香監督
「台風の被害に遭われた方々には、私たちのプレーを見て元気をつけてもらいたい。女子はチーム力と、皆さんの応援をパワーに変えて、地元開催のワールドカップ団体戦で打倒中国、優勝を目指していきます。
 打倒中国を目指していますが、そこまでいくにはその他の強豪国に勝っていかないと、決勝で中国への挑戦権を得られない。まず決勝までしっかり勝ち上がることと、1番のダブルスが重要なので、ダブルスの強化をして2番でのエース対決に勝利を懸けていきたい」
  • 「卓球の素晴らしさを伝えられる大会にしたい」と語った倉嶋監督

  • 馬場監督は「短い期間でも、ダブルスの強化をしていきたい」と語った

  • 会見が行われたNTCの屋内トレーニングセンター・イースト

 10月11~13日にフィンランド・ラハティで「ITTFパラ・フィンランドオープン」が開催。女子クラス7で友野有理(日本体育大)が優勝したほか、日本勢が各クラスで入賞を果たした。入賞者は以下の通り。

●個人戦入賞者
男子C9:3位・岩渕幸洋
女子C8:優勝・友野有理、3位・廣兼めぐみ
女子C10:3位・竹内望、工藤恭子
女子C5:3位・別所キミヱ

●団体戦入賞者
男子C9:準優勝・岩渕幸洋/宿野部拓海
女子C8:準優勝・友野有理/廣兼めぐみ
女子C9-10:3位・竹内望/工藤恭子
  • 女子C8入賞者(左から2番目が友野、3番目が廣兼)

 10月11日よりスタートした全日本クラブ選手権(福島・郡山総合体育館)は最終種目の男女一般1部が終了。男子はリトルキングスA(神奈川)、九十九(東京)が優勝を果たした。

【男子一般1部】
優勝:リトルキングスA(神奈川)
準優勝:神戸TC(兵庫)
3位:T.O.M&卓球三昧(東京)、ST(栃木)

 リトルキングスAは2年ぶり2度目の優勝。監督兼選手の三田村が「本当にヤマ場だった」と語ったのは準々決勝。時吉が加入し、さらに強力になった流山アストロズ(千葉)に勝利すると、準決勝でも強敵のプロコーチ集団・T.O.M&卓球三昧を下して決勝へ。関西学生リーグOBチームの神戸TC戦も、1番のダブルス、2番の三田村が連勝、最後は4番・中村祥の勝利で2年ぶりの栄冠を手にした。リトルキングスAは今大会、1番にダブルス、2番に三田村をオーダーし、全勝。三田村曰く「38歳にはきつい」とのことだが、きっちり2点を奪い取り試合を優位に運んだ。
 「優勝はもちろんうれしい。でも台風の影響で色々と変更があって、出たくても来られなかったチームもあったりして、『まず開催することを優先』というような状況で盛り上がりに欠けたのは少し残念。
 ヤマ場と思ってた試合でオーダーもしっかり当たった。1番の中村兄弟ダブルス、2番で自分が出てきっちり奪うことができたのは大きかった。ウチの場合、ここで2本を取れないと厳しくなるので、きつかったけどそれが勝因かなと思う。4番手の細野、長田も献身的にチームを支えてくれて、僕ら3人も勝つべきところで勝てた。(2番で全試合出場は)苦しいね、来年から試合方式を戻してほしい(笑)。
 今年から教え子の長田が一緒に出るようになって、来年もう1人、教え子がチームに入る予定。やっぱり教え子とまた一緒に出られるのはうれしい。そのために自分もレベルを落とさないようにしないといけない」(三田村監督兼選手)
 

【女子一般1部】
優勝:九十九(東京)
準優勝:MACHIDA BEATS(東京)
3位:福卓会(福島)、MD相模(神奈川)

 女子一般1部は九十九が2連覇中のMACHIDA BEATSを下して初優勝。元中国電力の井上(旧姓:阿部)が大車輪の活躍でチームを牽引。決勝は後半のシングルス3本が同時進行となり2-2、勝者が優勝という中で石山との壮絶なバック対バックの叩き合いを制して決勝点をあげた。九十九は準決勝でも5番で上原が0-2から逆転勝ちするなど、今大会は勝負強さが光った。
 園田監督が「今回は全員の力。特にダブルスが全勝でこれたのが勝因。みんな30歳以上で、頑張ったと思いますよ。みんなの力ですね」とコメントすれば、「九十九で何年も出てて、1部で優勝は初めてで、何年間の努力が実ったという感じです。みんな感激です」と伊藤コーチも歓喜の声。劇的な初優勝に感激の涙、そして笑顔があふれた。
  • 男子一般1部優勝:リトルキングスA

  • 女子一般1部優勝:九十九

  • 表彰式後のお茶目な一枚

  • こちらはピシッと、うれしい初優勝

  • 男子一般1部準優勝:神戸TC

  • 女子一般1部準優勝:MACHIDA BEATS

 10月8〜13日にドイツ・ブレーメンでITTFワールドツアープラチナ・ドイツオープンが行われ、女子シングルスで伊藤美誠(スターツ)が前週行われたスウェーデンオープンに続き準優勝を果たした。
 伊藤は準々決勝で2回戦で石川佳純(全農)を破ったバック粒高のヤン・シャオシン(モロッコ)を4-1で下すと続く準決勝では第1シードの陳夢(中国)をストレートで下して勝ち上がって来た馮天薇(シンガポール)にストレートで勝利。決勝は前週のスウェーデンオープンで4-2で勝利した孫穎莎(中国)との対戦となったが、完璧な伊藤対策の前に1ゲームを奪うに留まり、1-4で破れ2週連続準優勝の結果となった。1週間で万全な伊藤対策を見せた孫穎莎。2週連続で敗れる訳にはいかない中国の意地が見えた決勝戦だった。
 男子シングルスでは張本智和(木下グループ)が準々決勝で梁靖崑(中国)に破れ、ベスト8。水谷隼(木下グループ)はボル(ドイツ)に丹羽孝希(スヴェンソン)は鄭栄植(韓国)にそれぞれゲームオールで惜敗しベスト16に終わった。男子の優勝は樊振東(中国)。許昕(中国)との同士討ちを4-1で制し今季ツアー初勝利をあげた。
 
 また、女子ダブルスでは木原美悠/長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/JOCエリートアカデミー/大原学園)が準決勝で陳夢/顧玉ティン(中国)を破る金星を上げ決勝に進出。決勝では田志希/梁夏銀(韓国)に1-3で破れるも準優勝と結果を残した。 
  
 各種目の優勝記録と日本選手の上位記録は以下のとおり。

ドイツオープン優勝記録と日本選手の上位記録
●男子シングルス優勝:樊振東(中国)  
● 女子シングルス優勝:孫穎莎(中国) 2位:伊藤美誠
● 男子ダブルス優勝:梁靖崑/許昕(中国)
●女子ダブルス優勝:田志希/梁夏銀(韓国) 2位:木原美悠/長﨑美柚
● 混合ダブルス優勝:許昕/孫穎莎(中国)


ITTF大会サイト
https://www.ittf.com/tournament/5011/2019/2019-ittf-world-tour-german-open/
 大会3日目を向かえた福島・郡山総合体育館で開催中の全日本クラブ選手権。今日は男女一般2部、小・中の部の決勝までが行われ、4種目すべてで初優勝チームが誕生。今年が最後の開催となる一般2部は最後の優勝チームとなった。

【男子小・中の部】
優勝:偉関TTL(東京)
準優勝:フェニックス卓球クラブ(福井)
3位:育徳クラブ(大阪)、ねや卓球クラブ(岡山)

 昨年3位の偉関TTLが準決勝、決勝とラストまでもつれた試合を制して初優勝。昨年の準決勝で敗れた育徳クラブを同じ準決勝で撃破した偉関TTLは決勝でフェニックス卓球クラブと対戦。1番のダブルス、髙野・渡部が敗れるスタートとなったが、2、3番で1点を奪い返すと4番の渡部が快勝。ラストはフルゲームジュースまでもつれた末に、髙野が準決勝に続き、ラストで勝利。激戦を制し、初の栄冠を勝ち取った。
 「去年は渡部がいない中での3位で、1年経ってみんな成長もしているし、優勝は狙っていました。決勝はダブルスを落として勝負がわからない中で、みんなで1本1本向かっていくしかなかった。一度も優勝していないチームですから。
 (普段とは違う試合方式の中で)いつも1ゲーム目の重要性は話しているし、8-8からのスタートのゲーム練習もやっているので、6-6からでもまだ余裕があると感じるんじゃないでしょうか。普段から言ってきたこと、やってきたことが活きたと思います」(偉関TTL・偉関監督)

【女子小・中の部】
優勝:T.CマルカワA(岡山)
準優勝:富久山卓球クラブA(福島)
3位:T.CマルカワB(岡山)、フェニックス卓球クラブ(福井)

 今年の全国ホープス準優勝の小学生メンバーを中心に戦ったT.CマルカワAが、昨年の男子に続き、クラブ選手権制覇。小学生の面手、髙森が中学生相手にも堂々の戦いぶりで白星を重ねる。3、4番手の小橋、近藤もきっちり勝利を収めて、タイトルまで突っ走った。T.CマルカワはBチームも3位入賞と改めて、ここ最近の充実ぶりを感じさせる大会となった。富久山卓球クラブAは地元開催のクラブ選手権で決勝進出と奮闘。明るいチームカラーで大会を大いに盛り上げた。
 「女子は優勝を狙っていたんですけど、中学生とやるのは厳しいかなと思った。エースの面手と高森が全部勝ってくれたので、結果的には楽にいったように感じます。Bチームのベスト4も立派です。本当の目標は『予選リーグ突破ね』と言っていましたが、あれよあれよと勝ち上がって、運もいろいろありましたね。
 うちの練習は普段から3ゲームマッチなのでラッキーですね。6-6からの試合も結構やるんですよ。意外とうちよりのルールだなと思いました。試合運びは結構みんな上手ですね。特にAチームの子はこっちがあまり言わなくても試合を作れるようになっています。なんとなくこういう感じで攻めてねと伝えれば、自分もサービスもレシーブも工夫してやっていく。その点は安心して見られます」(T.Cマルカワ・丸川監督)

【男子一般2部】
優勝:丸善クラブ(東京)
準優勝:WINS(大阪)
3位:Kunitaku(東京)、鳩ヶ谷クラブ(埼玉)

 男子一般2部、最後の王者は丸善クラブ。出場選手はみな丸善クラブ出身のOBチームが、最後の一般2部のタイトルを獲得した。決勝はエースの橋本が試合後に立ち上がれなくなるほどの気合いのプレーで相手エースの山下を単複で撃破。くせ者揃いのWINSもラストまで持ち込んだが、最後は藤本が完璧なカット打ちでラストを締め、歓喜の瞬間を向かえた。
 「OBチームの始動から15年かかった優勝なので、優勝した瞬間は感極まってしまいました。みんなジュニア時代に丸善クラブで練習して、大人になってまた丸善クラブで試合に出てくれている。ありがとうと言いたいです。
 今大会に出ているジュニアの子たちも応援してくれて、それで実力以上の力も出せた。みんな普段はコーチをしながら、選手として試合にも出ているわけで、『生徒の前で恥ずかしい試合はできない』というプライドもあると思います。最後はそんな力が助けてくれたのかなとも感じます」(丸善クラブ・大窪監督)

【女子一般2部】
優勝:長吉卓球センター(大阪)
準優勝:COLOR(神奈川)
3位:たなかクラブ(神奈川)、飛鳥クラブ(東京)

 ここ数年、コンスタントに上位に入りながらも優勝には手が届かなかった長吉卓球センターが悲願の優勝。カットの安部、井田を中心に勝ち上がるも、決勝トップでは2人のダブルスが失点。それでも2番の義村、3番の安部で取り返して王手をかけると同時進行の4、5番で4番の井田が苦しむ中、5番の古川が快勝で優勝を決めた。
 「地元大阪開催の時(2016年)から日本一を目指して頑張ってきて、あかんからもう一年、あかんからもう一年を繰り返して、。4年かかりました。子どもが小さい選手もいますが、ご主人の理解のもと、今日の優勝をつかめてみんな喜んでいます。
 昨日の6-6の試合は全部ヤマでした。どっちに転んでもおかしくはないし、ネット1本、エッジ1本あったらみんなビビりながら乗り越えてきた。今日も1試合目からしんどくて全部3-2でした。取れそうなところを落としちゃったけど、取れなさそうなところで取る展開があって、みんなで3点を取れたと思います。みんなで補いあえたことが勝因です」(長吉卓球センター・笹川監督)
  • 男子一般2部優勝:丸善クラブ

  • 女子一般2部優勝:長吉卓球センター

  • 男子小・中優勝:偉関TTL

  • 女子小・中優勝&3位:T.Cマルカワ

  • 地元で奮闘の富久山卓球クラブ。Aチームは2位、Bチームもベスト8入り

 大型の台風19号が迫る中での開催となっている今年のクラブ選手権。台風接近に伴い、大会直前の10月9日には大会の開催可否も含め、日本卓球協会のホームページ上で告知があった。告知がリリースされる10月9日の夕方には、日本卓球協会のホームページにアクセスが集中し、なかなかページにつながらない状況が続くなど、参加選手はじめ関係者(我々取材班も)は気が気でなかったはずだ。

 台風の接近がなくとも、今回のクラブ選手権はいくつかの変更点がある大会だった。試合方式は昨年と同じ「4単1複」だが、今年からダブルスを3番から1番に変更し、2〜5番がシングルス(ダブルスに出場の選手は2番には出場不可)という試合方式での開催。ダブルスは予選リーグから決勝まですべての試合で2ゲーム先取の3ゲームズマッチ。シングルスも予選リーグでは2ゲーム先取の3ゲームズマッチ、決勝トーナメントから3ゲーム先取の5ゲームズマッチの予定だった。
 また、全日本選手権・一般の部や全日学、全日本社会人などの該当大会に過去3年間出場のない選手のみが出場可能である「一般2部」は今年が最後の開催。一般2部に代わり、来年からは「30代」が行われる予定となっていた。

 当初からそのようなトピックスがある中での開催だったが、10月9日夕方に日本卓球協会は台風の上陸・通過が予想される10月12・13日に行われる試合のタイムテーブルと試合方式の変更を発表。当初12日に行われる予定だった男女一般2部、小・中の部の決勝トーナメント1回戦の試合を翌日に順延、13日の一般2部と小・中の部は決勝トーナメント以降もシングルス、ダブルスともに2ゲーム先取の3ゲームズマッチでの開催と発表された。

 しかし、猛威を増す台風を懸念し、大会がスタートした昨日、10月11日に再度タイムテーブルと試合方式の変更を発表。まず、13日の試合開始時刻を8時30分から10時に変更し、13日に行われる予定だった一般1部の決勝トーナメント1回戦の試合を翌14日に移動。さらに12日に行われる一般2部と小・中の部は全試合を6-6からの2ゲーム先取の3ゲームズマッチで開催となった(ダブルスのみ打球順序の関係もあり、3ゲーム目に突入した場合は0-0からのスタート。12日に行われる50代・60代の準決勝、決勝はダブルスが3ゲームズマッチ、シングルスは5ゲームズマッチ)。昨日行われた一般2部、小・中の部の監督会議では、これらの発表に対して様々な意見が上がり、予定した時間を大幅にオーバーした。
 こうした変更は台風の進行状況、公共交通機関のストップに関係して決定されたとのこと。当初のタイムテーブルでは12日の最終試合は17時30分からだったものを、14時30分終了の目標で大会運営を行うとなった。また、今日12日から地元の高校生120名が運営のサポートに当たるはずだったが、教育委員会の判断で、高校生が運営に参加できず。その影響で審判も主審、副審とも両チームからの相互審判で行われた。

 Tリーグや日本リーグでは「最終ゲームのみ6-6からスタート」というルールは採用されているが、「すべてのゲームを6-6からスタート」というルールは前代未聞。選手や監督に話を聞くと「戦い方がわからない」といった意見はもちろん「タイムアウトの取り時がわからない、というかいらないかも」、「(試合前2分間の)練習のほうが長かった」、「無茶でも良いから1本目取って流れに乗るしかない」、「ジャンケンで勝って、サービス勝負」などの意見が聞かれた。中には「ウチは弱いんで、こっちのルール(6-6スタート)のほうが格上にはチャンスがあるかなと。下克上期待してください!」と逆にチャンスととらえるチームも。ちなみに、6-6からサービスミスで6-7、3球目ミスで6-8、レシーブミス×2で6-10、再びサービスミスで6-11でゲームが終わり、1分ちょっとで1ゲームが終了、という試合もあった。取材者の立場からすると、6-6スタートはあっという間で、写真を撮りたくても撮りに行けないというのが現状。集合写真を撮れなかったチームの皆さん、すみません。

 以上のようにバタバタと進んでいる今年のクラブ選手権。タイムテーブル、試合方式を変更して行われた今日の試合は、大きなトラブルもなく、予定していた14時30分からわずか2分オーバーの14時32分に全試合が終了。明日からスタートする一般1部の監督会議が15時より行われて幕を閉じた。高校生スタッフ120名を欠く中、福島県卓球協会の皆さんはインカムを着用し、各コートの進行状況を見て連絡を取り合い、コート変更や2台進行をスピーディーに行うなど見事な運営だった。昨日、会場で星野一朗日本卓球協会専務理事にお話を伺ったが、まさに「苦渋の決断」とのこと(卓球王国1月号に掲載予定)。各種イベントが中止される中での開催とあって、日本卓球協会にテレビ局から話が聞きたいとの電話もあったそうだ。
 
 交通手段の断絶による棄権も多いのでは、と思っていたが、50代、60代、一般2部、小・中の部を見た限りでは予想より少ない印象。明日から始まる一般1部のチームは、今日移動予定だったものの交通手段がなくなって棄権が目立つ可能性はあるが、ドタバタの変更続きの中でも、本気とエンジョイ、クラブ選手権の雰囲気は変わらない。

 今年が最後の開催となる一般2部、今日の試合で敗退してしまったチームの選手がこんなことを話していた。「まあ、ちゃんとした試合方式でやれたら一番でしたけど、どこのチームも条件は同じですからね。仕方がないですし、2部でやれるのも今年が最後だから、開催してくれたこと自体に感謝しないと。
 ウチのチームは、僕ら20代とかから60代、それ以上までいるチームで、先輩方が全国大会に出た時の『あの時のあの大会はひどくて〜、とかあの大会はこんなトラブルがあって〜』っていう話を飲み会の時にいつも聞くんです。もう何回聞いたか(笑)。でも、そういうのを同じようにチームメイトと共有できるのってめちゃくちゃ良いなって思うんですよ。それで、僕ら若いメンバーも、毎年全国大会に出て、そういう思い出たくさん作れたら良いなって。この前の台風の被害を見たら、あんまり簡単には言えないですけど、『台風で6-6からスタートして、アップしてたら本気出す前に試合終わってた』っていう武勇伝ができたんで後輩に語り継ぎます(笑)。
 そんな勝てるわけでもないし、個人で全国大会行っても、1、2人じゃあんまり面白くないじゃないですか。だから、みんなで行けるクラブ選手権ってめっちゃ楽しみなんですよ」

 また、別のチームの選手の話。「いや、勝てると思ってないですから。勝ったら勝ったで、『明日試合あるから今夜飲みに行けへんやん!』って困りますし(笑)。昔はチームメイトもみんな独身だったのが、家庭持って出歩くも難しくなったんで、『クラブ選手権って名目で飲みに行くぞ!』ってモチベーションで予選前だけ頑張ってる節もあります。でも卓球は楽しいですよ。クラブ選手権来て『あの人の○○エグいなあ〜、卓球がんばろ!』みたいな話もしますし。ま、予選前までやらなくなるんですけど(笑)。みんなそれが年間のルーティーン。出られなくなったら、みんなちょっと落ち着いた頃に、『クラブの50代目指すか!』ってなるのも面白いですよね」

 やっぱり、団体戦、チームでの遠征は楽しい。本気で優勝を狙ってやってくるチームもあれば、惨敗して「反省会や!」と言って夜の街に繰り出すチームもいる。そして、大抵の場合、試合時間より反省会のほうが長い。50代の選手がかつて言っていたのが「クラブ選手権は、おっさんのインターハイだから。この歳で、こんな熱くなれる試合、他にないよ」。名言だと思う。小、中学生であれば、クラブ選手権で苦い敗戦を経験し、そこから成長して、大人になってまたこの大会に帰ってくる選手もいる。

 ここ数年、クラブ選手権の取材に訪れているが、個人的には大好きな大会だ。大人から子どもまでが一堂に集まり、チームによってバックグラウンドも多種多様で、良い意味でのゴチャゴチャ感も心地いい。卓球に対する向き合い方も重さも、みんな違うけど、卓球を通して仲間と楽しめるなら何でも良いと思う。目標が違ってもみんな自分のチームが大好き。そんな雰囲気がたまらない。

 毎年、多くの方に「集合写真撮ってください!」や「今年も頑張ってるね」、「卓球王国、毎月楽しみにしてます」と声をかけていただいて、楽しいと同時に、曲がりがちな背筋を伸ばしてもらえる大会でもある。開催された街に卓球人があふれて、試合後には出場チームの方々と一杯ご一緒させていただくことも。そうしているうちに、また会場でたくさんの方に会えるのが楽しみになる。だからこそ、スケジュール、試合方式の変更で「どうかな?」と思っていた中での変わらない雰囲気に少しホッとすると同時に、改めて素晴らしい大会だと思わせてくれた一日だった。
 
 昼頃からは雨脚も強まってきた郡山。この原稿を書いている今、ホテルの窓には横降りの雨が打ちつけ、外を見ても歩いている人は少ない。明日、明後日と大会は続くが、まずは安全に、参加者、関係者にとって今大会が素晴らしい思い出となることを願う。

 最後に、明日、明後日と会場にお越しのチームの皆さん、ぜひ集合写真撮影させてください! もれなく、卓球王国1月号クラブ選手権ページに掲載させていただきます!

(編集部・浅野)
  • 地元・福島代表の本宮卓球クラブ。本日最終試合、頑張りました!

  • 予選、1位で抜けたぜ! 京都の天王山卓球場

  • 完璧なポージングを披露してくださった三重のRISE

  • 同じ三重県勢、負けられない戦いがここにある。こちらは松生TTC

  • クラブ常連さんのCrossover(滋賀)。浅里さん、ありがたや

  • メンバーは沼野さん×3、鈴木さん×2のF-Linx(静岡)の皆さん

  • ラストまでもつれた接戦に勝利後の気持ちいい1枚。愛知・みつのきTTC

  • 奈良のダイナミックの皆さん。2016年の写真撮影の際、ポーズを取ろうとして足をつったことを覚えています

 大型の台風19号が迫り来る中、福島県・郡山総合体育館では昨日より全日本クラブ選手権がスタート。大会直前、そして初日の昨日とタイムテーブル、試合方式の変更が決まり、様々な混乱のある中でも大会が進んでいる。そちらの模様は後ほどお伝えするとして、大会2日目の今日は男女50代、60代の決勝までが行われ、優勝チームが決定した。

【男子50代】
優勝:東京 KING KONG(東京)
準優勝:代々木クラブ(東京)
3位:アカシア(福岡)、ゴルベテ(東京)

 男子50代は今年も驚異的な強さを見せた東京 KING KONGが快勝で5連覇達成。東海、華原
の両輪に加え、準決勝では渡邊、決勝では吉村と3番手もきっちり2番で競り合いをものにし、失点0の完全優勝を遂げた。
 「周りのチームも若い選手が入ったり、増えたりする中で難しい面もありますよね。50歳と59歳じゃやっぱり違うと思うので。そういう中で心配もあったけど勝てて良かったです。先日40年ぶりにチームで北京に遠征に行って、東海も中国の深圳でやった大会で優勝していて衰えていないなと感じさせるプレーだった。
 大会前に『5連覇』の書を用意していて(下写真参照)、試合前に見せちゃうとプレッシャーになるかなと思って隠していた。最後にお披露目できて良かったね。来年は(最長記録に並ぶ)6連覇目指して頑張ります」(東京 KING KONG・浅葉克己選手兼監督)

【女子50代】
優勝:健幸クラブ(東京)
準優勝:ユース・リゲイン(岡山)
3位:相模原レディース(神奈川)、かりん(千葉)

 女子50代は健幸クラブが3連覇を達成。安定した戦いぶりを見せて決勝まで勝ち上がり、ユース・リゲインと対戦。決勝ではラストまでもつれたが、最後は頼れる存在、カットの宮里がきっちりと勝利を収め王座を守りきった。
 「いつもリーグで勝ってくるところがリーグで負けてしまったりして、ビックリすることばかりでしたが、気にせず伸び伸びやろうと思ってやってきました。
 初めて試合をするチームの人たちが怖いのですね。予選リーグも3ゲームマッチだったから、今までは1ゲームを取られても取り返せば良いという気持ちでできたけど、今回は1ゲームを取られると緊張で手が動かなくなってしまった。強豪がリーグで負けてしまったのは、そうした部分の影響もあるのかなと思います。私たちは『リラックス』が合言葉。その言葉どおり、伸び伸び頑張れたのが勝因ですね」(健幸クラブ・田中ちくま選手兼監督)

【男子60代】
優勝:日産追浜(神奈川)
準優勝:秋山卓球(福岡)
3位:グリーンクラブ(大阪)、友卓会(東京)
 
 昨年、江浜・坂本の両雄が60代そろい踏みで優勝を果たした日産追浜が大逆転で2連覇。決勝では江浜・坂本のダブルスが敗れるなど、前半で2点を失ったが、江浜が秋山卓球の主軸・栗原をフルゲームの末に振り切って反撃開始。宍戸もロビングで粘りに粘り、秋山卓球のツインエースである上松にフルゲームで勝利。5番は坂本が台上からサービス、ブロックと妙技を連発して快勝を収め、チームに歓喜をもたらした。
 「去年60代の初優勝し、今年は追われる身として勝って当たり前という中、そこで勝ててこそ初めて強さを証明できると思います。練習もすごくこまめにやり、試合にもいっぱい出て調整をしてきたので、結果としてこういう結果になったのは良かったです。
 最後は坂本さんを5番に置くというオーダーを組めたのも、チーム全体の力が上がってきたから。これが最大の勝因かなと思います。去年も総合力と言いましたが、それ以上に力をつけることができたと思います。来年は編成が変わるので、今年5連覇した東京 KING KONGと当たるかもしれません。相模原のクラブ選手権(2015年)の時にやられていますから、次は雪辱したいと思います」(日産追浜・金子修コーチ)

【女子60代】
優勝:千代田クラブ(東京)
準優勝:大田クラブ(東京)
3位:武蔵野クラブ(東京)、FAMILY(神奈川)

 女子60代は、昨年の大会で連覇が3で途切れた千代田クラブが王座奪還。昨年の優勝チーム、大田クラブとの決勝はゲームカウント1-2とリードされたが、4番・高木和が勝利してラストへつなぐ。5番の和田もボールを見定めたカット打ちで大田クラブ・佐藤を攻略し、涙と歓喜の4度目60代制覇となった。
 「去年は私が病気をしてしまって、予選リーグで敗退だったけど、今回は予選から這い上がってきた。大田クラブさんには、いつも勝つのが無理だと思うんですが、勝ててすごくうれしいです。
 オーダーは一晩考えて、ばっちり当たりました。0-3で負けるか、3-2で勝つオーダーでした。4番の斎藤さんに私が3回続けて負けていたので、今回勝てて良かったです。みんな東京でよく個人戦で当たるので、勝ったり負けたり。団体戦はむこうのほうが選手層が厚いので、難しいかなとは思っていたけど何とか勝てて、本当に良かったです」(千代田クラブ・高木和恵子選手兼監督)

 
 今日からは男女一般2部と小・中の部がスタートし、予選リーグまでが終了。明日は同種目の決勝までと男女一般1部がスタートする。
  • 男子50代優勝・東京 KING KONG

  • 女子50代優勝・健幸クラブ

  • 男子60代優勝・日産追浜

  • 女子60代優勝・千代田クラブ

 2023年世界選手権大会(個人戦)の開催国にオーストラリア、ドイツ、クウェート、南アフリカの4カ国が立候補を表明した。2020年の韓国(釜山)、2021年のアメリカ(ヒューストン)、2022年の中国(成都)に続く開催国となり、オーストラリア、クウェート、南アフリカは初開催を目指す。
 世界選手権は2021年より大陸予選が行われるため、2023年の個人戦はシングルス各128名、ダブルス各64ペアでの縮小された大会となる。

 11月30日までに正式に立候補を表明した国は、12月から2020年2月にかけて、ITTF(国際卓球連盟)により調査が行われる。その後、2020年3月の世界選手権期間中のITTFのAGM(年次総会)において各国の誘致が行われ、投票で開催国が決まることとなる。