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トピックス

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 7月17日、JOC(日本オリンピック委員会)は8月16〜28日に行われる第2回ユースオリンピック競技大会で、日本代表選手団の主将に村松雄斗選手(JOCエリートアカデミー/帝京)が選ばれたことを発表した。前回のユース五輪では、谷岡あゆか選手(エリートアカデミー:当時)が日本代表選手団の旗手に選ばれた卓球。2大会続けての栄誉は、卓球がジュニアの年代では高い国際競争力を保っていることの証明だ。

 村松選手は先月行われたジャパンオープン荻村杯で3位に入り、世界ランキングも71位から44位へと躍進。ユース五輪では前回の丹羽孝希選手に続き、男子シングルスでの日本勢の連覇を目指す。最大のライバルとなるのは地元・中国の樊振東(世界ランキング3位)だ。日本女子代表の加藤美優選手(JOCエリートアカデミー)も、世界ランキングを60位まで上げてきており、ラリー戦での多彩なテクニックを武器に優勝を狙う。男女シングルスに加え、村松選手と加藤選手のふたりで戦う2単1複の混合団体もメダルが大いに期待される。
  • 日本代表選手団で主将の重責を担う村松選手

 本日7月17日、シチズンの田中満雄選手が30歳の誕生日を迎えました。おめでとうございます!
 1月の全日本選手権では高校生以上に動き回り、華麗なるフットワーク(必要以上の?)を魅せた田中選手も30歳。最近、チーム戦での出番が少ないのは寂しいですが、シチズンの先導車としてさらに走ってもらいましょう!!

田中選手のブログはコチラ↓↓↓
http://world-tt.com/blog/tanaka/
 7月8日付の日本卓球公認工業会の定時総会で、新会長に松下浩二氏(ヤマト卓球代表取締役社長)の就任が決定した。
 通称JAMと言われる工業会は日本卓球協会と卓球公認メーカーが親睦と緊密な連絡を図り、卓球界の発展と用具の安全性などを高めることを掲げている団体。前会長の北岡功氏(日本卓球代表取締役社長)から引き継ぐ形となった。

 長く日本卓球界、そして東京アートのエースとして活躍を続ける張一博選手が本日29歳の誕生日を迎えました。
 先日の日本リーグでもチームを優勝に牽引するなど、安定した強さを発揮しています。これからの活躍を期待しましょう!

 7月11日から行われた関東学生選手権。すべての種目で優勝者が決定した。男子シングルスは丹羽孝希(明治大)が優勝。関東学連主催の個人戦への出場が過去になかったため今大会は第14シードで登場、余裕を感じさせるプレーでベスト8に進出。準々決勝、準決勝と明治大勢との同士討ちを制し決勝へ。決勝では大島(早稲田大)にゲームを先行されるも、逆転で優勝を決めた。2位の大島は丹羽を相手に互角のラリーを繰り広げるなど善戦したが、一歩及ばず。しかしここ最近の充実ぶりを感じさせる試合内容だった。
 女子シングルスは楊婷(淑徳大)が劉莉莎(専修大)との留学生対決に勝利し優勝。もつれる試合展開が多かったが、準決勝で鈴木(専修大)とのフルゲームの熱戦を制し勢いにのると、決勝では両ハンドの快速連打を見せた。劉莉莎は楊婷の連打の前にミスが出て悔しい準優勝。
 男子ダブルスは町/森薗(明治大)、女子ダブルスは高橋/小道野(早稲田大)が優勝。町は昨年に続き、2年連続でのダブルス制覇となった。
各種目の入賞者は下記のとおり

<男子シングルス>
優勝:丹羽孝希(明治大)
準優勝:大島祐哉(早稲田大)
3位:神巧也(明治大)、上村慶哉(早稲田大)

<女子シングルス>
優勝:楊婷(淑徳大)
準優勝:劉莉莎(専修大)
3位:鈴木李茄(専修大)、山本怜(中央大)

<男子ダブルス>
優勝:町飛鳥/森薗政崇(明治大)
準優勝:平野友樹/有延大夢(明治大)
3位:大島祐哉/上村慶哉(早稲田大)、王凱/北原大輝(専修大)

<女子ダブルス>
優勝:高橋結女/小道野結(早稲田大)
準優勝:口田実奈/三浦由美子(中央大)
3位:姜暁旭/姜赫煜(大正大)、森美紗樹/小室奈緒(早稲田大)

なお大会の詳細は10月号(8月21日発売)に掲載予定です。


  • 男子シングルス優勝の丹羽(明治大)

  • 女子シングルス優勝の楊婷(淑徳大)

 もうすぐ毎年の夏恒例の全日本選手権ホープス・カブ・バンビ、全国ホープス大会、インターハイ、全中などの大会の季節がやってくる。
 去年の暮れに卓球王国で組んだ「フェアプレー特集」は大きな反響を呼んだ。「実際には現場ではもっとひどい例が多い」「卓球は勝負なのだからきれいごとのフェアプレー特集などするな」とか、賛否両論だった。
 今年の春には日本卓球協会が「勝利をめざす前に大切な事がある」という啓発冊子を作った。今度のホカバの大会では配布する予定もあるとのこと。
 これは裏を返せば、最近の大会では勝利至上主義になっており、試合で勝つためには相手を不愉快にしようが、審判に対して尊敬の念を持たない、ルールギリギリなら何をやってもいいだろう……という風潮があるからではないだろうか。
 ある知り合いの人から、「久しぶりにインターハイの県予選会を観に行ったら、すさまじいほどのガッツポーズやベンチに騒ぎぶりに唖然とした」という話を聞いた。「元気がよい」のと「挑発的なガッツポーズやお祭り騒ぎ」は全く別物だ。
 スポーツ本来の相手への尊敬やスポーツマンシップを胸に、全国大会に出る「都道府県の代表選手」は悔いのない戦いをしてもらいたい。
 日本特有のカテゴリーを超えてプロ選手の活動を組織化していくのが「プロリーグ構想」である。
 準備ができているとも言えるし、まだ不十分であるとも言えるのが「プロリーグ構想」だ。
 5月31日の日本卓球協会理事会で「プロリーグ設立検討委員会」の担当理事として原田弘人理事(日本リーグ代表理事)が、日本リーグとの共存共栄を軸になにがしかの報告をするものと期待していたが、当日、同理事は欠席。
 そうこうするうちに原田氏は新年度の協会理事から評議委員となり、9月からの「プロリーグ設立検討委員会」の担当理事は星野一朗氏(強化本部長)になるもよう。これは協会が発する日本リーグへのある種のメッセージなのだろうか。(つまり、日本リーグとの共存共栄を目指すが、いずれにしても独自のプロリーグを作るという推測)

 今月下旬には松下浩二委員長が日本リーグ関係者にプロリーグ構想の概要を説明することになっており、プロリーグに向けて具体的に動き出すものと期待している。
 企業スポーツのリーグ戦だった日本リーグはいつの間にか「バリアフリー」になり、大学やエリートアカデミーにもオープンになっているが、トップのプロ選手がプレーしていない現実もある。
 日本のサッカー界では海外リーグがステイタスであり、レベルも高く、それ以外では国内のJリーグを目指すのがサッカー少年たちの目標であり、夢だ。

 卓球少年少女もいつか「プロリーグに出る」という目標になるような新しい組織になるのか、それとも絵に描いた餅になるのか。
 「ブンデスリーガ」とはドイツの「連邦リーグ」という意味だが、日本に真の意味での「国内プロリーグ」ができあがるのはいつの日になるのだろうか。
  • 本場のブンデスリーガ

  • ブンデスリーガのプレーオフ決勝

  • 優勝したデュッセルドルフ

  • 確実にドイツで力をつけた丹羽

 日本の卓球界は世界の中でも特異な面を持っている。それは日本のスポーツ界共通のもので、「カテゴリー」だ。
 つまり、小学生までのスポーツは主体は学校ではなくクラブだ。それが中学生と高校になると「部活動」を呼ばれる学校スポーツになる。
 そして高校を卒業すると「大学スポーツ」に進むか、プロ、セミプロのように「企業スポーツ」に進む場合がある(特に女子が多い)。
 
 それぞれのカテゴリーでそれぞれの選手権が行われ、指導はたいていの場合、一貫していない。カテゴリーで所属が変わるとその選手への指導方法と指導体制は変わっていく。
 その一貫性のなさが日本の間の悩みだった。ところが、20年ほど前から中学・高校の一貫指導体制を学校スポーツの現場の人たちが始めた。先鞭をつけたのは、女子の四天王寺、仙台育英、男子の青森山田などのエリート校だ。それによってジュニア選手のレベルが一気にアップしたのも事実だ。

 しかし、基本的には日本のカテゴリーで分断される「ひずみ」は正されてはいない。
 ところが害だけでないのはカテゴリーなのだ。以前書いたように、中体連と言われる部活動は日本の卓球市場を大きく支えているのも事実だし、中学生や高校生が全国大会を目標に一生懸命練習をするのも価値のあるものだ。

 ただし、昔と違うのは、日本における企業スポーツや大学スポーツの形態が変化し、多様化していることだ。
 大学の体育会で頑張っていれば就職できた時代はとうに過ぎ、レギュラークラスでも就職は厳しく、一般学生のように「就活」をするのも当たり前になってきている。
 女子では大学に進まずに、企業スポーツやスポンサーのサポートによりプロ活動をしていく平野早矢香選手や石川佳純選手のような選手も増えている。

写真左:仙台育英での中・高校の6年間指導とミキハウスでの10年間のサポートを受けて活躍する平野早矢香選手
写真右:石川佳純選手も四天王寺での中・高校6年間指導と全農のバックアップ受けて、世界的な力をつけている
 すでに王国人気ブロガーの松平賢二選手のブログでご存じの人も多いだろうが、NTT東日本のフレッツ光のCMで、松平選手が「ギガラリー」として登場している。さらに「ギガ速い」ロボット選手が最後に登場するが、完全に主人公(といっても短いが)は松平選手だ。
 しかも、放映されるまで、あのおしゃべりの賢二選手は守秘義務と言わんばかりに、口を貝のように閉ざしていたのもエライ!

みなさん、Youtubeでチェックしてください。

https://www.youtube.com/watch?v=3AMKYA1cAt8&app=desktop
 今でこそ、日本の高校生も日本リーガーも、転校したり、会社を変わったりするようになった。しかし、その昔、学校に一度入ったら転校はほとんど難しく、コーチと肌が合わない、そりが合わない子どもは3年間我慢してひっそりと卒業するのを待つだけだった。
 日本リーグでも移籍は簡単ではなかったし、90日ルールとかあって、練習母体から90日以上離れたらルール違反で出場停止の罰則を受けるとか、今思えばよくわからないルールがあった。これは試合の時だけの中国選手の助っ人や、企業の支社とか本社から試合だけでかき集めるだけのチームの抑制という名目だったらしい。
 中にはライバルチームに見張りをつけるとか、自ら見張りについたとか、嘘のような本当の話も飛び交っていたくらいだ。

 欧州のクラブでは、プロチームではルール(契約)があるものの、それ以外のクラブではジュニア選手がクラブを移動するのは当たり前のこと。つまり選手側がコーチを選んでいることになる。
 もちろん、その選手とコーチの間の人間関係が移籍に伴い円満にいかなくなるのは、仕方がないだろうけど、選手が我慢してクラブにいることはないのだ。
 次号(7月19日発売)では、水谷隼選手の特集と丹羽孝希選手のインタビューが掲載されるのだが、二人が異口同音でコーチのあるべき姿を語っているのが興味深い。強い選手ほど「自分」という「個」を持っている。その自分を生かすコーチを彼らは常に求めているのだ。

写真は、フリッケンハオゼンで丹羽選手がコーチを受けていた邱建新コーチ、現在は水谷選手のプライベートコーチ