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2013世界ジュニア選手権速報

■大会第8日目・12月8日のタイムテーブル

●女子シングルス準決勝 現地時間10:00~(日本時間19:00~)
顧玉ティン(中国) vs. 劉シ(中国)
王曼玉(中国) vs. 劉高陽(中国)

●男子シングルス準決勝 現地時間11:20~(日本時間20:20~)
ジャン・ウジン(韓国) vs. 孔令軒(中国)
森薗政崇(日本) vs. 周凱(中国)

●混合ダブルス決勝 現地時間13:00~(日本時間22:00~)
周啓豪/顧玉ティン(中国) vs. 孔令軒/劉シ(中国)

●女子ダブルス決勝 現地時間16:00~(日本時間12月9日1:00~)
顧玉ティン/劉シ(中国) vs. 劉高陽/王曼玉(中国)

●男子ダブルス決勝 現地時間16:35~(日本時間12月9日1:35~)
孔令軒/周啓豪(中国) vs. ジャン・ウジン/パク・チャンヒョク(韓国)

●女子シングルス決勝 現地時間 17:10~(日本時間12月1日2:10~)
●男子シングルス決勝 現地時間 17:45~(日本時間12月1日2:45~)

大会最終日の予定は上記のとおり。大会もいよいよ残すところ9試合。森薗の男子シングルス準決勝は、日本時間の21時過ぎに開始の予定。頼むぞ、森薗!
 試合後の練習会場で、準々決勝を戦い終えた森薗選手とクールダウンのストレッチを行う田中礼人トレーナー。
 試合が終わったからといって、選手もホテルに帰ってシャワーを浴びて終わりではない。すでに大会も第7日目。そして森薗選手は今日、単複合わせて24ゲームを戦い抜いた。もともと自己管理は徹底している選手だが、大会最終日を心身、そして戦術面とも万全の状態で迎えるために、日本選手団が一体となってサポートしている。

 明日の男子シングルス準決勝は周凱(中国)との対戦。明日への抱負を聞くと「まかせて下さい!」と力強いひと言。「中国選手だけどオーソドックスな卓球なので、やることを絞って頑張ります!」(森薗)。最初で最後の世界ジュニア、明日の大会最終日で完全燃焼してほしい。

 ちなみに下写真右に注目。田中さん曰く、ピンと伸びた足がここまで曲がるのはスゴイことで、普通は垂直まで曲がれば及第点だそうです。全国の卓球少年&少女の皆さん、これをお手本にされたし。
●男子ダブルス準決勝
孔令軒/周啓豪(中国) 8、12、10、8 アングレ/フロール(フランス)
ジャン・ウジン/パク・チャンヒョク(韓国) 10、5、6、5 梁靖崑/周凱(中国)

●女子ダブルス準決勝
顧玉ティン/劉㬢(中国) 10、8、-14、5、7 ジュン・ユミ/李ダソム(韓国)
劉高陽/王曼玉(中国) 3、5、5、-6、6 マクスティ/トルジンスキ(セルビア)

●混合ダブルス準決勝
周啓豪/顧玉ティン(中国) -6、7、8、2、8 酒井/森
孔令軒/劉㬢(中国) 5、7、-9、3、11 ムッティ/ラコバチ(イタリア/クロアチア)

男女シングルス準々決勝の後に行われた、男女ダブルスと混合ダブルスの結果は上記のとおり。決勝進出をかけて準決勝に臨んだ日本の酒井/森は中国ペアに逆転負けを喫した。中国ペアの周啓豪は、森薗に敗れたことで明らかに意気消沈していたが、日本ペアもミスが多く、第1ゲームを先取した勢いを生かせなかった。これで日本女子チームは全種目でその戦いを終えた。

男子ダブルスでは韓国のジャン・ウジン/パク・チャンヒョクが中国ペアに完勝。ジャン・ウジンはまさに「マン・オブ・ザ・デイ」と言いたくなる活躍。台上のさばきが抜群にうまく、攻撃にも球威がある。
男子シングルス準々決勝後のitTVのインタビューでは流暢な英語を操り、「村松選手に勝ててとてもうれしい。昨年は2-3で負けていたけど、その経験があったから、今日はどうやって彼と戦えばいいかわかっていた」と話していた。

2日前に速報でジャン・ウジンについて取り上げた速報担当。「タイムリーだったな」とニヤリとする一方で、村松戦では眠っていてほしかった…。
  • 酒井/森、決勝進出ならず

  • ジャン・ウジン(手前)とパク・チャンヒョク

  • ジャンはitTvのインタビューで笑顔

●男子シングルス準々決勝
ジャン・ウジン(韓国) -10、4、8、8、5 村松
孔令軒(中国) 5、11、5、5 ムッティ(イタリア)
周凱(中国) 9、-4、4、8、8 カルデラノ(ブラジル)
森薗 -10、4、9、8、10 周啓豪(中国)

 男子シングルス準々決勝、森薗が中国の周啓豪を破り、ベスト4進出!これでメダル確定だ!

「周啓豪はそこまでやりづらくもないし、中国の粘着性ラバーもそれほど気にしていなかった」。ベンチに入った田勢邦史コーチはメダルを決めた戦いを振り返った。「精神的に優位に立って、森薗は試合が進むにつれて自信をつけていったし、逆に周はどんどんナーバスになっていった。ツボにはまった時のバックドライブだけは威力がすごいので、バックにボールを回す時は注意するように言いました」(田勢コーチ)。

 森薗は威力ある周のバックドライブを浴びる場面もあったが、カウンターのシュートドライブなどでフォアサイドをうまく攻め、よく切れたしゃがみ込みサービスも有効だった。ミスに苦笑いを浮かべる周に対し、森薗はファイト満々、最後まで自分のスタイルを貫き通した。
 「森薗を勝たせるのがぼくの仕事。明日はベンチや日本選手団も盛り上げていきたい。日本チームが一丸となって戦います。大会最終日に、日本の皆さんに良い報告ができるように頑張ります」(田勢コーチ)。明日の対戦相手は中国の周凱。団体決勝3番で酒井に敗れた選手。こちらもオーソドックスなスタイルなので、十分に勝機はありそうだ。

 村松は、3回戦で梁靖崑(中国)を破ったジャン・ウジンに苦杯。カット型が多い韓国、「相当打ち慣れているな」と感じさせるカット打ちだった。第1ゲーム8-10から逆転したが、その後が続かなかった。
  • 最後まで攻め抜いた森薗

  • 勝利を決め、田勢コーチとガッチリ握手

  • 村松は昨年に続きベスト8

  • ジャン・ウジンは巧みなカット攻略

 女子シングルス準々決勝に勝ち残ったヨーロッパ勢、ルーマニアのスッチとクロアチアのラコバチ。ともにジュニア世代ではヨーロッパを代表する選手だが、準々決勝では中国の高い壁の前に立ちすくんだ。

 スッチは中陣での多彩なボールさばき、そしてどこからでも入る安定したフォアドライブで、ここまで苦戦らしい苦戦もなく勝ち上がった。しかし、劉高陽の前にはなす術なし。サービス・レシーブで回転量の差に押されて優位に立てず、ラリーになればピッチの早さに押されて中陣に下がり、苦しまぎれにしのぐしかない。得点は相手のミスか、ラッキーパンチの攻撃しかない。
 それはラコバチも同様で、中国勢をしのぐ体格を誇りながら、フリーバッティングのように打ち込まれた。試合の終盤は下がってのロビングやフィッシュに追いやられ、得点は離れていくばかり。ベンチでもあきらめ顔だった。

 「100試合やっても1回も勝てないのではないか」。そんな試合内容だった。今年のヨーロッパ選手権でも、ベスト8のうち純正ヨーロッパ選手はVi.パブロビッチただひとりという状況。スッチとラコバチ、何とかここから奮起してほしい。
●女子シングルス準々決勝
顧玉ティン(中国) 3、-9、4、4、10 伊藤
劉㬢(中国) -8、9、-11、9、6、4 杜凱栞(香港)
王曼玉(中国) 2、6、6、5 ラコバチ(クロアチア)
劉高陽(中国) 7、6、4、6 スッチ(ルーマニア)

女子シングルスのベスト4は中国が独占。日本勢で唯一勝ち残っていた伊藤美誠、顧玉ティンへのリベンジはならず。

女子団体決勝トップで惜敗した、顧玉ティンと再戦した伊藤。第2ゲーム1-7のビハインドから逆転する粘りを見せ、序盤でゲームカウント1-1としたが、ペースは常に顧玉ティンが握っていた。第1ゲームから第4ゲームまで、すべて1-7でリードを許すという、苦しい展開だった。
団体決勝で、伊藤のバック表ソフトのナックルに苦しんだ顧玉ティンは、出足から伊藤のフォアへ回転量の多いドライブを集めた。このフォアへ来るドライブと、長い下回転系のロングサービスに対して、伊藤は顧玉ティンにプレッシャーをかけられるだけの攻撃力を発揮できなかった。

それでも、伊藤は中国に対して、昨年とは違うスタイルで挑み、成果を残した。昨年は前陣で叩く両ハンド攻撃一辺倒で、攻撃力と相手にしのがれた時のもろさが同居していたが、今年はバック表ソフトのナックルボールを積極的に使うなど、プレーの幅を広げようとしている。
昨年と同じ負け方を繰り返したわけではない。そして、昨年より中国を苦しめたことは間違いない。これからも彼女の進化が楽しみだ。
  • 伊藤のしゃがみ込みサービス

  • 勝利の瞬間、顧玉ティンに安堵の表情

●女子シングルス3回戦
顧玉ティン(中国) 9、4、8、9 クマハラ(ブラジル)
伊藤 4、5、5、5 バトラ(インド)
劉㬢(中国) 7、8、-6、3、11 森
杜凱栞(香港) 9、9、-8、7、-8、9 ジュン・ユミ(韓国)
ラコバチ(クロアチア) 5、11、-12、-8、6、6 A.ムケルジ(インド)
王曼玉(中国) 3、-7、8、10、-7、4 アリエル・シン(アメリカ)
スッチ(ルーマニア) 9、7、3、14 蘇慧音(香港)
劉高陽(中国) 3、-5、6、6、3 平野

●男子シングルス3回戦
村松 7、6、4、6 ウォーカー(イングランド)
ジャン・ウジン(韓国) 8、8、-5、6、-5、-10、10 梁靖崑(中国)
ムッティ(イタリア) 5、9、5、9 三部
孔令軒(中国) -8、4、3、-9、-9、9、4 カン・ミンホ(韓国)
カルデラノ(ブラジル) -8、10、6、5、5 李漢銘(香港)
周凱(中国) 6、6、9、-8、7 アングレ(フランス)
周啓豪(中国) 8、6、10、5 ディアス(ポーランド)
森薗 9、3、-12、6、-8、-7、7 イム・ジョンフン(韓国)

中国男子優勝の立役者、梁靖崑が韓国のジャン・ウジンに敗れ、まさかの3回戦敗退。ジャンは巧みな台上処理で先手を取り、ラリー戦では威力あるバックストレートのパワードライブ、梁のミドルへのコース取りで得点を重ねた。第6ゲーム10-8、第7ゲーム10-6と計6回のマッチポイントを逃しながら、7回目のマッチポイントで決めた!
●男子ダブルス準々決勝
ジャン・ウジン/パク・チャンヒョク(韓国) 9、12、-3、9、-7、7 森薗/三部

メダルの期待がかかった森薗/三部は韓国ペアに惜敗。残念ながらベスト8に終わった。
10-9、11-10と2回のゲームポイントを奪った第2ゲームを取りたかった。11-10の場面で、「ここが勝負」とベンチの田勢コーチが早めのタイムアウト。このゲームを取って1-1に追いつきたかったが、取り切れず、最後まで流れをつかめなかった。
試合全体を通じて、三部には少し「軽いプレー」が多い。特に中・後陣に下がった時のフォアドライブは「イチかバチか」というスイングになってしまい、ほとんどがオーバーミスになっている。下がった時の対処法がないのなら、前での早い仕掛けが必要になる。今後の課題だろう。
●男子シングルス3回戦
村松 7、6、4、6 ウォーカー(イングランド)
ムッティ(イタリア) 5、9、5、9 三部
森薗 9、3、-12、6、-8、-7、7 イム・ジョンフン(韓国)

日本男子は村松と森薗がベスト8入り!

村松は単調なカット打ちに終始し、切れたカットに対してミスも多かったウォーカーに対し、まず危なげないプレー。痛みがある右ひじの状態が懸念されるが、攻守ともにキレがあり、今のところ非常に調子が良い。相手の強打にはカーブロングを有効に使い、うまく時間を稼いで体勢を立て直している。
森薗はイム・ジョンフンとのサウスポー対決を制した。第1ゲーム3-9のビハインドから8点連取で逆転したのが大きかった。イムは体格の良い左シェークドライブ型だが、韓国選手らしい粘りやメンタルの強さがちょっと足りない印象。

三部は左シェークドライブ型のムッティにストレート負け。すぐに中陣に下がるプレーでは、左腕から広角にパワードライブを打ち分けるムッティに対して優位な展開が作れない。後陣からのバックドライブもミスが目立った。ボールセンスとボディバランスは抜群の三部だが、今大会で「世界の壁」も感じたはずだ。
  • 競っても最後は勝つのが森薗政崇

  • 村松、今日は攻守のバランスが良い!

  • 三部(左)とベンチに入った酒井

●女子シングルス3回戦
伊藤 4、5、5、5 バトラ(インド)
劉㬢(中国) 7、8、-6、3、11 森
劉高陽(中国) 3、-5、6、6、3 平野

ベスト8決定となる女子シングルス3回戦。日本は伊藤がインドの右シェークバック粒高攻守型・バトラに完勝、ただひとりベスト8に勝ち残った。変化はあるが、怖さはないバトラの粒高面にバック表ソフトのボールを効果的に集め、フォアでも自信を持って攻撃していた。

森と平野は中国勢に敗れたものの、それぞれに収穫はあった。森は男まさりのフォアドライブを放つ右シェークドライブ型・劉㬢に対し、粘り強くバックハンドをミドルに集め、チャンスボールはフォアで攻撃。第5ゲーム10-8から逆転されたのは残念だが、国際大会でもさらに活躍できる可能性を感じさせた。
平野も団体決勝で完敗した劉高陽の強打、特に回り込んでフォアに打ってくるシュートドライブによく反応し、1球、2球と連続でブロック。そこからカウンタースマッシュを決める場面もあった。決して団体決勝と同じ負け方ではなく、修正能力の高さを見せた。

伊藤、夜に行われる準々決勝の相手は、団体決勝トップの再戦。顧玉ティンと激突する!
  • 平野、1ゲームを奪うも敗れる

  • 団体に続き平野を破った劉高陽

  • 森、敗れるも「ド根性攻守」を見せた!

  • 第5ゲームを逆転され、悔しい表情