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全国高校選手権(インターハイ2014)

インターハイ結果
学校対抗
男子
優勝:青森山田(青森)
準優勝:愛工大名電(愛知)
3位:鶴岡東(山形)、明徳義塾(高知)

女子
優勝:四天王寺(大阪)
準優勝:希望が丘(福岡)
3位:正智深谷(埼玉)、明徳義塾(高知)

シングルス
男子
優勝:坪井勇磨(青森山田)
準優勝:渡辺裕介(明徳義塾)
3位:及川瑞基(青森山田)、周ショウ(北陵)

女子
優勝:前田美優(希望が丘)
準優勝:森さくら(昇陽)
3位:田口瑛美子(正智深谷)、芝田沙季(四天王寺)

ダブルス
男子
優勝:坪井勇磨/三部航平(青森山田)
準優勝:吉村和弘/平野晃生(野田学園)
3位:渡辺裕介/南谷将成(明徳義塾)、田添響/弓取眞貴(希望が丘)

女子
優勝:前田美優/趙甜甜(希望が丘)
準優勝:阿部愛莉/森薗美月(四天王寺)
3位:熊中理子/小脇瑞穂(明徳義塾)、真田美海/下山夏音(日本航空)

これでインターハイ速報を終わります。
来年は滋賀県で開催予定。

雑誌での速報は8月21日発売の卓球王国10月号、
詳報は卓球王国11月号に掲載予定です
1年前のインターハイを知っている人ならば、今回の坪井の優勝を予想できなかっただろう。
学校対抗決勝の4番で敗れ、シングルスは出場すらしていない。
その坪井が1年で別人のような強さになってインターハイを制した。
坪井を変えたもの、それは試合での精神力とチキータというレシーブ技術だ。

「練習ではできたけど、試合でできないことが多かった。それをドイツのブンデスリーガでの実践で磨いたことで、試合でもできるようになった」(坪井)と試合での実践力を鍛えた。それは競った場面や0−1で回ってきた学校対抗の決勝2番で遺憾なく発揮。
メンタルの弱い坪井の姿はそこにはなく、頼れる主将に成長していた。

もうひとつが優れたレシーブ技術、特にチキータの精度だ。
通常の選手ならば上回転系の台上バックドライブと横回転を入れたチキータの使い分け程度だが、坪井はその回転量を巧に操作し、相手が嫌がる場所へ打ち分ける。
さらに打球のスピードと打つタイミングを変えることで、相手の3球目攻撃を封じ込めた。

一言でチキータと表現されるレシーブだが、回転方向、回転量、スピード、タイミング、そして安定感の要素がある。
すべての項目を総合的に向上させたことが「球の質」として他選手を上回り、坪井の最大の武器に成長していた。
  • これからは坪井の代名詞となるだろう

<女子シングルス決勝>
前田(希望が丘) 6、13、7、ー6、10 森(昇陽)


女子シングルス決勝、前田が森を下し、2年ぶりに王座に返り咲いた。
「バックを攻めて崩したかった」と森がコメントするように、序盤からバック対バックを軸に激しいラリーが展開されるが、前田が我慢のラリーでゲームを先行。一気に3ゲームを奪う。森もしぶとく粘って1ゲームを取り返し、3ー1。
5ゲーム目は序盤から接戦がつづき、9ー9、ここから森が1本取りゲームポイントを奪う。しかしここから前田が逆転、3本連取で優勝を決めた。
前田はダブルスの優勝とあわせて2冠を達成。学校対抗は惜しくも2位だったが、個人成績では決勝の2得点も含め今大会全勝で大会を終えた。
2位の森は3回戦で希望が丘の趙甜甜にフルゲーム8本、準々決勝も安藤(慶誠)に逆転勝ちと、苦戦しながらも決勝へ勝ち上がった。準決勝の芝田(四天王寺)戦では今大会好調の芝田を下し強さを見せたが、決勝では最後までペースをつかめなかった。

前田コメント
「去年は地元(福岡)開催でプレッシャーに負けてしまった。今年は気持ちの部分で絶対に負けないようにプレーしたことが今大会の結果につながったと思う。」

森コメント
「作戦通りバックを攻めることはできたけど、そこで相手がミスせず、逆に表ソフトの変化に引っかかってしまった。この結果は反省して、全日本で結果を出したい。」

  • 森を下し2度目の優勝

  • 松井監督と涙の抱擁

  • 3種目で全勝して大会を終えた

  • 最後まで流れを掴めず

〈男子シングルス決勝〉
坪井(青森山田) 6、4、6、−7、8 渡辺(明徳義塾)

男子では松平健太以来、5年ぶりとなる三冠王だ。
坪井はチキータで常に先手を取り、一気に3−0と引き離す。
渡辺はサービスを出す位置を変えて揺さぶりをかけ、流れをなんとか変えようとするが、
第4ゲームを取るのが精一杯だった。

坪井の3球目フォアドライブが渡辺のバックブロックを弾いた時、
大きなガッツポーズとともに、三冠王が誕生した。
  • チキータからの速攻で高校王者へ駆け上がった

  • 激戦を終え、板垣監督と笑顔で握手

  • パワー卓球の渡辺、2位は立派だ

  • 「悔しい」と涙を流して敗戦を悔やんだ

〈男子準決勝〉
坪井(青森山田) 8、10、−6、6、−8、7 及川(青森山田)
渡辺(明徳義塾) 3、−9、−7、11、8、5 周ショウ(北陵)

男子準決勝はいずれもダイナミックなラリー戦となった。
青森山田同士の戦いは、お互いにチキータを軸にしてゲームを組み立てていき、坪井がラリー力で及川を上回った。これで坪井は3冠王に王手をかけた。
もうひとつの準決勝は渡辺がバック表の周のボールに苦しめながらレシーブで先手を取り、接戦を制した。

決勝は坪井vs渡辺。
両者とも初優勝をかけたマッチとなる。
  • 坪井、チームメイトを下して決勝へ

  • 初の決勝へ、明徳義塾のエース渡辺

  • 及川は昨年2位からダウン

  • 周の快進撃は準決勝でストップ

<女子シングルス準決勝>
前田(希望が丘) 4ー2 田口(正智深谷)
森(昇陽)4ー1 芝田(四天王寺)

準決勝が終了、決勝は2年ぶりの優勝を目指す前田と初優勝を狙う、全日本2位の森の対決に決まった。
前田は田口のバック連打に苦しむも、勝負の5ゲーム目を切り抜けると、6ゲーム目は序盤でリードを奪って決勝進出を決めた。敗れた田口も学校対抗準決勝を体調不良で欠場したが、1回戦から勝ち抜いてのベスト4は見事。
森は芝田との強打者対決を制し決勝進出。接戦が予想されたが、早いピッチで攻め、芝田にフルスイングをさせなかった森が4ー1で勝利。

現在コート整備が行われており、まもなく決勝がスタートする。 
  • 2年ぶりの優勝なるか?

  • 芝田を下し、決勝へ

〈男子準々決勝〉
及川(青森山田)4−0 田添(希望が丘)
坪井(青森山田)4−0 郡山(関西)
周ショウ(北陵)4−2 松下(愛工大名電)
渡辺(明徳義塾)4−1 平野(野田学園)

男子シングルス準々決勝が終了し、ベスト4が決定。
台風の目となったのは左バック表の周ショウだ。表ソフトを有効に使い、松下のミスをうまく誘う。周はバックだけでなく、フォアのドライブの威力もあり、鋭く突き刺さるような弾道でコートに刺さる。次は渡辺と対戦する、久々に強い留学生が暴れ回っている!
  • 周のバックが火を噴いた

  • 松下無念、3年連続ベスト8

<女子シングルス準々決勝>
田口(正智深谷) 4ー1 王佳玉(富田)
前田(希望が丘) 4ー0 牛嶋(正智深谷)
森(昇陽) 4ー3 安藤(慶誠)
芝田(四天王寺) 4ー0 美濃口(横浜隼人)


女子シングルス準々決勝が終了。ベスト4が出揃った。
優勝候補の一人・森は安藤にフルゲームまで追い込まれ、一時は5ー9と追い込まれ、追いついた後も10ー11でマッチポイントを奪われるなど大苦戦。しかし最後は勝つあたりはさすが。準決勝は芝田との打撃戦が予想される。

森コメント
「異質が苦手なのできつかった。次に対戦する芝田さんは今大会すごく調子が良いので、もう一度気合いを入れ直して戦いたい。」

準決勝もうひと試合はともに準々決勝でカットを打ち抜いて勝ち上がった前田と田口の対戦。ノーシードから快進撃を見せる田口相手に前田がどのような試合を見せるか注目だ。
  • 森さくら、逆転で準決勝へ

いよいよ大会最終日を迎えたインターハイ。男女シングルスのチャンピオンが決定する。スケジュールは以下のとおり

9時〜
男女シングルス準々決勝

10時〜
男女シングルス準決勝

11時〜
男女シングルス決勝


準々決勝の対戦カードは下記。

<男子シングルス準々決勝>
及川(青森山田)ー田添(希望が丘)
郡山(関西)ー坪井(青森山田)
周ショウ(北陵)ー松下(愛工大名電)
平野(野田学園)ー渡辺(明徳義塾)

<女子シングルス準々決勝>
田口(正智深谷)ー王佳玉(富田)
牛嶋(正智深谷)ー前田(希望が丘)
森(昇陽)ー安藤(慶誠)
芝田(四天王寺)−美濃口(横浜隼人)


ついにベスト8が出揃い、大会も大詰め。現在朝の練習が行われているが、各コート淡々と、そして緊張感のある雰囲気の中、試合に向けて調整している。最後に勝つのは誰か、今日も熱戦が予想される。
青森山田の2年ぶりのインターハイ優勝はものすごく長く感じる。
夏のインターハイだけでなく、春の選抜の優勝も逃していたからそう思うのかもしれない。

それは報道する記者だけでなく、選手、監督もそう感じていたようだ。
決勝5番で出番を待っていた及川は「優勝したこの感じ、久々です」と口にしており、板垣監督も優勝インタビューで「長かったですね」と大きく深呼吸した。

「今までは団体で優勝するために選手と選手の保護者のために頑張りたいと思っていました。そんな中、ずっと日本一を取れなくて、そしたら卒業生たちがすごく応援してくれた。
 OBの彼らがチーム戦で勝つプライドを持っていて、森薗や町や神が会場にきてくれたり、青森まで練習にきてくれたり、邱さんが教えてくれたりしてくれたので、私もこの子たちのためだけじゃなくて、応援してくれたすべての人たちのために頑張りました。プライドを持って、“青森山田の卓球は負けてはだめなんだ”という気持ちで試合に臨みました
 そして7月は試合を入れずに生徒の精神が崩壊するまでやり込みました。選手たちがやりたくないと思うくらい追い込みました。だから自信もあったし、不安もなかった。思い切ってやるだけでした。勝因はこのふたつです」(板垣監督)

プライドを持って、そしてやりこんで臨んだインターハイ。
勝つべくして勝った、そう思える青森山田のプライドを垣間見た。
  • 優勝した瞬間、真っ先に観客席にガッツポーズした板垣監督

  • 2年ぶりの優勝旗を手にした青森山田