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アジア競技大会・卓球競技

 男子団体決勝の終了後、男女団体の表彰式が行われた。まず女子団体表彰では、48年ぶりの決勝進出を果たした日本女子チームが表彰台に立った。韓国・香港・シンガポールというアジアの強豪を連破し、中国に迫った日本。団体戦での日本女子は強かった。今までと比べても「ひとつの壁を破った」と感じられる強さがあった。

 女子団体の決勝後、村上恭和監督はこう語っている。「ここのところ、常に中国以外のところには負けていない。リオまでに実力が中国6:日本4くらいまでについてくれば、相手にプレッシャーを与えられて、勝つチャンスは大きくなる。今回やってみて、前回よりもはるかに中国に近づいていて、福原も一勝したし、佳純もいいゲームをした。五輪はダブルスがあるから、もう少しチャンスが広がります。まだ二年ありますから、差を縮めていきたい」。いつも慎重に言葉を選んでいく村上監督も、確かな手応えをつかんだ様子だった。

 丁寧を破った福原愛は「今日は中国に負けた時にすごく悔しくて、そこは自分としては、中国に近づけているかなと思います。技術とか戦術とかももちろんですが、気持ちの面で、中国に勝つという強い気持ちになってきている」と語った。「今は毎日中国選手を意識しながら練習している。今日も初めから勝つつもりでいきました」(福原)。かつて、中国選手にはなかなか勝てない時代が福原にはあった。その彼女が、丁寧戦の勝利で、中国から最もマークされる存在になる。丁寧戦の第4ゲームでの、「最終ゲームには持ち込ませない。ここで決める!」という気迫は素晴らしかった。

 決勝3番では14歳の平野美宇が貴重な経験をした。「中国戦はテレビでしか観たことがないので、ベンチで中国戦を観てみたい」と言っていた彼女が、コートに立って朱雨玲というトップ選手と堂々と渡り合った。「試合に出るといわれたのは昨日です、『決勝もしかしたら出るかもしれないから準備しとけよ』と冗談ぽくいわれて、うそだと思ってて、昨日言われてビックリしました。最初はすごく不安だったんですが、試合をしてみたら、すごい自分のプレーも出せたし、盛り上がっていて楽しかったです」(平野)。この経験を活かして、2020年東京五輪に向け、さらに大きく成長してほしい。

 さあ、大会後半は個人戦。日本女子の新たな戦いがスタートする。
  • 表彰台で最高の笑顔を見せた五人

  • ハートの強さを見せた平野美宇、表彰式でのワンショット

●男子団体決勝
〈中国 3ー0 韓国〉
○馬龍 9、9、-10、15 朱世赫
○許シン 3、5、6 李廷佑
○張継科 1、9、7 丁祥恩

 男子団体は中国が優勝、大会6連覇を達成した!

 トップで朱世爀が敗れた時点で、勝負の大勢は決まってしまったか。2番の許シン対李廷佑は、ともに長身でリーチのある左ペンドライブ型。許シンのよく切れたストップ・ツッツキを李廷佑がループドライブで返すと、中陣から許シンが「ドカン」とドライブを打ち込んでくる。そのコースもフォアストレート、バッククロス、バックストレートと実に多彩で、李廷佑は打ち抜かれるか、入れるだけのしのぎのブロックで返すのが精一杯。そして打ち合いになると、許シンの台上を這うように伸びるフォアドライブが、李廷佑を圧倒していた。許シンの裏面ドライブと李廷佑のバックショート、バックサイドの攻撃力の差も歴然だった。

 3番は張継科対丁祥恩。シンガポール戦ではガオ・ニンを破るなど、金ミン鉐の故障で戦力不足に陥った韓国を支えてきた丁祥恩だったが、さすがに実力差が大きかった。張継科の両ハンドドライブは、回転量と打球点の早さで、完全に丁祥恩を上回り、丁祥恩は一度守勢に回るともう挽回できない。第2ゲームは前陣を死守して終盤まで競り合ったものの、11ー9で張継科。現五輪&世界王者を5番に置くという驚異の布陣で、中国が地元・韓国を制した。
  • 許シン、恐るべきフットワーク

  • 李廷佑は許シンの圧倒的な攻撃力に沈黙……

  • 団体戦で全勝を守った張継科、素晴らしい強さ

  • 丁祥恩、敗れたとはいえ韓国代表として大活躍

  • クールな張継科、優勝後もハイタッチでお終い

●男子団体決勝
〈中国 1ー0 韓国〉
○馬龍 9、9、-10、15 朱世赫
 許シン vs. 李廷佑
 張継科 vs. 丁祥恩
 許シン vs. 朱世爀
 馬龍 vs. 李廷佑

 観客席が「テーハミングッ(大韓民国)!」「チュセーヨッ(朱世爀)!」の大合唱で揺れている。トップで馬龍が朱世爀と大激戦を演じ、会場は興奮の渦に。

 朱世爀の鉄壁のカットと、前陣に飛び込んでの反撃のパワードライブは、まだまだ「世界最強のチョッパー」健在を感じさせた。第2ゲームは5ー1、ゲームカウント1ー2となった第4ゲームでは7ー3と馬龍からリードを奪ったが、馬龍のパワーは最後まで衰えず。朱世爀のパワードライブも、たびたびバックブロックでシャットアウトした。第4ゲームはジュースの連続となったが、朱世爀は何度もゲームポイントを奪いながら、あと1本が取れなかった。最後は馬龍が朱世爀のフォアサイドを打ち抜き、中国が先制点!
  • 馬龍、パワードライブを最後まで打ち続けた

  • 反撃もよく決めた朱世爀だが、及ばず

  • 応援に燃える韓国ベンチ

●女子団体決勝
〈中国 3ー1 日本〉
 丁寧 ー6、ー9、3、ー13 福原○
○劉詩ウェン ー3、6、7、8 石川
○朱雨玲 8、4、3 平野美宇
○丁寧 6、7、5 石川

 日本女子、4番石川が丁寧に敗れ、銀メダルが確定。石川は球足が長く回転量の多いループドライブ、中陣でのフォアドライブでの攻撃力など、確実な進歩のあとを見せたが、サービス・レシーブや台上での展開では、まだ丁寧に一日の長があったか。トップで敗れ、2失点を喫するわけにはいかない丁寧、さすがに気合いが入っていた。

 しかし、よく頑張った日本。「ロンドン五輪ではシンガポールに勝ってとにかくうれしくて、決勝で中国に負けてしまったけど、この大会では中国に負けてすごく悔しいです」と試合後の福原。チーム一丸となって、中国に勝ちに行った一戦だった。村上監督やその他の選手のコメントは後ほどお伝えします!
●女子団体決勝
 〈日本 1ー2 中国〉
○福原 6、9、ー3、13 丁寧
 石川 3、ー6、ー7、ー8 劉詩ウェン○
 平野美 ー8、ー4、ー3 朱雨玲○
 石川 vs. 丁寧
 福原 vs. 劉詩ウェン

 3番平野美宇は朱雨玲にストレートで敗れた。逆横回転のツッツキやチキータからのカウンター、バック対バックから回り込んでバックストレートへスマッシュをたたき込むなど、好プレーも見せた平野美宇。しかし、中盤からそのボールもことごとく朱雨玲の中陣ブロックにつかまり、次第に打つ手がなくなった。
 4番石川、5番福原につないでくれ!
●女子団体決勝
 〈日本 1ー1 中国〉
○福原 6、9、ー3、13 丁寧
 石川 3、ー6、ー7、ー8 劉詩ウェン○
 平野美 vs. 朱雨玲
 石川 vs. 丁寧
 福原 vs. 劉詩ウェン

 2番石川は快調に1ゲームを先取。両ハンドで観客が固唾(かたず)をのむような高速ラリーが展開され、石川は劉詩ウェンのミドルをうまく攻めていた。しかし、劉詩ウェンは序盤の緊張から次第に復活し、持ち前の両ハンドの速攻で石川を制した。
 3番は平野美宇、朱雨玲に挑む!
●女子団体決勝
 〈日本 1ー0 中国〉
○福原 6、9、ー3、13 丁寧
 石川 3 劉詩ウェン
 平野美 vs. 朱雨玲
 石川 vs. 丁寧
 福原 vs. 劉詩ウェン

 日本、福原が丁寧を破り、大きな大きな先制点!
 出足から打球点の早いカウンタードライブで、丁寧のフォアを次々に狙い打った福原。今大会の特長であるスタートダッシュで、エンジンのかかりが遅い丁寧をきりきり舞いさせた。第3ゲームから、丁寧が深く切れたツッツキから次球を狙う作戦に切り替え、ゲームカウント1ー2の第4ゲームも3ー9と大きく離されるが、ここで丁寧のフォアミドルへ3球目フォアドライブを打ち込んでから形勢逆転。7点連取で一気にマッチポイント。
 この後はマッチポイントとゲームポイントの取り合いになるが、13ー13で福原が短いアップ系のサービスでエースを取り、タイムアウト。最後は福原のバックハンドに、丁寧のフォアドライブがオーバーし、福原がベンチに向かってジャンプ!!

 2番石川も劉詩ウェンから、第1ゲームを11ー3で奪取。日本、一気に走るぞ!
●女子団体決勝
 〈日本 vs. 中国〉
 福原 vs. 丁寧
 石川 vs. 劉詩ウェン
 平野美 vs. 朱雨玲
 石川 vs. 丁寧
 福原 vs. 劉詩ウェン

 女子団体決勝のオーダーが発表された。日本が3番手に起用したのは、平野早矢香ではなく平野美宇。福原と石川の2点起用は準決勝と同様だが、村上監督の思い切った選手起用だ。
●男子ダブルス2回戦
岸川/水谷 4、6、4 クレシ/カズミ(パキスタン)
松平/丹羽 8、9、7 ハドラウィ/グハムディ(サウジアラビア)

 男子ダブルス2回戦、有力なメダル候補である岸川/水谷、松平/丹羽の両ペアはストレート勝ちで3回戦(ベスト8決定戦)に進んだ。岸川/水谷が対戦したパキスタンペアのクレシは、三たび速報ページに登場した「全面フォア面プレーヤー」。まったくミスのない日本ペアの攻守に、試合の中盤からは思い切りロビングを上げたりして、終始笑顔でプレーしていた。

 一方、松平/丹羽が対戦したサウジアラビアのペアは地力があり、まるで日本選手のように堅実で正確なプレー。小柄ながらフォアドライブにもパワーがあった。中東勢はどの選手もバックよりフォア重視、その分だけフォアドライブの安定性と威力はなかなかのものがある。
  • 岸川/水谷は貫禄のプレー

  • 松平/丹羽、スコアは競るも要所でテクニックを披露

  • 日本ペアに善戦したハドラウィ/グハムディ

●混合ダブルス3回戦
丹羽/平野 ー6、ー9、6、7、7 キム・ナムチョル/キム・ヘソン(北朝鮮)
岸川/福原 5、ー11、8、4 アントニー/パトカル(インド)

混合ダブルス3回戦、日本の2ペアが勝ち上がり、ベスト8に進出!
丹羽/平野は北朝鮮のペアに苦戦。中陣から回転量のあるボールで粘られ、平野にミスが多くなった。「前半は私の動きが良くなくて、丹羽ちゃんに負担をかけてしまった。0ー2になった時は厳しいなと思ったけど、1ゲームずつ取っていこうと話していました。第3ゲームを取れたのが大きかった」(平野)。丹羽/平野は後半になるにつれて調子を上げ、平野が前陣でコースを突き、丹羽が多彩なコースへの攻撃、そしてレシーブでのチキータを見せた。

岸川/福原はインドのペアに第2ゲームを落としたが、全体を通して危なげなかった。ふたりのコンビネーションはさすがに年季が入っている。リードされても慌てず、福原のレシーブからの積極的な攻め、岸川の広角ドライブで得点を重ねた。
  • 丹羽/平野、0ー2からの逆転勝ち!

  • 岸川/福原、安定の強さ