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速報・現地リポート

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卓球ワールドカップ団体戦

 アメリカ戦をストレートで勝利した後のミックスゾーン。ペン記者のゾーンにやってくるのを待つ間、何度も「三人娘」の笑い声が響いた。石川佳純、伊藤美誠、そして平野美宇。今まさに五輪選考レースのまっただ中にある3人だが、目の前の勝利に向かって突き進んでいる。テレビ局から大会のテーマを聞かれ、口を突いた言葉は「一戦一戦」。「目の前の試合を勝つことが大事です」(伊藤)という選手たちに油断はない。

 オーダーは石川/平野のダブルスに、伊藤の2点起用という予想どおりのもの。第1戦で平野を前半、第2戦で石川を前半で起用したのは、もちろんそれぞれにシングルスの経験を積ませる意味合いが大きいのだが、今大会で獲得するランキングポイントが公平になるという側面もある。

 トップで出場した石川/平野のダブルスは、17年世界選手権個人戦に出場した頃はもうひとつかみ合わず、崩れ始めると歯止めがきかない印象があったが、アジア選手権3位などの実績を残し、確実にコンビネーションが向上してきた。プレーのバランスとしては、平野が攻撃的になりすぎず、ループドライブやブロックをうまく使ってコースを突くと優位に試合を展開できる。

 「ダブルスは2試合やって、1試合目より2試合目のほうがさらにプレーが良くなった。自信がすごくついてきた。シングルスはアメリカ戦が初戦でちょっと緊張したけど、3−2で勝つつもりで落ち着いてやれました」とアメリカ戦後の石川。平野は「明後日からが本番だと思うので、1試合ずつしっかり戦って決勝を目指したい。今日は初戦にしてはすごく良いプレーができたと思います」と語った。

 シングルスで確実に勝ち星をふたつ重ねた伊藤は、「3−0で勝てたのはすごく意味があるし、ラリー戦ではすごく良いプレーができましたけど、サービス・レシーブはもっともっと磨いていきたい」とコメント。「自分の持ち味は出せている部分もあるけど、まだ100%出し切れている感じではない。明後日からは100%出していきたい」とまだまだどん欲。明後日の準々決勝のプレーが楽しみだ。
  • 石川/平野のダブルスは確実に強くなっている

  • 「持ち味が100%出し切れていない」と伊藤。まだまだ上を見ている

●女子第1ステージ(予選リーグ)
 日本 アメリカ
○平野美宇/石川佳純 4、5、7 エイミー・ワン/リリー・チャン
○伊藤美誠 10、7、6 ウー・ユエ
○石川佳純 5、−11、3、9 リリー・チャン

日本女子、予選リーグ第2戦もアメリカを3−0で圧倒し、予選リーグ2連勝!
予選1位通過が決定し、準々決勝進出。ウクライナを3−0で破り、同じく2戦2勝で準々決勝進出を決めた中国とは、決勝まで当たらないことが確定した。

アメリカは2点起用のエース、ウー・ユエは中国からの帰化選手で、脇を固めるエイミー・ワンとリリー・チャンは中国系の2世選手というチーム。日本は平野/石川のダブルスに伊藤の2点起用という、初戦と同じオーダーを組んだ。トップ平野/石川は以前よりもコンビネーションが向上し、石川のフォアストレートへのフォアドライブが威力を増したことで、決定力も高くなった。平野もチャンスボールはしっかり仕留めながら、回転量の多い両ハンドのドライブでうまくアシストしてストレート勝ち。

2番伊藤はウー・ユエに対し、1ゲーム目5−9、7−10とリードを許してやや苦しんだが、9−10の場面で伊藤がフォアサイドから、ややトスの高いフォアの巻き込みサービス。緊迫した場面でも今までやっていないプレーが出せるのが伊藤の強さ。このゲームを12−10と逆転で取ると、あとは一気に勝利へ突っ走った。

3番石川は、10月の女子ワールドカップで平野を破ったリリー・チャンのキレのある両ハンドに1ゲームを落としたが、フォアストレートへのフォア強打がここでも冴えた。しっかり3−1で勝利を収めた。日本女子は明日は試合がなく、明後日の準々決勝から決勝トーナメントがスタートする。

★馬場美香監督のアメリカ戦後のコメント
「今日は初戦のオーストリア戦で、エースのポルカノバ選手が出てこないことが昨夜遅くにわかり、それは意外でしたが、それ以外はだいたい想定内の試合でした。ダブルスを石川/平野で固定しているのは、今年になってからまだあまりペアを組んでいないので、経験と強化の両面からふたりを組ませている。チャンスボールには一気にたたみ掛けられるペアになってほしい。2試合終わって、全体的に緊張もほぐれてきているし、決勝トーナメントではもっと良いプレーをしてもらいたい」
  • 石川はフォアストレートへの強打が冴え渡った

  • 伊藤から1ゲーム目にゲームポイントを奪ったウー・ユエ

  • 石川/平野のダブルスは、確実にコンビネーションが良くなっている

 ショックの大きいイングランド戦の敗戦を経て、苦しみながらもオーストリアを破り、大会初勝利を手にした日本男子チーム。試合後、倉嶋洋介監督は「エースがしっかりしてくれると勝てるということですね。初戦のことは振り返ってもしょうがないので、良いリスタートが切れるよう、相手の分析などに時間を使った」と語った。

 オーストリア戦でガルドスとフェガールに連勝した張本については、倉嶋監督は「1試合目のシングルスは負けたけど、1週間良い練習ができていたし、調子も良かった。いきなりピッチフォードに当たったのはちょっとかわいそうなところもあったけど、2試合目は堂々と試合をしようと。2戦続けてストレートで勝てたことは評価できると思います」とコメント。団体戦での経験不足を補うため、今大会の張本は「2点起用で徹底していく」(倉嶋監督)。そのうえで、エースの重責を果たせるかどうかが今大会のポイントになる。

 その張本はオーストリア戦後、次のようにコメントしている。「ピッチフォード戦は相手を研究しすぎて、試合中に考えすぎてしまった。だからオーストリア戦に入る前は、相手の研究はしてましたけど、気持ち良く試合に入れることを心がけました。ピッチフォード戦は考えてきたことができなかった時、プレーが崩れてしまったので、これと決めて試合をしないようにした」(張本)。本人のコメントどおり、ガルドス戦やフェガール戦の張本のプレーは得点のパターンが多彩で、相手に打たせて取る「後の先」のプレーも光っていた。

 苦い敗戦を経て、団体戦での経験値を確実に上げている張本。大黒柱の水谷の欠場という試練の中、手にした確かな実りだ。
  • 強打からブロックまで、多彩な得点パターンを見せた張本

  • フェガールのフォアドライブは強烈だったが、連打が効かなかった

●男子第1ステージ(予選リーグ)
 日本 オーストリア
 丹羽孝希/吉村真晴 −7、−8、10、9、−6 フェガール/ハベソーン○
○張本 6、9、6 ガルドス
○丹羽 5、9、−6、−6、6 ハベソーン
○張本 7、7、6 フェガール

苦しかった!
日本男子はオーストリアを3−1で下して、今大会初勝利!

腰を傷めた水谷を欠く日本は、2戦目も張本の2点起用に丹羽/吉村のダブルスで勝負。その丹羽/吉村のダブルスがいきなり2ゲームを連取され、会場に暗雲が漂う。オーストリアペアはフェガールが台から距離を取ってうまく緩急をつけ、ハベソーンが強力なバックのカウンターを見舞う。丹羽/吉村は3・4ゲーム目を返してゲームオールまで持ち込んだものの、最後は6−6から5点連取を許した。

ここまで、最終ゲームまでもつれた試合をことごとく落としている日本男子。苦しい流れを払拭できない中、2番張本がようやく会心のプレーを見せる。両ハンドのカウンターが鋭いガルドスに対し、強引に仕掛けては不利になると、台上ではストップ対ストップから無理に仕掛けずにうまく打たせてミスを誘う。得意のチキータも、強振するよりは回転主体でうまく緩急をつけた。最後はフォア前へのサービスでガルドスのレシーブミスを誘い、サービスエースで決着!

3番丹羽も出足から快調なプレー。以前に比べるとバックハンドの割合が高くなったハベソーンのフォアをうまく突き、サービスもフォアに集める。ハベソーンはこのフォア攻めに手こずり、丹羽が2ゲームを先取する。
しかし、ハベソーンもさすがに百戦錬磨。フォアに来るボールに対して無理に仕掛けず、長く低いツッツキで先に打たせてからカウンターを狙う戦術に切り替え、ゲームオールに追いつく。苦しい試合になったが、丹羽は最終ゲーム1−1で回り込んでパワードライブで打ち抜いてからリードを保ち、最後は10−6からクロスへのバックハンドを決めて決着。小さく拳を固めた。

4番張本対フェガール、ここで決めたい日本、長身のフェガールと張本は初めての対戦だ。独特のYGサービスやバックサービスなど、多彩なサービスを操り、バックのブロックが堅いフェガールに対し、張本のプレーは冴えた。一発のパワードライブには威力があるが、基本的にバック主戦のフェガールに対し、ロングサービスを効果的に使い、両ハンドでフォアサイドを攻略。冷静なプレーを貫いた。日本男子は予選グループの通算成績を1勝1敗とした。
  • 張本智和、見事な2戦連続のストレート勝ち、

  • 丹羽孝希、勝負の3番で苦しみながらも勝利

  • 日本から1勝をあげたフェガール(右)/ハベソーンのダブルス

  • ベンチの神巧也も大きな声援を送った

日本女子のコメント
●馬場美香監督のコメント
 この体育館に慣れるということと、勝ち上がったときにベストの状態に成るようにオーダーを考えました。選手は全日本で戦ったりしているので違和感はなかった。ただ、大きな大会になると台も変わったり、跳び、弾みが違うのでそれを選手は調整していた。

●石川佳純のコメント
 初戦で、大事な試合だったので良いスタートを切れた。トップでダブルスという戦い方は自分自身慣れていないけど、良いプレーができた。

●伊藤美誠のコメント
良い状態で1試合目には入れたので、次も良い状態で戦いたい。

●平野美宇のコメント
はじめてトップで戦って、勝つことができてうれしい。

●日本・倉嶋洋介監督のコメント
 準備をしてきたつもりでしたが、初戦と言うことでうまく流れに乗れなかった。
水谷が腰を傷めており、急きょ丹羽の起用を決めた。ダブルスのコンビネーションが良く、流れは良かったが、2番のエース対決で負けて流れが悪くなった。
 この後、3大会続くので、水谷本人と話をして決めました。治りかけてはいるけど、吉村と水谷のダブルスの練習もできなかった。この団体戦で負傷するのも怖かったので、ほかのメンバーで組んだ。
 張本は少しプレッシャーがあったと思う。ピッチフォードは苦手というか強くて、同レベルの選手です。
 東京の世界選手権(2014年)も初戦で負けてメダルを獲ったので、これから頑張ります。

●張本智和のコメント
厳しい相手だと思っていたけど、1−3で負けると思っていなかったので悔しいです。試合の中で相手のほうが落ち着いていた。

●丹羽孝希のコメント
 ピッチフォードには今まで負けたことがなかったけど、相手も素晴らしいプレーをしてきたし、自分も良いプレーができなかった。

吉村真晴のコメント
 出足が良くなくて、迷いがでてしまった。勝てる選手、負けてはいけない選手だったので非常に悔しい。本来、アグレッシブに攻めるのが自分の卓球なのに、レシーブでチキータとか攻めることができずに、甘いレシーブになり、足が止まってしまった。負けれないプレッシャーというか、自分の勝負弱さが出てしまった。

●ピッチフォードのコメント
 とてもハッピーだよ。今日日本に勝つと予想するのは難しかった。ダブルスが勝つのは難しいのはわかっていた。張本戦は最初からリラックスしていたし、1ゲーム目を取られてからもっとリラックスすることができた。彼より先にバックハンドで攻めようと心がけたし、パワーボールを打とうとした。ハードなゲームだったけど、彼のような世界のトップ選手には簡単に勝てない。
 ぼくは日本のプレースタイルと試合をすることは好きなんだ。良い準備もできたと思うよ。
●女子第1ステージ(予選リーグ)
 日本 3ー0 オーストリア
○石川佳純/平野美宇 8、7、7 ゾルヤ/ミスチェク
○伊藤 5、5、7 リュウ・ジャ
○平野 4、5、2 ミスチェク

男子の敗戦のショック冷めやらぬまま、スタートした日本女子の予選リーグ第1戦は、オーストリアをストレートで一蹴!
エースの左腕・ポルカノバが出場しなかったオーストリアに対し、1ゲームも落とすことなく勝利を決めた。日本女子は今夜の19時半から、アメリカとの予選リーグ第2戦に臨む。
  • 出だしこそやや硬さが見られたがすぐに立て直した石川/平野

  • 別格の強さでリュウ・ジャに快勝した伊藤

●男子第1ステージ(予選リーグ)
日本     1 − 3    イングランド
○丹羽孝希  7、6、7       ドリンコール
 吉村真晴              ジャービス
 張本智和  6、−7、−8、9、−8  ピッチフォード○
 吉村   −2、4、7、−3、−9      ドリンコール○
 丹羽    −8、−10、−5     ピッチフォード○

ドイツ  3 − 0 オーストラリア
韓国   3 − 0 アメリカ
中国   3 ー 0 ナイジェリア

 事前情報では丹羽はエントリーするものの出場するか否かは微妙ということだったが、倉嶋監督はいきなり初戦のイングランド戦に起用し、水谷を外した。トップはダブルスから始まるが、丹羽と吉村の団体戦でのダブルスはリオ五輪以来だが、今年の8月のブルガリアオープンでも組んでいる。銀メダリストの二人は余裕のプレーを見せ、ストレートで完勝した。

 2番はエース対決。ピッチフォードは去年の世界団体で張本と水谷に勝っている。しかし、張本は今年の中国オープンでストレートで下し、リベンジ。1ゲーム目は張本が6本で先取。張本は落ち着いたプレーで、ピッチフォードにミスが出た。
 2ゲーム目、ピッチフォードのミスが減り、バック対バックでも張本と互角の展開で7本で取り返した。3ゲーム目、バック対バックでわずかにピッチフォードが得点が多い。そしてフォアで点を取りに行った張本にミスが出て、8本でピッチフォードが連取した。
 4ゲーム目、3−3になったところで日本はタイムアウト。しかし、そこからピッチフォードは7−3に引き離す。7−5から8−6、8−7と差を詰める張本は8−8に追いつき、9−8と6本連取で逆転。9−9となったが、そこから張本が連取し、11−9で取り返し、ゲームを2−2と振り出しに戻した。
 最終ゲーム、5−3で張本リードでチェンジエンド。すぐに5−5となるが、6−6、7−7から張本のストレートへのバックカウンターが抜けていく。しかし、すぐにピッチフォードが10−8とリードを奪い返す。最後は張本の台上ドライブがオーバーミスして、11−8で張本は敗れた。欧州の刺客、ピッチフォードは日本戦での強さを改めて見せつけた。
 
 3番は吉村とドリンコールの対戦。序盤はお互いにミスが多く、ゲームは1−1。3ゲーム目を吉村が取り、2−1とリード。しかし、4ゲーム目、ドリンコールが先手を奪う場面が多くなり、吉村は3点で落とす。勝負は最終ゲームへ。出足からドリンコールのフォアドライブが炸裂。5−2でチェンジコート。8−2とドリンコールが一気に離す。ここから8−5と差を詰める吉村。しかし、ドリンコールのフォアカウンターで9−5。9−7、10−8と吉村が追いかける。吉村のバッククロスのドライブが決まり、10−9。あと一本だ。最後は吉村のドライブがネットにかかり、11−9でドリンコールが勝ち、イングランドは2−1と勝利に王手を掛けた。

 後がない日本。4番は丹羽がピッチフォードと対戦。過去に、丹羽は4戦して4勝の相手。最後は昨年の中国オープンでこの時には4−3で丹羽が辛勝。
 1ゲーム目の出足からピッチフォードがリードを奪い、丹羽が追いかける展開。7−7で並ぶも、11−8でピッチフォードが先取した。
 2ゲーム目もピッチフォードのペース。丹羽はリードを奪われるも、9−9と追いつく。丹羽のサービスエースで10−9、次を3球目のドライブミスで10−10と並んだ。次をピッチフォードが丹羽のストップを強烈な台上バックドライブで打ち抜き、最後は丹羽の打ちミスで12−10でゲームを連取した。
 3ゲーム目になってもピッチフォードの流れは止まらない。終始リードを奪い、バックの強打と丹羽の打ちミスを誘う。11−5でピッチフォードが2点を取り、イングランドが勝利した。
 昨年の世界選手権ハルムスタッド大会に続く敗戦。イングランド戦は日本にとって鬼門である。
  • 日本は丹羽/吉村のダブルスで先取点をあげたが……

  • 日本キラーぶりを発揮したピッチフォードが2点取り

  • 張本(背中)にアドバイスする倉嶋監督

  • 吉村はドリンコールに競り負ける

 JA全農チームワールドカップは、大会前日の今日5日に予選グループのドローが行われ、組み合わせは以下のように決定した。

●男子団体予選グループ
A:中国、チャイニーズタイペイ、ナイジェリア
B:日本、オーストリア、イングランド
C:ドイツ、ブラジル、オーストラリア
D:韓国、スウェーデン、アメリカ

※日本男子の予選グループのタイムテーブル
11月6日 11:00 日本男子 vs. イングランド
11月6日 17:00 日本男子 vs. オーストリア

●女子団体予選グループ
A:中国、ウクライナ、エジプト
B:日本、アメリカ、オーストリア
C:チャイニーズタイペイ、ルーマニア、バヌアツ
D:香港、韓国、ブラジル

※日本女子の予選グループのタイムテーブル
11月6日 12:45 日本女子 vs. オーストリア
11月6日 19:30 日本女子 vs. アメリカ

 日本男子は予選グループの初戦からイングランドと対戦。2016年の世界選手権団体戦で日本と大激戦を演じ、18年の世界選手権団体戦では日本が敗れた因縁の相手だ。エースのピッチフォードは長いリーチを生かした強烈な両ハンドのカウンターで、水谷や張本から何度も勝ち星を挙げており、今シーズンのTリーグでも水谷にストレート勝ちしている。2番手のドリンコールもストレートへの攻撃がうまく、手強い。日本としてはまず「ダブルス必勝」だ。

 次に対戦するオーストリアも団体戦には強く、鋭いフォアカウンターのガルドスとブロックの堅いフェガール、強打者ハベソーンと実力者が揃う。日本としては1勝1敗の2位でも決勝トーナメントには出場できるが、準々決勝で各グループの1位チームとの対戦になる。Bブロックの1位チームはAブロックの1位チームと反対のブロックになるので、日本男子としては確実に1位通過を決め、中国と反対のブロックを確保したいところだ。

 一方、女子はアメリカとオーストリアが同組。アメリカは女子ワールドカップで平野を破ったリリー・チャン、帰化選手のウー・ユエ、長身からしなやかなバックハンドを連発するエイミー・ワンと中国系選手が主力。オーストリアは左腕のポルカノバがエースで、オーストリア女子監督の劉燕軍氏の薫陶を受け、打球点の早い両ハンドのカウンターを操る。回転がかかりにくいアンチラバーを駆使するA.ゾルヤとのダブルスはひとクセあるが、日本との地力の差はある。1点も落とさずに連勝スタートといきたい。
  • 「日本キラー」のピッチフォード。TリーグのT.T彩たまでプレーしている

  • バックブロックが堅いフェガール。アジア勢にも強い

  • 女子ワールドカップで平野を破ったリリー・チャン

  • 長身からの速攻が鋭いポルカノバ

 ワールドカップ団体戦では、2011・13・18年と過去3大会で準優勝の日本女子チーム。ちなみに2013年は『ワールドチームクラシック』という大会名だった。決勝の相手はいずれも中国で、日本は3度の決勝で、まだ中国から1勝を挙げることができていない。
 日本女子の代表メンバーは、石川佳純・伊藤美誠・平野美宇・佐藤瞳の4名。カットの佐藤も今年6月のジャパンオープンで丁寧(中国)を破るなど、国際大会での実績は十分だが、やはり石川・伊藤・平野の3名を軸に戦うことになるだろう。

 トップのダブルスは石川/伊藤のペアリングもあるが、9月のアジア選手権3位、10月のスウェーデンオープン2位と次第にコンビネーションが良くなってきた石川/平野ペアの起用が有力。確実に勝ち星を挙げ、2番伊藤につなげたい。万が一ダブルスで敗れることがあっても、伊藤なら相手チームに傾いた流れをきっちり食い止めてくれるはずだ。

 中国以外のチームが相手ならば、日本女子は戦力で一枚か二枚は上をいく。アジアでは韓国・香港・チャイニーズタイペイがライバルになるが、最も怖いのは鄭怡静を擁するチャイニーズタイペイ。鄭怡静は国際大会で伊藤に2勝3敗、石川に8勝12敗、平野に1勝2敗という成績だが、いずれも直近の対決では勝利しており、2点取られると厳しい戦いになる。韓国は田志希/梁夏銀のダブルスが強く、シングルス2点起用が帰化選手の強打者・崔孝珠だと厄介な相手になる。

 そして中国は、丁寧・劉詩ウェン・陳夢・王曼昱・孫穎莎という強力な陣容。ダブルスは前回大会の決勝トップにも出場した丁寧/劉詩ウェン、19年ジャパンオープン優勝の陳夢/劉詩ウェンやスウェーデンオープン優勝の丁寧/陳夢、19年世界選手権優勝の王曼昱/孫穎莎など様々なペアリングが考えられるが、予選リーグでは単複に若手を使って経験を積ませつつ、勝負所は丁寧・劉詩ウェン・陳夢の3選手でオーダーを組む可能性が高い。熾烈な五輪選考レースの真っ只中にある日本女子だが、ここは一丸となって中国の厚い壁を破りたい。

 大会は明日11月6日に男女予選リーグが行われ、日本は男女とも2試合ずつ消化。順当に勝ち上がれば、大会第2日目(11月7日)の夜に日本男子の準々決勝、第3日目(11月8日)の夜に日本女子の準々決勝が進行する。第4日目(11月9日)は男女団体準決勝、そして最終日の11月10日に男女団体決勝が行われる。さあ、世界を迎え撃て、ニッポン!
  • 国際大会で中国から勝ち星を重ねる伊藤美誠。分厚い包囲網を突破したい

  • 日本勢にとっても警戒すべき相手、チャイニーズタイペイの鄭怡静

 1990年の第1回大会(日本各地で開催)以来、実に29年ぶりの日本開催となるワールドカップ団体戦。男子は前回の18年ロンドン大会で初の決勝進出を果たし、今大会で初優勝を狙う。メンバーは水谷隼、丹羽孝希、張本智和、吉村真晴、そして神巧也の5名だ。

 2020年1月時点での世界ランキングで、上位2名がシングルスの代表候補選手となる卓球。団体戦の代表候補選手もチームランキングでのシードを考えると、ランキング3番手の選手が選ばれる可能性が高いと言われてきた。
 現時点では、20年1月時点で有効なランキングポイントの上位3名は張本智和、水谷隼、丹羽孝希。世界ランキング5位の張本をシングルス2点起用するとなると、水谷/丹羽という左腕同士のダブルスになるが、倉嶋監督は「左同士のペアだとつぶされるコースが出てくるし、彼らと話し合っても、ちょっと難しいところがあると言っていた」とコメント。実現の可能性は低くなっている。

 そうなると、「プレ五輪」である今回のワールドカップ団体戦で、日本男子のオーダーはふたつに絞られる。張本の2点起用で水谷と吉村のダブルスか、水谷の2点起用で丹羽と張本のダブルス。リオ五輪団体戦でペアを組んだ丹羽/吉村を出すと、水谷と張本のどちらかがオーダーから外れるため、難しい部分がある。国際大会で好調をキープする「熱男」神巧也のプレーも見たいのだが、試合数が少ないため、なかなか出番が回って来そうにない。

 国際大会で成績が伸び悩んでいる丹羽の状態については、倉嶋監督も「そろそろ打開策を考えないといけない」と語っている。ダブルスが強いチーム、シングルス2点起用の強力なエースがいるチームなど、対戦相手に応じてシミュレーションを行いながら、オーダーを準備しているという倉嶋監督。東京オリンピックを占う意味でも、今大会のオーダーに注目が集まる。

 馬龍・許シン・樊振東・林高遠・梁靖崑というベストメンバーを揃えた中国や、ボルとオフチャロフに加えて3番手のフランチスカが絶好調のドイツ、李尚洙と鄭栄植のダブルスが強力な韓国など、日本男子にライバルは多い。ベテランの荘智淵が国際大会から退く考えを示したチャイニーズタイペイも、シングルス2点で出場するであろう林昀儒の存在は脅威だ。「水谷キラー」のピッチフォードを擁するイングランドも侮れない。厳しい戦いが待ち受けている日本男子だが、ファンの声援を背中に受けて、この荒波を乗り越えたい。
  • 張本智和、出陣。団体戦での自信を深めるプレーを見せたい

  • 18年ジャパンオープン以来の日本上陸となる馬龍。馬龍ガールズも来日か?