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 12月23日より広島・マエダハウジング東区スポーツセンターで開催されていた女子日本代表選考会が終了。最終日の今日は準決勝・決勝が行われ、加藤美優(吉祥寺卓球倶楽部)が優勝し、初の世界選手権代表に内定した。

【準決勝】
森薗美咲(日立化成) 4−1 浜本由惟(JOCエリートアカデミー/大原学園)
加藤美優(吉祥寺卓球倶楽部) 4−2 芝田沙季(ミキハウス)

【決勝】
加藤美優 4−0 森薗美咲


 加藤は準決勝で好調の芝田と対戦。お互いバック対バックを軸とした、ラリー戦となるも、加藤がゲームカウント3−2で迎えた6ゲームを、芝田にゲームポイントを握られながらも逆転で奪い決勝進出を決める。
 決勝ではミスが目立った森薗に対し、うまく台から距離を取って攻撃をしのぎ、中陣からのバックハンドで逆襲するなど、加藤が会心のプレーを見せてストレートで優勝を決めた。
 優勝に関して加藤は「(世界選手権代表は)まだ実感がない。本戦では自分より強い選手ばかりなので、挑戦者のつもりで頑張りたい」とコメント。馬場美香女子日本代表監督は優勝の加藤に対して「相手に合わせた戦術の転換、試合のコントロールが優れている」と評した。
 先日の世界ジュニア3位など、着実に力をつけており、1月の全日本選手権、そして来年5月にドイツ・デュッセルドルフで開催される世界選手権での活躍に期待がかかる。
  • 優勝の加藤美優を囲む馬場美香日本代表監督と宮崎義仁強化本部長

  • 決勝では思い切りの良いバックドライブが炸裂

 昨日より広島・マエダハウジング東区スポーツセンターで開催されている女子日本代表選考会。2日目の今日はグループリーグが終了、トーナメントの第2ステージがスタートし、ベスト4が出揃った。第2ステージは4つのグループリーグの上位2名と、シード選手(選考会出場者の中で2016年11月世界ランキングの上位8名)で争われる。

【第2ステージ2回戦】
浜本由惟(JOCエリートアカデミー/大原学園) 4−3 森さくら(日本生命)
森薗美咲(日立化成) 4−0 石垣優香(日本生命)
芝田沙季(ミキハウス) 4−3 松澤茉里奈(十六銀行)
加藤美優(吉祥寺卓球倶楽部) 4−1 早田ひな(希望が丘高)

 ベスト4一番乗りを決めたのは森薗。1回戦で前田美優、2回戦で石垣優香(ともに日本生命)を下して勝ち上がった。昨年まで2年連続で2位と、あと一歩で代表を逃しており、今年こそは代表獲得なるか。
 浜本は好調の森相手にフルゲームまでもつれたが、最後は回転をかけたドライブできっちりコースを突き、ベスト4進出。芝田対松澤のハードヒッター対決は、芝田が台から距離をとってドライブを放ち、松澤が前陣の早い打球点で打ち込む打撃戦に。松澤が3−2とリードしたが、最後は積極的にフォアで回り込んだ芝田に軍配が上がった。
 世界ジュニア3位の加藤とグランドファイナルU-21優勝の早田の一戦も白熱した展開。早田が豪快に打ち抜く場面もあったが、それを上回る冴えを見せたのが加藤。攻守にすばらしい反応を見せて、早田の攻めを前陣でさばき、最終日に駒を進めた。

 最終日の明日は準決勝、決勝が行われ、優勝者が2017年世界選手権デュッセルドルフ大会日本代表に内定する。準決勝のカードは森薗vs浜本、芝田vs加藤となっている。
 13歳の張本は藤村に完勝し、明日準決勝で大島と対戦する。五輪メダリストの吉村は松平に敗れ、選考会による世界選手権出場は絶たれた。

●準々決勝
張本 4(8、3、9、−8、6)1  藤村
大島 4(6、8、3、7)0 村松
吉田 4(6、9、ー2、ー8、2、9)2 森薗
松平 4(7、ー6、8、6、−6、ー6、7)3 吉村  

●準決勝
張本 vs.  大島
松平 vs. 吉田

世界選手権デュッセルドルフ大会(個人戦)の男子選考会が福島県郡山市で行われ、2日目が終わった。総勢24名が6名ずつ4ブロックに分かれ、リーグ戦を行い、上位2名ずつで準々決勝が行われる。
 注目の世界ジュニア優勝の張本智和(JOCエリートアカデミー)は全日本選手権準優勝者の張一博(東京アート)をストレートで下し、五輪メダリストの吉村真晴(名古屋ダイハツ)とゲームオールの激戦を展開し、グループ2位通過で準々決勝に進んだ。

A組 1位・藤村友也(愛知工業大) 2位・松平健太(ホリプロ)
B組 1位・吉村真晴(名古屋ダイハツ) 2位・張本智和(JOCエリートアカデミー)
C組 1位・村松雄斗(東京アート) 2位・吉田雅己(愛知工業大)
D組 1位・森薗政崇(明治大) 2位・大島祐哉(ファースト)
  • リーグ戦成績

  • 準々決勝の組み合わせ

 2017年5月29日~6月5日にドイツ・デュッセルドルフで開催される「2017世界選手権デュッセルドルフ大会(個人戦)」。同大会の日本代表国内選考会が、本日(12月23日)から3日間、男子は福島・郡山総合体育館で、女子は広島・マエダハウジング東区スポーツセンターでそれぞれ開催される。男女ともに選考会での優勝者(1名)がシングルスの代表に内定する。
 男子は、リオ五輪団体銀メダリストの吉村真晴(名古屋ダイハツ)、世界ジュニア優勝の張本智和(JOCエリートアカデミー)らも参戦予定で、6名×4ブロックでのリーグ戦後、各ブロック上位2名によるトーナメントで勝者を決定。男子選考会については、福島県卓球協会(http://www.fukushima-tta.jp)のリンク集より同大会のツイッター・フェイスブックをチェックしよう。
 一方の女子は40選手が出場予定で、8名×4ブロックでのリーグ戦後、世界ランキング上位8選手+各ブロック上位2名によるトーナメントで代表権を争う。(女子の出場有資格選手は『卓球王国2月号』に掲載)
 
 男女選考会ともに観戦料は無料。国内トッププレーヤーが繰り広げる代表権争いをぜひ観戦しに行こう。

 なお、12月25日の男女準決勝の一部と決勝戦の模様が、You Tube テレビ東京卓球チャンネルなど下記にて生配信される予定だ。
・You Tube テレビ東京卓球チャンネル(http://www.youtube.com/tabletennis
・LINE LIVE テレビ東京LIVE(LINE ID:tvtokyo-live)
・Periscope テレビ東京卓球情報(Twitterアカウント:@teletaku)
 12月11日の各紙新聞メディアの「Tリーグ」の扱いはさほど大きくなかった。12月3日の日本経済新聞と朝日新聞のほうがよほど大きく扱っていた。
 一般メディアは明らかにトーンダウンしている。その理由はなぜなのか。

 新聞メディアは、「Jリーグ(サッカー)、Bリーグ(バスケットボール)に続いて、新しいプロリーグの誕生か」と期待を寄せたのだが、日本卓球協会の星野一朗専務理事は「プロとアマの混成リーグ。企業チームや学生チームにも参加してもらう」と会見で答えている。この時点で、メディアの腰が引けてしまった。
 次に、日本実業団リーグとの話し合いがこれからも必要で、Tリーグとして一緒にやるのか、やらないのかが明確にされなかった。これがメディアからすれば「協会は一枚岩になっていない」という印象を持ってしまったのだろう。確かに会見での星野専務理事と松下浩二・準備室室長の表情は冴えないものだった。

 しかし、時期は遅くなりすぎたが、このTリーグ構想には一定の評価を与えたい。
 もともと、ブンデスリーガ、フランスリーグ、スウェーデンリーグ、超級リーグで、「プロリーグ」とうたっているリーグなど海外にはないのだ。また、大げさにうたう必要もない。トップリーグでやっている選手は実際には卓球のプロだし、経営するクラブもプロフェッショナルにやっている。ことさら「俺たちはプロだぜ」と言う必要も彼らにはないのだ。

 ヨーロッパのクラブは地域密着型で、地域の卓球クラブがスポンサーを集めたり、イベントを開催したり、グッズを発売して、収入を確保しながら運営している。その収入を増やし、選手に報酬を払いながら、トップリーグを目指している。当然、自治体からの補助金も入ってくる。
 つまり、トップリーグで活動するという意味は、選手に報酬を払えるだけの「プロクラブ」でなければいけない。あえて、リーグ全体でアマチュアとプロと線引きをする必要はヨーロッパにはない。

 当初の「プロリーグ検討」という枠を取り払ったことで、企業チームや学生チームが入りやすい組織にしたことは、長い眼で見れば地域密着のクラブの誕生を促進するためには「正解」だった。いずれにしても低いハードルを越えてきたチームがトップリーグを目指すためには1億円以上の予算が必要。そのためには自然にプロ的な運営をするようになっていく。

 プロとアマで線引きしようとするのはメディアの見識不足だ。もっとヨーロッパのクラブスポーツを見るべきである。また、プロの名前をはずしたことで企業チームは入りやすくなったが、これは日本実業団リーグへの最大の配慮なのだろう。しかし、日本実業団リーグが入らなくても、Tリーグは確実にスタートすることも事実だ。 (今野)
 何年か前の全日本選手権の会場インタビューで「後輩をたたきつぶす」くらいの強気の発言でヒールを装った水谷隼。1月からの全日本卓球では史上最多の9度目の優勝を狙う。現在、そこに向けて調整中だ。問題はリオ五輪後に数キロほど増えた体重か。もし体を絞れるならば、他選手との力の差は歴然だ。

 本日発売の「別冊 水谷隼」はまるごと一冊、ミズタニなのだ。
 ロングインタビューから技術ページの解説、水谷隼物語と名言集、素顔を見せるプライベートショットなど、てんこ盛りの100ページ。
 リオ五輪後にこれでもかというほどテレビに露出したメダリスト。「卓球と自分自身を広めていきたいと前から思ってました。卓球と「水谷」をアピールするチャンスがやっと巡ってきたということです」(「別冊水谷隼」ロングインタビューより)。
「卓球はすべてにおいて総合的に優れていなければならない。何かひとつ欠けていたらトップには立てない。だからこそ卓球を極めたら、スポーツを極めたことになる。いろんなスポーツを小さい頃にやったぼくが卓球を決めた理由がそれです」(「別冊水谷隼」ロングインタビューより)。

 水谷という男はプライドが高い。当然だろう。全日本で8回優勝し、10年前から日本のエースとしてチームをけん引してきた男だから。歴代のチャンピオンたちだってそうだった。それが扱いにくい男と評されたら本人も可哀想だ。
「1回全日本(選手権)で負けただけで、『もう水谷は抜かれた、あいつの真似をしろ』と言われるのはたまらない」
「『負けた原因は何ですか?』と聞かれて、事実を答えると『あいつは言い訳を言っている』と言われるから嫌なんですよ。自分で聞いてきておいて、負けた原因を言うと言い訳ととらえられたらたまらない。原因があるから負けるんですよ」(水谷)。

 「別冊 水谷隼」のロングインタビューは面白い。聞いていて面白いのだから、読んで面白くないわけがない。 (今野)
 12月8〜11日、ドーハ・カタールで行われた2016ITTFワールドツアー・グランドファイナル。日本からは男子9名、女子12名が参加した今大会で、早田ひな(希望が丘高)が女子U21決勝で杜凱琹(香港)を下し初の栄冠を手にした。早田は浜本由惟(JOCエリートアカデミー/大原学園)とのペアで女子ダブルス決勝でも杜凱琹/李皓晴(香港)に勝利。2016年を締めくくる最後の国際大会で2冠を達成した。
 また、男子アンダー21で村松雄斗(東京アート)が、男子ダブルスで森薗政崇/大島祐哉(明治大/ファースト)がそれぞれ最終日の決勝に駒を進めたが、村松は廖振珽(チャイニーズタイペイ)に、ダブルスは鄭栄植/李尚洙の韓国ペアに敗れタイトルを逃した。
 
 女子シングルスでは石川佳純(全農)と平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)が準決勝に進出したものの、石川は朱雨玲(中国)に平野はカットのハン・イン(ドイツ)に敗れベスト4に終わった。この大会の直前に行われた世界ジュニアで優勝の張本智和(JOCエリートアカデミー)はアンダー21に出場したが初戦で村松に敗れ上位進出はならなかった。

 男子シングルスの決勝は昨年と同カードの馬龍(中国) vs. 樊振東(中国)。今年も馬龍が樊振東を下しグランドファイナル5度目の優勝を決めた。女子は朱雨玲がカットのハン・インをストレートで沈めグランドファイナル初優勝を果たした。

 優勝と日本選手の上位の結果は以下のとおり。
 
【ITTFワールドツアー・グランドファイナル記録】
●男子シングルス優勝:馬龍(中国)
● 女子シングルス優勝:朱雨玲(中国) 3位:石川佳純、平野美宇
● 男子ダブルス優勝:鄭栄植/李尚洙(韓国) 2位:森薗政崇/大島祐哉
● 女子ダブルス優勝:浜本由惟/早田ひな
● 男子アンダー21優勝:廖振珽(チャイニーズタイペイ) 2位:村松雄斗 3位:及川瑞基
● 女子アンダー21優勝:早田ひな 3位:加藤美優、浜本由惟
 12月10日の日本卓球協会の理事会で「Tリーグ構想」が承認され、本格的に協会主導の新リーグが立ち上がることになった。
 以下は会見での星野専務理事と松下浩二・準備室室長。

星野 今年の7月までは卓球のプロリーグとして進めていましたが、ヒアリングや意見、やりとりの中で、卓球をより日本の中で普及、発展させる手段としてプロにこだわる必要はない。クラブシステムをやっていくことに変わりはないが、日本リーグからも参加していただける、学生からも参加していただける、大きな将来構想を描いており、その下には大きなピラミッド型の地域リーグを作っていこうという構想です。そのTリーグを統括する社団法人を3月に作るということを理事会で承認いただいた。18年秋にスタートすることを目指します。

松下 ここまで6年半くらい検討してきて、ようやくここまで来ました。今までプロリーグという名称にこだわってきましたが、そこにこだわらずに、クラブを支えるのは地域であり、自治体、企業だと思う。
 実際には女子チームはトップはクラスはほとんどプロのようにやっています、企業が本気度を出してやってもらえば、日本はヨーロッパ型のクラブと日本型の企業が支えるクラブがある。32万人という卓球の人口(登録人口)を取り込むようになれば卓球は盛り上がっていく。新しい形のリーグのほうが盛り上がる。
 卓球はたとえばドイツの「オクセンハオゼン」のような人口3千人の小さな町や村でもクラブを持ち、トップを張れる。そういう部分を生かすのはTリーグのような組織がよいし、卓球を発展させることができるし、そういう方向性が今日決まってホッとしています。

 日本リーグとの協調してやっていくために「プロ」という文言を削除した経緯はあるのだろうが、結果的に、地域密着型のクラブを作っていくのなら別に「プロ」にこだわらないほうが良い。
 来年3月の社団法人を立ち上げで、本格的に進んでいくことを願うばかりだ。(今野)
  • 会見での星野一朗専務理事(左)と松下浩二室長

 日本卓球協会の中で「新リーグ」を語るべきことは何だろうか。
 それは細かな手続きのことなのだろうか、失敗したらどうするのかというネガティブ議論なのだろうか。
 誰が、明るい卓球界の将来を語ってくれるのだろうか。それは会長なのか、専務理事なのか、地方の理事の方たちなのだろうか・・・。将来を語らない理事会こそが危機そのものである。

 現在の卓球には、サッカーがJリーグを作った頃のようなマイナス要因がない。世界選手権でも2000年以降徐々に成績を上げていった。有望な若手も出現してきた。現場の指導者には、「今日本はうまくいっているのだから新リーグなどで変える必要はない。ましてやトップ選手のスケジュールはきつすぎて、試合を組めないのでは」という見方もある。
 
 サッカーのJリーグを創設させる時に危機感を抱いたサッカー日本リーグの関係者が中心となったが、卓球はそうではないことだ。逆に、傍目には日本リーグは新リーグに反対しているようにも見えてしまう(実際にはそうではないと思うが)。
 新リーグができたら、日本リーグの存在意義が問われてしまうし、日本リーグから離れて新リーグに参戦して、日本リーグが将来無くなってしまうことを危惧しているのかもしれない。
 新リーグの準備室と日本リーグ側の話は遅々と進んでいない。それなら別々の組織としてスタートさせるしかないだろう。時間は待ってくれないのだ。それぞれが卓球界の中でリーグ活性化のためにアイデアを出せばいいのだろう。
 日本リーグを取り込むための新リーグでもないし、一緒にやらなければスタートできない性質のものでもないからだ。これ以上、無駄な時間を費やす必要性はない。

 協会関係者、そして我々専門メディアも、1年後や2年後、ましてや東京五輪までだけを語るべきではない。今の子どもたちが大人になった時、これから卓球を始める子どもたちのために10年後、20年後、30年後の日本で、卓球がさらにメジャーなスポーツとなっていくことが語るべき構想ではないのか。

 リオ五輪で卓球が大いに注目され、今のタイミングを逃すのは愚かではあるが、かと言って、この新リーグは1年、2年のブームで終わらせるものではない。東京五輪が終わっても、その後、10年、20年、と継続させていく、日本卓球界の裾野を広げるためのプロジェクトなのだ。  (今野)