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 関係者の話では、ヨーロッパ選手権の期間中に開かれたFIT(国際卓球用具連盟)の会議で、来年7月から使用されると言われているプラスチックボールが話し合われ、紛糾したとのこと。

 プラスチックボールに関しては、以前からドクター・クーンと彼の近親者による特許問題が取りざたされていた。クーン氏はITTF(国際卓球連盟)の用具委員会のメンバーで、その近親者の名前で特許出願をしていたことから、プラスチックボール製造に関しては様々な情報が卓球メーカーの中で飛び交っていた。
 プラスチックボールを使用すると発表したITTFだが、その用具委員会のメンバーが近親者を使ってすでにプラスチックボールの特許を押さえていた。「メーカーがボールを製造しようとした場合、クーン氏の近親者に特許料を払うのか?」という「インサイダー疑惑」を想像してしまう内容だ。

 ITTFは「プラスチックボールに関して、特許は気にしないでくれ。クーン氏やその近親者にお金を払う必要はない」と発表しているものの、クーン氏側も弁護士を立て、法廷闘争を辞さない構えなのだ。
 卓球メーカーも、中国メーカーを中心に開発が進められ、ヨーロッパメーカーや一部の日本メーカーなどは中国でのOEM(相手先ブランドの委託製造)を視野に入れているものの、「作ったはいいが、販売して訴えられたらたまらない」(関係者)という状況のために躊躇(ちゅうちょ)しているのが現状だ。
 
 さらにそのFIT会議の席上で、日本卓球(株)(ニッタク)から「我々も特許を申請する」という発言も飛び出した。これはクーン氏の特許とは別の出願とも言われ、出席者も驚きを隠せなかったと言う。
 10月7日に記者会見を開き、すでにラージボールのプラスチックボールを発表したニッタク。その仕上がりはさすがボールの老舗メーカーとも言えるハイレベルなものだった。「プラスチックの40mmボールもITTFに公認を申請中」(ニッタク)。プラスチックのラージボールを目にしたら、40mmボールでもニッタクがリードするかも、と思わせるできばえだった。
 
 FITメンバーは近日中にITTFのシャララ会長と「プラスチックボールの特許問題」について話し合いを持つと言われている。プラスチックボールの特許問題は丁々発止のやりとりを迎え、目が離せない状況となっている。