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欧州リポート

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 現在、2009-2010シーズンを消化中のドイツ・ブンデスリーガ男子。男子1部では世界ランキングの上位選手と、各国のジュニアのトップ選手がしのぎを削っているが、男子2部に目を向けると、「おや?」という選手の名前を見つけることができる。中には「マスターズリーグか?」という顔ぶれのクラブもあるのだ。
 少々マニアックになりますが、男子2部で現在もプレーする、往年の名プレーヤーたちをちょっとご紹介しましょう。まずは、90年代後半~2000年代にかけて活躍した選手たち。この年代はまだまだ元気で、各クラブの1・2番手でプレーしている。

★馮哲(2部南部:フルダ・マーバーツェル2/中国→ブルガリア)
★ミロスラフ・ビンダッチ(2部北部:ベルリン/チェコ)
★ゲイル・エルランセン(2部南部:グランウェッタースバッハ/ノルウェー)


 …ややマイナーな選手が多い。馮哲は95年世界選手権で劉南奎(韓国)を破り、注目を浴びた右ペンドライブ型。99年世界選手権では混合複で銀メダルを獲得している。ビンダッチはしゃがみ込むように出すフォアのブツ切りサービスが武器で、世界のトップ選手がツッツキでミスを連発するほど猛回転のサービスだった。エルランセンは93年から世界選手権に12大会連続で出場した、ノルウェーを代表する名プレーヤーだ。続いて80年代後半~90年代前半は…。

★アンドラス・ポドピンカ(2部南部:ヒルポルトスタイン/ベルギー)
★ゲオルグ・ベーム(2部北部:ハーゲン/ドイツ)
★カール・プリーン(2部北部:ハーゲン/イングランド)
★ワン・ヤンシェン(2部北部:ジーク/ノルウェー)


 90年代、ヨーロッパ卓球の黄金期を支えた渋い脇役が並ぶ。ハンガリーの名選手・クランパの甥(おい)であるポドピンカは、93年世界選手権では王涛(中国)を破ってベスト8。ベームは鉄壁の前陣両ハンド攻守で、ワルドナー(スウェーデン)らと壮絶なラリー戦を繰り広げた。プリーンはバックツブ高のシェーク異質攻守型という異色のプレースタイル。同じくバックツブ高、カット主戦型の陳新華やサイドが活躍した「ツブ高王国」イングランドは、92年ヨーロッパ選手権団体2位など、欧州を代表する強豪チームだった。
 最後に真打ち登場、70年代~80年代前半にプレーした選手たちは…?

★ミラン・オーロスキー(2部南部:ミュールハオゼン/チェコ)
★インドリッチ・パンスキー(2部南部:ミュールハオゼン/チェコ)


 オールドファンが泣いて喜ぶ、旧チェコスロバキアの両雄が同じクラブでプレーしている。パンスキーは1960年7月30日生まれの49歳、そしてなんとオーロスキーは、1952年9月7日生まれの57歳(!)。
 85年世界選手権でペアを組み、男子複2位のこのふたり。71・73年世界選手権ベスト8のオーロスキーは、69年ミュンヘン大会で世界選手権に初出場というから驚く。しかもこの2人が所属しているミュールハオゼンは、5勝0敗(10月29日現在)で2部南部のトップを快走。4番手のパンスキーは4勝6敗、そして6番手のオーロスキーは8勝0敗の好成績を挙げている。日本で言えば、河野満さんと小野誠治さんが日本リーグの2部でバリバリやっているようなものか…。恐るべし、ブンデスリーガ2部。ちなみに女子2部にも、83・85年世界選手権ベスト16のオルガ・ネメスや、94年ヨーロッパトップ12優勝の名チョッパー、ジィ・ショップらが在籍している。

Photo左:独特な異質反転プレーで、日本のツブ高使用者にカリスマ的な(?)人気を誇ったプリーン。写真は94年ヨーロッパ選手権なので、もう14年も前のものですが…
Photo右:05年上海大会での馮哲のプレー