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 土曜日に終わったジャパントップ12。男子は大本命の水谷隼が吉田雅己が敗れる波乱があった。本誌の最新号のインタビューでも「日本でのんびりやっている選手には負けたくない。日本では満足できない」と語った水谷。その水谷に勝ったのは、ブンデスリーガに単身乗り込み、ドイツのタフなプロリーグで大きく勝ち越している吉田だった。試合後、水谷は「最終ゲーム5−3でリードして、逆転されてから集中力が落ちてしまい、凡ミスが出た。吉田はコース取りが他の日本選手と違ってうまい。特にストレート。最終ゲームはフォアにボールを集めたが、それにもしっかりと対応してきた」と語った。
 一方の吉田は勝利したその日の夜のインタビュー(3月発売号)で水谷に勝ったことには「ブンデスリーガでプレーしているので、前よりも名前負けしなくなりました」とコメントした。公式戦では初めてという水谷対吉田雅己。初対戦には滅法強い水谷だが、この日は堂々と正面突破を計った吉田をほめるべきだろう。
 ちなみに神巧也に聞いた裏話。試合当日の朝、選手は会場(代々木第二体育館)に8時半集合だったのだが、時差ぼけのためか吉田は前の晩、ドイツからの直行で東京入り。ホテルで目が覚めたのが8時6分だった。飛び起きてタクシーを飛ばしたという「さすが雅己は大物だ」と先輩の神は笑う。

 その吉田を破り、決勝では吉村真晴を下し初優勝したのは吉田と同郷の北海道生まれで、同期の丹羽孝希。相変わらずの脱力系の天才プレーを随所に見せた。特に、チキータに行く構えから、ボールの左横下を思いきり薄く切るカットレシーブを見せた。相手としてはチキータなのかカットレシーブが来るのかわからない。丹羽らしい創造的な卓球を見せての優勝だった。

 女子は全日本選手権の5回戦で敗れた元全日本チャンピオンの平野早矢香が、現チャンピオンの石川佳純と対決。世界レベルのラリー戦を制した平野が7年ぶりの優勝。この二人は全日本選手権で女子ダブルスでペアを組み優勝。しかし、大会直後に発表された日本代表のダブルスでは代表から外された。平野の母体のミキハウスは日本卓球協会に抗議し、一部のマスコミが取り上げるニュースとなった。
 今年9月に発表される世界ランキングで来年のリオ五輪の代表メンバーがほぼ決まると言われている。現時点で世界ランキングでの3番手の平野は有力候補の一人だが、若手や中堅の選手が下から追い上げている。国内大会とはいえ、世界4位の石川を堂々たる試合で下した内容と結果は平野の存在を大いにアピールしすることになった。 (今野)
  • 久しぶりに存在感を見せた平野早矢香

  • ブンデスリーガでの実力を見せた

  • 創造的なプレーで相手を翻弄した丹羽孝希