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 日本卓球協会の加盟団体である日本肢体不自由者卓球協会が、株式会社ジェイティービー九州(以下:JTB九州)および長崎県平戸市とスポンサー契約を締結した。
 株式会社JTB九州は、世界選手権蘇州大会代表の松平健太選手も所属する国内最大の旅行会社JTBのグループ企業。そして長崎県平戸市とのユニホームスポンサーの契約は、地方自治体が競技団体のスポンサーになるという、非常に珍しい例。国際大会派遣選手である立石アルファ裕一選手の弟で、今回のスポンサー契約締結に尽力した立石イオタ良二さん(08年全日本男子複ベスト8)は、「地方自治体が障害者スポーツの日本代表の公式スポンサーになったのは日本初です。障害者スポーツに限らず、日本スポーツ界においても初めてではないでしょうか」と語る。これはひとつの快挙だ。

 「現在の日本では卓球に限らず、パラスポーツ全般への援助・理解があまりにも乏しいのが現状です。そのような中で、国内屈指の企業でもある株式会社JTB九州様と公式スポンサー契約を締結したことは、日本障害者卓球界において非常に有り難いことであり、2020東京パラリンピックに向けて大きな大きな一歩となったことを確信しています。
 また同じくスポンサー契約を締結した長崎県・平戸市については、『ふるさと納税率日本一』という顔を持ち、全国的にも注目されています。米・ニューヨークタイムズ、英・エコノミストの取材が入る等、今や世界からも注目を浴びている市で、そのような地方自治体とスポンサー契約を結べたことは、障害者卓球界に様々な意味をもたらしてくれるでしょう」(立石さん)

 2000年シドニーパラリンピックでクラス3(車いす)の藤原佐登子選手が銀メダル、クラス7(立位)の工藤恭子選手が銅メダルを獲得するなど、肢体不自由の選手たちはオリンピックよりも先に日本にメダルをもたらした。しかし現在では、パラリンピック出場さえも危うい状況が続いている。来年1月の世界ランキングでリオパラリンピックの出場選手が決まるため、複数の国際大会に出場して世界ランキングを上げなければならないが、遠征費はすべて自腹。監督もドクターも通訳もいない中、選手たちは必死で戦っている。一方、中国やヨーロッパの強豪国は、年間の遠征費を国が援助し、トップ選手はプロとして生活している人がほとんどだという。

 現在、ヨーロッパでの国際大会を転戦している肢体不自由の国際大会派遣選手団は、ドイツ・デュッセルドルフのナショナルトレーニングセンターで合宿を行っている。5月26日からドイツ・バイロイトで行われる、ITTFパラ・ドイツオープンでの吉報に期待したい(柳澤)。

★日本肢体不自由者卓球協会・公式ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/para/tabletennis/
  • ITTFパラ・スロバキアオープンでの国際大会派遣選手団(提供:立石イオタ良二さん)