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 2月17日、ドイツの新聞(WEB版)『フランクフルター・アルゲマイナ』のインタビューに応じた卓球界のスーパースター、ティモ・ボルの発言が波紋を呼んでいる。

「卓球界のドーピング」というようなショッキングな見出しで、馬龍(写真)の写真を掲載しながらも、中国選手は不正なブースター(オイル系スピード補助剤)を使用しているから試合で有利になる、トップ選手の80%ほどの選手はブースターを使用している、というコメントを掲載している。
 その後、他のメディアもこの話題を取り上げ、ドイツの卓球界は揺れている。しかも、国際卓球連盟(ITTF)の会長は前ドイツ卓球協会会長のトーマス・バイカート氏。会長もいきなりボルに攻撃を受けているように感じているらしい。
 
 またドイツのレーゲンスブルク大学のモッツマン教授がブースターを検査する方法を開発したと報道している。これは事前に公認ラバーの粘弾性を計測しておき、「ラバーの指紋」としてデータ管理し、試合で選手が使用した後に計測すれば、もしブースターを塗ったラバーの場合は「指紋」と違うデータが検出されるというものだ。
 ドイツ国内では大きなニュースになっており、一般の人が知らなかったブースターの存在が明らかになり、「卓球の用具にもドーピング?」というニュースが流れることはマイナスイメージだ。また国際オリンピック委員会(IOC)の会長はドイツ人のトーマス・バッハ氏。もしIOCが「卓球用具のドーピング」に目を向けるようになれば、ITTFも対応策を講じる必要があるだろう。

 日本では、12年ロンドン五輪の後に水谷隼が「ブースター問題が解決しなければ、国際大会には出場しない」という行動を取った。今回のボルの発言は、「何を今さら」という感がある。ドイツ国内でも「ブースター問題は以前からあったことなのに、なぜ今ボルが公表したんだ」という疑問が沸き起こっている。
 ITTFは2月28日から始まる世界選手権期間中の会議でもこのブースター問題を議論することになるだろう。  (今野)

  • ドイツの新聞でブースター問題に言及したボル

  • 中国の許シンのラケット。ラバーの表面が尋常ではない