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 1年前の国際卓球連盟(ITTF)年次総会で、香港卓球協会から「ラケット素材の自由化」を提議されたが、僅差で否決となった。1年後の今回の総会(5月31日)では香港協会と韓国協会の共同提案としてほぼ同じ内容で提案されることになっている。

 100年以上の歴史を持つ卓球競技の中で、ラケットは一貫して木材で作られてきた。ルール上も85%以上が木材でなければいけない。

 僅差だった前回の総会の状況を考えれば、今回は可決される可能性もある。しかも、総会には、卓球メーカー、卓球市場の影響を受けない協会の出席ほうが圧倒的に多いために、素材自由化になった時の影響力を推し量ることができない協会が「ラケット素材自由化」に一票を投じることは容易に想像できる。

 素材自由化でもっとも影響を受ける卓球メーカーで構成される団体FIT(国際卓球メーカー連盟)が調査グループを作り、総会での判断材料として呼びかけていく予定だ。

 主なFITの主旨は以下の通り。
・十分な話し合いや、自由化になった時の影響を検証せずに承認されることを懸念。科学的な、客観的な実験の実施が必要
・ラケットの選手のプレーに大きく影響を与える。素材の規制がなくなった時の不公平さ、際限なくカスタマイズされることが競技の結果に大きな影響を与えることを懸念
・スポーツの本質である技術や身体能力の競争ではなく、ラケットの競争になることを懸念
・卓球メーカーは開発費と製造費に巨額の費用が必要。ラケットの値段も今より高くなり、使用後のラケットの環境問題も生まれる
・環境面から見ても、卓球業界での木材の消費量は、世界の消費量の0.002%以下である

 以上のような内容となっているが、FITの主張が総会で理解されるか微妙なところだ。

  • こんなカーボン100%のラケットが登場するのだろうか(写真はキラースピン製)