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 ドイツのオクセンハウゼンにあるLMC(マスターカレッジ)でスポーツディレクターをするミッシェル・ブロンデル氏。つまり、LMCの方向性や選手の育成法を取り仕切る重要人物だ。
 日本通でも有名なコーチで、ヨーロッパチャンピオンのクラブチーム『ルバロワ』で10年間コーチをして、その後、フランス卓球協会のナショナルチームを12年間コーチしてきた人物だ。

 彼は日本の村松雄斗(オクセンハウゼンとLMCに所属。日本では東京アートに所属)を高く評価してこう言った。
 「ぼくらはユウト(村松)自身がその情熱がキープできるなら、彼はもっと強くなると信じている。もし彼が日本ではなく、ヨーロッパの国に来たら、どの国でもNo.1になるほどのポテンシャルを持っている。まだ21歳で、カットマンならチャンスは多い。
 日本の人に知ってもらいたい。ユウトの才能やレベルはこれから20年間は出てこないほど、彼は逸材なのだ。もちろん、日本には若い張本も出てきて、タフな競争があるのは知っている。
 彼には自分の才能を信じ、もっと自信を持ってほしいし、ぼくらは彼をとても大切に考えている」

 確かに、日本には村松レベルの才能ある選手が10名近くいて、彼自身が激しい競争を勝ち抜いていかなくてはならない厳しい現実がある。ブロンデル氏の言葉はある意味、日本のレベルの高さや、いつ振るい落とされるかわからないトップ選手の苦しい部分を表しているとも言える。

 LMCには20人の選手がいて、7人のコーチが教えている。ほとんどが他国から来ている選手で、語学の先生もつけるなど、若手選手への教育を施している。彼らは数少ないダイヤモンドを日々磨いているのだ。実際に村松の英語力もアップし、口数は少ないながらも、コミュニケーションがしっかり取れている。「ユウトはクレバーな選手」とスタッフは口々に言う。

 取材した夜、彼らスタッフと食事をした。3時間の食事の中で、彼らは誰かの悪口を言うでもなく、真剣に所属する選手たちのことを話し合っていた。選手たちの良い部分を挙げながら、どうしたら選手たちが強くなるのかを話しているのだ。
 それはなぜか新鮮で、卓球のプロコーチと話をして、久しぶりに熱くなる思いだった。  (今野)

  • 若いときに日本でコーチ修行をしたミッシェル・ブロンデル

  • LMCで練習に励む村松雄斗