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 来週に23歳を迎える世界ランク13位のシモン・ゴーズィ。南フランスで生まれた卓球少年は12歳の時に、フランスナショナルチームのミッシェル・ブロンデルコーチに見いだされ、700キロも離れたパリのインセップ(フランス・ナショナルトレーニングセンター)に移った。

 ブロンデルコーチがナショナルチームを辞めたあと、彼は後を追うようにドイツのオクセンハウゼンでプレーし、LMC(マスターカレッジ)で練習をするようになる。フランス人がドイツに住むのは我々が想像する以上に厳しい。生活様式が相当に違うからだ。もちろん言葉の問題もある。過去に、ブンデスリーガでプレーしたレグーやエロワというフランス代表選手もそこに苦しみ、良い成績をあげずにフランスに帰っていた。

「最初の1年間はつらかった。パリでのナイトライフ、楽しい自由時間が恋しかったよ」とゴーズィは笑う。
「でも、オクセンハウゼンは卓球に集中できる場所だったから良かった。それに彼女(ジェシカ・コー)もできて、彼女に助けてもらっている。ミッシェル(・ブロンデル)はぼくにとって、2番目のお父さんのような存在で、いつもいろいろ話をして、前に進んでいるんだ」

 昨年のヨーロッパ選手権でも決勝に進んだ。今年のヨーロッパカップでも2位。この1年間のワールドツアーでもコンスタントな成績を残し、世界ランキングを13位まで上げた。

 実は彼とは10年前、2007年に会っていた。今回、インタビューの前に「一番最初に会ったのいつか知ってる?」と聞いたら、「もちろん!」と返事が来た。
 アメリカのパロアルトの世界ジュニア選手権の最終日。旧知の仲とミッシェル・ブロンデルと寿司を食べに行った。ほかにもフランスコーチが数人いたが、そこに当時13歳のゴーズィがちょこんと座っていた。
「本当はぼくはさよならパーティーに行きたかったんだ。そうしたら、ミッシェルが『シモンには早すぎる。危険だ。だから今野さんとご飯に行くから一緒に行くぞ』と言われたんだよ。つまんなかったから良く覚えているよ」と笑いながら、インタビューは始まった。
 13歳にしてパーティ好きのゴーズィ。何とも愉快で、でも人間的に興味深い選手だ。「卓球選手には絶対ワンチャンスがある。それをビッグゲームでつかんでみせる。世界選手権とか五輪でね。特に2020年に賭けているんだ」と真剣な顔で彼は答えた。

 人口9000人、フランスから遠く離れた小さな村で、ゴーズィは練習に励んでいる。 (今野)

*近く卓球王国でゴーズィのインタビューを掲載します

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