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平成24年度全日本選手権大会

●男子シングルス1回戦

藤原(昇陽高教員) 5、-8、8、-8、8 齋藤(埼玉工業大職員)

 「本当に残念、そのひと言です」。男子シングルス1回戦で敗れた齋藤は、会見で開口一番、そう切り出した。「心の中では、今回の全日本が最後だと決めてきました」

 対戦相手の藤原は打球点の高い両ハンドドライブを放つ右シェークドライブ型。打球点の差は一目瞭然。齋藤にかつての豪打の面影はなく、得意のバックサービスも効かない。それでもサービスをフォアサービスに切り替え、緩急をつけたドライブと的確な読みで、ゲームオールまで持ち込んだのはキングの意地か。

「普段の練習の力が発揮できない。練習と試合とのギャップの差が大きくて、何でだろうなと…。全国教職員大会で優勝して、推薦とって出場できたけど、県予選に出てまで全日本を目指すつもりはない。県予選に出たら通るチャンスもあるかもしれないけど、若い選手たちの枠をひとつ減らしてまで、全日本に出るつもりはありません。
 1月1日だけ休んで、今回はしっかり練習をやり込んできたけど、3日前に少し張り切って1時間早く練習を始めたら、左の太ももを傷めてしまった。今回は調子は悪くなかったけど、卓球の調子が良くてもどこかにケガが出てきてしまう。体は丈夫だと思っていたので、ショックですね」

 齋藤のベンチには明治大時代の恩師・四ヶ所喜太郎氏が入り、「ここはお前が83年世界選手権でベスト8に入ったところだ。今日は勝ちにいこう」と試合前に言われたことを明かした齋藤。途中から涙も見せた会見を、「本当にありがとうございました」と深々とお辞儀をして締めくくった。