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平成24年度全日本選手権大会

●女子シングルス4回戦
前瀧(初)(正智深谷高) 7、7、5、7 平野(ミキハウス)
平(正智深谷高) 9、−9、8、1、6 石垣(日本生命)

 これが卓球の恐ろしさか。ロンドン五輪女子代表で有力な優勝候補のひとりだった平野早矢香が、高校2年生の前瀧に完敗を喫した。バック表ソフトの異質攻撃型である前瀧は、よく切れたバックのロングサービスを平野のバックに集め、平野が持ち上げてきたところを強烈なバックハンドで叩く。平野はまったくペースがつかめないまま、あれよあれよという間に4ゲームを連取されてしまった。
 平野のバックサイドのレシーブに回り込みが少なく、バックドライブが中心であること、初戦でまだ調子が上がっていないことに加え、平野のボールが前瀧のバック強打にピタリと合ってしまった。「ボールが合う」という表現はあるが、インターハイベスト32の前瀧が五輪代表に勝つとは…。「魔の4回戦」にしても、あまりに衝撃的なシナリオだ。

 「4ゲーム目の後半になってようやく調子が出てきたんですが、相手がこちらのボールに合ってしまった。まだ試合が終わったばかりで、戦術的な部分は整理できていません。ミキハウスに入ってからは、初戦負けは初めてだと思います」と試合後の平野。
 一方、大金星の前瀧は「ビックリです」となかなか言葉が出ない様子。「この大会で平野さんに当たれればいいなと思っていた。一般の出場は初めてなので、思い切ってやりました」と試合を振り返った。

 また、昨年の世界団体選手権の代表である石垣優香も、同じ正智深谷高の平侑里香に敗れた。チームメイトにインターハイ3位のカットの池上がいる平は、カットを打ち慣れている様子。「粘るしかない。慌てずに長くラリーを続けようと思った」という言葉どおりの落ち着いたプレーで、こちらも金星を挙げている。

写真は左上から時計回りに、苦戦に表情が曇る平野、強烈なバック表ソフトの強打を見せた前瀧、平に敗れた石垣