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中国リポート

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 世界選手権個人戦デュッセルドルフ大会の中国代表選考会、「地表最強12人(地上最強の12人」直通選抜の女子第2ステージ。第1ステージで代表権を獲得した劉詩ウェンの代わりに車暁㬢を加えた12名で、世界選手権への2枚目の切符を争い、第1ステージ2位の丁寧が代表権を獲得した。結果は下記のとおり。

〈女子〉
●予選リーグ
[グループA]◎1回戦

陳夢 2ー1 武楊
木子 2ー1 袁雪ジャオ
◎決定戦 陳夢 2ー1 木子
[グループB]◎1回戦
丁寧 2ー0 顧玉ティン
王曼昱 2ー1 陳可
◎決定戦 丁寧 2ー0 王曼昱
[グループC]◎1回戦
馮亜蘭 2ー0 車暁㬢
朱雨玲 2ー0 李佳イ
◎決定戦 馮亜蘭 2ー0 朱雨玲

●決勝リーグ
丁寧 9、7 陳夢
陳夢 ー6、12、2 馮亜蘭
丁寧 ー4、8、9 馮亜蘭
★丁寧が2人目の代表権獲得!

 「順当」といえる丁寧の代表権獲得だが、組み合わせは決して楽ではなかった。昨シーズンのスーパーリーグで2連敗を喫し、今回の第1ステージでも1ゲームを先取されて敗戦の瀬戸際まで追い詰められた王曼昱が、同じBグループに入ってきたからだ。ともに黒龍江省出身、171cmの丁寧と176cmの王曼昱。丁寧はこの難関を2−0で乗り切り、決勝リーグに進出。陳夢と馮亜蘭を連破して代表権を手にした。

 決勝リーグで随一の激戦となったのは、丁寧対馮亜蘭戦。第3ゲーム、丁寧の10−4のマッチポイントから馮亜蘭が10−8まで挽回し、次の一本で中陣でのパワードライブの応酬から、フォアに大きく振られた後、バックサイドへの返球を左手に持ち替えてフォアドライブ。これが丁寧のフォアサイドを切って決まり、「何が起こったの?」と呆然とする丁寧。最後は馮亜蘭のフォアドライブがオーバーミスとなり、丁寧が際どく接戦をものにしたが、馮亜蘭の「ハンドスイッチショット」はITTF(国際卓球連盟)のニュースにも取り上げられるなど、大いに注目を集めた。劉国梁総監督も「馬龍や張継科にも打てないショットだよ!」と賞賛している。

 丁寧と同様、一部の女性ファンから「タカラヅカ」的な人気を集める馮亜蘭。勝利を決めると観客の拍手をあおる豪快なパフォーマンスを見せ、それが少しも嫌味(いやみ)がない。丁寧・劉詩ウェンと同世代で国際大会ではチャンスに恵まれていないが、男子の張継科のように、人の目を惹き付ける魅力のある選手だと思う。黒のアンダーウェアを着ているのでわからないが、上半身の至るところにタトゥー(入れ墨)を入れており、その派手さは張継科の比ではない。その一方で、チームメイトの李暁霞からは「気の弱い性格で、昔は試合で負けた時にはいつも『ひとりカラオケ』でストレスを発散していた」と暴露されている。

 劉詩ウェンと丁寧が順当に代表権を獲得し、中国女子のシングルスの出場枠は残り3つ。朱雨玲と陳夢、そして将来性を評価して王曼昱というのが規定路線か。それとも今回の選考会で健闘した馮亜蘭にラストチャンスを与えるか?
  • 中国女子の代表第2号となった丁寧(写真は16年荻村杯)

  • 惜しくも第2ステージ2位の馮亜蘭、15年スーパーリーグプレーオフでのパフォーマンス