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中国リポート

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 2月9~10日、韓国では北京五輪アジア大陸予選に出場する、男女各1名の選手の選考リーグが行われた。という訳で、今回は中国リポートならぬ韓国リポート。男子と女子、2回に分けてその結果をお伝えしよう。
 男子選考リーグの出場選手、および成績は以下のとおりだ。

[男子選考リーグ結果] ※柳承敏・呉尚垠はすでに自動出場枠獲得
1.尹在栄(5勝2敗)
2.李廷佑(4勝3敗)
3.朱世赫(4勝3敗)
4.鄭栄植(4勝3敗)
5.金延勲(4勝3敗)
6.趙彦来(3勝4敗)
7.李鎮権(3勝4敗)
8.趙志燻(1勝6敗)
9.李政三(棄権)

 大混戦の男子は、世界選手権広州大会の代表にも入っていない尹在栄(ユン・ジェヨン)が5勝2敗で1位通過。07年世界選手権ベスト8の朱世赫、06年世界選手権団体準優勝メンバーの李廷佑が五輪出場の道を閉ざされるという、予想外の結果となった。
 尹在栄は1983年2月5日生まれの25歳、世界ランキング62位の左シェーク両面裏ソフトドライブ型。一昨年のフォルクスワーゲンオープン荻村杯で彼のプレーを見たが、威力満点の両ハンド強打に加え、素早い回り込みから炸裂させるシュートドライブは切れ味鋭い。07年アジア選手権では蒋澎龍(チャイニーズタイペイ)を破ってベスト8に入っており、選考リーグでは朱世赫を4-1、李廷佑を4-2で破った。

 現在、大韓卓球協会は執行部内の混乱が続いている。過去の実績や対外成績が評価されず、広州大会に続いて五輪予選も選考リーグが開催されたのは、その混乱の中で平等な選手選考を図る苦肉の策だ。
 朱世赫のダイナミックなプレーが北京五輪で見られないのは残念だが、韓国男子チームにとってはメリットもある。北京五輪は4単1複の試合方式。すでに五輪出場を決めている柳承敏、呉尚垠は朱世赫とはダブルスが組みづらい。左シェーク攻撃型で爆発力のある尹在栄のほうが、意外性があり、またダブルスを組ませやすい面もある。

 もっとも、ダブルスのペアリングなら李廷佑を選んだほうがベターだし、各国の強豪選手にとっても、朱世赫の存在はやはり脅威だったはず。まずは尹在栄が、3月のアジア大陸予選を通過できるかどうかに注目が集まる。そして尹在栄が予選落ちを喫した場合、団体戦にのみ出場する3番目の選手を韓国は再び選出しなければならない(この選手はシングルスには出場できない)。煩悶を続けるアジアの虎が、再び吠える日は来るのか。

Photo:ビッグチャンスを掴んだか、尹在栄
Photo:朱世赫、慣れられているチームメイトとの対戦に沈む