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中国リポート

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  北京五輪・卓球競技の女子シングルス3回戦。日本女子のエース福原愛は、ドイツのベテラン・シャールとの対戦が予想されていたが、そのシャールを4-2で破ったフー・メレク(トルコ)が勝ち上がってきた。このフーとはどういう選手なのか。筆者も実際にプレーを見たことはないが、現時点で判明している情報を速報でお伝えしたい。

 フー・メレクは中国名:侯美玲(ホウ・メイリン)。現在の世界ランキングは80位、トルコから卓球の五輪代表となった初めての女子選手だ。年齢は中国超級リーグのホームページでは1990年1月27日生まれ、ITTFの北京五輪ページのバイオグラフィーでは1989年1月27日生まれ、また別の中国のホームページでは現在21歳とも…。年齢不詳だが、福原とは同い年くらいだろう。
 戦型は右シェークフォア裏ソフト・バック表ソフト速攻型で、遼寧省出身の選手。顔立ちもいかにも(中国の)東北部あたりの女の子という感じだ。昨年の超級リーグでは出場機会こそなかったが、遼寧鞍鋼の4番手として登録されている。福原が参戦した2005年のシーズンにはチームメイトではなかったが、福原はずっと遼寧省チームで練習を積んでいるだけに、お互い手のうちはよく知っているはずだ。

 フーは4月の五輪ヨーロッパ大陸予選では無敗で代表の座を獲得、カット主戦型のガニナ(ロシア)を4-1、シェーク速攻型のパスカウスキーン(リトアニア)を4-0で圧倒しており、かなりの実力の持ち主。ただし、福原は今年5月のITTFプロツアー・フォルクスワーゲンオープン韓国大会でフーと対戦し、4-0のストレートで勝利している。バック表の速攻型に対して、福原はバック対バックの打ち合いになってしまう傾向があるが、勝負所ではしっかりフォアを使って攻めたい。

 現在トルコ卓球チームを率いるのは、もともと陜西(せんせい)省チームのコーチで、1993年にトルコに渡った姜超監督。トルコ代表というと、長く世界の中堅で活躍したグルハン・ヤルディスという選手を思い出すが、現在はこのフー・メレクや男子のセム・ツォン(鄭長弓/03年世界ジュニア3位)、04年ヨーロッパユース選手権カデット優勝のジャン・パンフェイ(姜鵬飛)など、中国系選手が目立って増えている。ジャン・パンフェイは姜超監督の息子さんだ。

 福原愛 vs. フーの一戦は日本時間16:00にスタート。福原、勝利すれば4回戦で世界女王・張怡寧との対戦となる。


Photo上:ちょっと太めのフー・メレク選手。
※写真提供:ITTF
Photo中:05年全中国運動会ではダブルスでベスト8。右はペアを組んだ文佳
Photo下:同じく全中国運動会のダブルス。奇しくも福原愛の仮想選手・王シュアン(王+旋/手前右)のペアと対戦していた