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中国リポート

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 12月2日、国家体育総局卓球・バドミントン管理センターの李振国副主任は、ロンドン五輪のエントリー候補選手10名(男子5名・女子5名)を発表した。
 すでに世界ランキングによる推薦出場者(王皓・張継科・李暁霞・郭炎)は決定しているのだから、「エントリー候補選手」などと持って回ったような言い方をしなくてもいいはずだが、「国家の代表は、常に国家が決定する」というのが中国の一貫した姿勢。推薦出場者を交替させることは考えにくいが、88年ソウル五輪に際して中国は、何智麗(当時世界ランキング1位)と戴麗麗を、陳静と李恵芬にエントリー変更している。「第二の何智麗」が現れないとも限らない。

 男子のエントリー候補5人は、王皓、張継科、馬龍、馬琳、許シン。国家男子チームが09年に発表した八大主力選手から、陳杞とハオ帥の両サウスポーが脱落し、そしてまたひとり脱落者が出た。世界選手権3回優勝の王励勤だ。
 「ノングルー時代を迎えてから、大力(王励勤)のプレーには目立った進化はない。同じプレースタイルの張継科、馬龍に比べても、王励勤は不利な立場に置かれている。王励勤と許シン、どちらを候補選手に入れるかということで、サウスポーでペンホルダーという特徴がある許シンを、2016年の五輪も見据えて候補選手とした」。候補選手の発表に際しての、劉国梁監督のコメントだ。

 候補選手の発表直後は「気持ちの準備はできていた」と言葉少なだった王励勤。五輪3大会に出場しながら、シングルスの金メダルはついに手にできなかった。「コーチ陣も彼の助けを必要としている。チームの兄貴分として、自らの経験を若い選手たちに伝えていってほしい。ぼくもかつては馬琳や劉国正を、そうやってサポートしてきたからね」(劉国梁)。劉国梁監督は王励勤に対し、今後も国家チームに残り、ゆくゆくは指導者としてチームを支えてほしいという考えを表明している。

 33歳のベテランの引退へのカウントダウンは、急に早まってしまったのか。ただし、交際相手と言われる女子アナウンサー・劉彦池との結婚は「2013年の全中国運動会が終わるまでは考えられない」と発言していることから、国内では2013年まで現役を続行する可能性が高い。候補選手が発表された翌日、若くして上海市卓球協会の副会長に選出された王励勤。元国際卓球連盟会長の徐寅生も、「自律と努力を長年積み重ねてきた彼は、若い選手にとっては他の誰にも代えがたい模範になるだろう」と賞賛している。

Photo:「将来のために大学での勉強もしっかりやりたい」と王励勤