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中国リポート

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 現在、JA全農世界卓球東京大会の選考会「直通東京」が進行中の中国国家チーム。少し前のニュースになるが、そのさなかである1月24日、国家女子チームの郭躍が国家チームのメンバーから外れ、遼寧省チームに戻されることを劉国梁総監督が発表した。
 国家女子チームの孔令輝監督は「我々は今、2016年のリオ五輪への準備を本格的にスタートさせつつある。もし郭躍が、首の故障を理由にしてしばしば練習から離脱するようなことがあれば、チーム全体の士気に影響してしまう」と発言。短期間のうちに国家チームに復帰する可能性は低いという。

 劉国梁総監督は、郭躍の国家チーム復帰の条件として、以下のふたつを挙げている。「タイトルへのモチベーションを取り戻し、積極的に練習に励み、誰からも『彼女は変わった』と言われるようになること。そして、よりハードで計画的な練習を行い、再び国家チーム内の競争に復帰し、その実力でコーチ陣の心を動かすこと」(出典『信息時報』)。この発言から推察すると、郭躍は首の故障よりも、その練習態度や卓球への取り組み方を問題視され、遼寧省チームに戻されたということになる。
 「彼女はすでにチーム内での競争から外れ、ピークも過ぎている。経験豊富で、五輪3大会に出場した実績もあるが、実際のところ、現在のチームは郭躍がいなくなっても、戦力的にほとんど影響はない」(劉国梁総監督)。

 これは国家チームから郭躍に突きつけられた、事実上の「戦力外通告」なのか。国家卓球チームに密着し、取材を続けているCCTV(中国中央電視台)の李武軍さんは、自身の微博(マイクロブログ)で「郭躍が国家チームを外されるなんて晴天の霹靂(へきれき)だ。彼女が国家チームでの競争力を失っているとは思えない」と述べている。李さんによれば、郭躍は「直通東京に出られるなら大いに暴れたい」と語っていたという。

 有望な若手が次々に登場する中国にあって、今年で26歳という年齢の郭躍。18歳で世界を制した天才少女が、再びその胸に五星紅旗をつける日は来るのだろうか。