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「Tリーグ初戦は勝たせていただきます」(水谷)。
「僕ら今バチバチなんで」(吉村)

 9月10日(月)から、宮城県塩釜市の塩釜ガス体育館にて、卓球男子ナショナルチームの合宿が始まった。14日(金)までの5日間の予定で、初日の10日、記者会見および公開練習が行われた。
 卓球の場合、ナショナルチームといっても、そのチームで何かの大会に出るわけではない。国内のトップ選手を集めて定期的に合宿をし、日本選手の国際競争力を向上させる、そのための器をナショナルチームと呼んでいるだけである。つまり、日本のトップ全員を集めたのがナショナルチームなのである。

 通常、ナショナルチームの合宿は、東京都北区にある「味の素ナショナルトレーニングセンター」で行われるが、選手のモチベーション向上や観客がいる中でプレーすることによる緊張感の付与、そしてファンサービスなどの目的で、遠隔地で行われる場合もある。今回の塩釜合宿はそのひとつだ。

 現在、男子ナショナルチームには9名の正規選手と23名の候補選手が名を連ねている。今回の合宿には、張本智和(15)、水谷隼(29)、吉村真晴(25)といった有名選手を含む正規選手8名と、候補選手3名の合計11名が参加している。
午後1時、小雨がちらつく中、到着したマイクロバスから選手たちが現れると、体育館の入り口で横断幕を持って待っていた子供たちや卓球ファンたちから歓声が上がった。

 間もなく行われた記者会見には、倉嶋洋介監督と上記3人の選手が参加した。取材陣は40名ほどだった。
 注目の水谷は、1ヶ月ほど前にアレルギー鼻炎のため鼻の手術をしたので、この合宿が1ヶ月ぶりの練習であり、もとの状態に戻すことが先決だと語った。

 会場に笑いが起こったのは、記者からの質問が10月に開幕するTリーグに及んだときだ。Tリーグへの参加は選手個人の判断によるが、結果として、ナショナルチームの9名全員が4つのチームに分かれて参戦することが決まっており、互いに敵同士になる。
『木下マイスター東京』として参戦する水谷が、隣の吉村を指しながら「初戦で対戦する『T.T彩たま』には勝たせていただきます」と言えば吉村が「見ての通り、僕ら今バチバチ(の緊張関係)なんで」と続けて笑いを誘った。
 
 水谷のスター性は今さら言うまでもないが、吉村のサービス精神にはいつも感心させられる。それは練習が始まってからも発揮された。観客席から「選手の皆さん、自己紹介お願いします!」という声が飛ぶと(練習中の選手に対してかなり無茶なリクエストではある)、すかさず吉村が練習を止めて直立し「『T.T彩たま』の吉村真晴です!よろしくお願いします!」と声を張り上げた。後に続く選手はなく、照れる吉村に満場の拍手と笑い声が起こった(その後、倉嶋監督がマイクを使って全員の紹介を行った)。
  • 宮城県のファン、そして大勢のマスコミが選手を迎えた

  • 会見でのNT男子。左から倉嶋監督、張本、水谷、吉村