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最終日のコートに立った平野美宇は無念、劉詩雯の執拗なフォア前へのサービスに対応できず。準決勝で敗退した。

1ゲーム目、平野は「対策を練ってきた」という言葉どおり、劉詩雯と互角の展開を見せる。しかし、2ゲーム目から劉詩雯はサービスの立ち位置を変え、ミドルから平野のフォア前に集めていき、流れは一気に劉詩雯へ傾いた。

このミドルからフォアへの巻き込みサービスに平野は体を入れることができず、チキータで打ち返せない。フォアフリックで持ち上げても次のボールを劉詩雯が狙ってくる。一発強打のフリックも見せたが、ミスも多かった。
後半はガツンと劉詩雯のバックへツッツキを送り、持ち上げさせてからの展開にして活路を見出そうとした平野。しかし、5ゲーム目の10−10で、劉詩雯はそのツッツキをしっかり回り込んでフォアドライブで打ち込み、勝負あり。女王の勝負勘が冴えた1本だった。

「2ゲーム目から相手のサービスが変わった時に対応できなかった」と敗退後に悔やんだ平野。
それにしても、2ゲーム目からは劉詩雯のサービスは徹底していた。まるで「あなたはこのサービスにどれくらいの種類のレシーブができるの?」と問うているかように、フォア前へ出し続けた。

その劉詩雯は決勝で孫穎莎と激戦を展開。序盤はスピードに押されて2ゲームを失うがそこから立て直し、3ゲームを連取。4ゲーム目からは孫穎莎のコースを完全に読み切り、ラリーで優位に立った。
しかし、そこから負けん気を発揮し、ギアを上げたのは孫穎莎。
パワーで押し切り、強打を打ち続けた孫穎莎が逆転勝利。彗星のごとく現れて優勝した17年大会に続き、2度目の優勝を果たした。

男子シングルスは準決勝で樊振東をフルゲームの末に破った許昕が優勝。
天才と称される林昀儒との対戦は注目を集めたが、さすがに経験値では許昕のほうが上だった。
林昀儒の必殺のサービスに戸惑う場面もあったが、要所で3球目攻撃を的確に決めた許昕が優勝をつかんだ。
負けはしたが、非凡な才能を見せた林昀儒。1年前とはまるで別人に成長し、まだまだ底が見えない。今大会は林高遠、孫聞というふたりの中国選手、そしてカルデラノにも勝利。五輪まであと1年ある。一気にメダル候補に名乗りを上げる気がしてならない。

大会日最終日の結果は以下の通り

●女子シングルス準決勝
孫穎莎(中国) −5、8、7、12、6 陳夢(中国)
劉詩雯(中国) −9、5、4、3、10 平野美宇

●女子シングルス決勝
孫穎莎(中国) 4、9、−4、−6、−7、8、3 劉詩雯(中国)

●男子シングルス準決勝
林昀儒(チャイニーズタイペイ) −6、2、4、9、4 孫聞(中国)
許昕(中国) −5、4、7、−5、−6、8、3 樊振東(中国)

●男子シングルス決勝
許昕(中国) 9、12、−8、3、8 林昀儒(チャイニーズタイペイ)

●女子ダブルス決勝
陳夢/劉詩雯(中国) 9、6、−7、9 孫穎莎/王曼昱(中国)

●男子ダブルス決勝
樊振東/許昕 10、9、7 ドゥダ/チウ(ドイツ)
  • 徹底的にフォア前を突かれた平野

  • 威力・スピードともに成長した孫穎莎が優勝

  • 曲がって跳ね上がる。許昕のドライブが唸る!

  • 恐ろしい存在になった林昀儒。日本にとっても怖い存在だ