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●男子シングルス2回戦(準々決勝)
○林昀儒(チャイニーズタイペイ)8-11、11-2、4-11、11-8、5-3、5-4 馬龍(中国) 
○樊振東(中国)11-8、11-6、11-5、11-8 林高遠(中国)

●女子シングルス2回戦(準々決勝)
○朱雨玲(中国)11-6、11-5、11-6、11-8 孫穎莎(中国)
○丁寧(中国)11-9、11-5、10-11、11-9、5-4 馮天薇(シンガポール)

 18時から男女シングルスの残りの準々決勝が行われ、男子は馬龍、女子は孫穎莎と優勝候補が敗れる波乱が起きた。

 馬龍に勝ったのは17歳の林昀儒。今年に入ってからワールドツアーでも格上の選手に勝つことが増え、6月のジャパンオープンでは林高遠、孫聞といった中国選手を破って決勝に進んでいる。
 林昀儒のプレーはサービス・レシーブがとにかく厳しい。サービスは回転の変化に加えて長短がわかりづらく、レシーブでは手首を柔らかくしならせた一撃のチキータとストップ、ラリーになるとライジングをとらえた両ハンドドライブで畳み掛ける。馬龍に対してもバック側へのロングサービスを使ってレシーブを崩しにかかるなど、ゲームを支配。リードされても臆することなく戦った。

 林昀儒はゲームカウント2−2に追いついてから、FAST5(5点制)になっても守りに入らず、攻めの姿勢を見せる。6ゲーム目の4−4でマッチポイント(5点制なので両者のマッチポイントになる)を握った林昀儒は、この試合で初めて馬龍のフォアサイドに快速ロングサービスを出し、馬龍がクロスにドライブでレシーブしたボールを回り込んでフォアドライブで決めた。
  勝利の瞬間、林昀儒はガッツポーズはおろか表情ひとつ崩さずに馬龍と握手。勝利インタビューでも笑顔はなく、淡々と語っていた。ことの重大さとのギャップ。これが天才ということなのか。得体の知れない、底知れぬ能力を持つ17歳に絶対王者が沈まされた。

 特別ルールによる試合とはいえ、馬龍に勝ったことで林昀儒は中国からもっとも警戒される選手になったことは間違いない。恐るべきことに、林昀儒の加速は止まらず、まだまだ強くなるだろう。林昀儒の明日の準決勝の相手は黃鎮廷。黃鎮廷も好調だが、林昀儒が一歩リードか。林昀儒は決勝で再び中国選手と対戦するかもしれない。