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 和歌山ビッグホエールで行われていた第69回全日本実業団卓球選手権は大会最終日を迎え、男子団体は東京アート、女子団体は十六銀行が優勝。両チームはともに6月に行われた日本リーグ前期でも優勝しており、国内団体戦のビッグゲーム2連勝となった。決勝の結果は下記のとおり。

●男子団体決勝
〈東京アート 3-2 リコー〉

 吉村 10、-7、9、-10、-2 有延○
○高木和 9、-6、8、5 山本
 吉村/坪井 -1、9、-11、-7 鹿屋/有延○
○村松 9、3、15 郡山
○吉田 -8、8、7、-10、5 鹿屋

●女子団体決勝
〈十六銀行 3-2 日立化成〉

 加藤(知) -7、-10、-10 後藤○
○安藤 -7、9、9、8 牛嶋
○山本/加藤(杏) -9、9、-9、4、6 近藤/平
 加藤(杏) 8、-8、-7、9、-8 近藤○
○山本 -6、3、11、-3、9 平

 男子団体決勝に勝ち上がったのは、東京アートとリコー。リコーは優勝候補筆頭と目されたファーストを、準決勝で3-1で撃破した。トップでエース有延が吉村(真晴)に敗れたものの、2番山本が大矢、3番鹿屋/有延が岸川/吉村、4番鹿屋が松平(健太)に競り勝った。日本リーグ前期ではまさかの7位に沈んだリコーだが、チーム力の高さを改めて証明した形だ。ファーストとしてはラスト岸川に回したいところだったが、どの試合も紙一重の差だった。

 東京アートも準決勝でシチズン時計に大苦戦。トップで吉田が酒井にゲームオールで敗れ、3番ダブルスも敗れて後がなくなったが、4番吉村が笠原をゲームオールで撃破。そしてラスト高木和が御内のカットを粘り倒した。勝負が決した瞬間、高木和がフロアに倒れ込み、御内がひざまずくほどの激戦だった。

 決勝も両者一歩も退かない戦い。リコーはエース有延が単複で2勝を挙げる活躍。一方、東京アートは攻撃の切れ味が増し、復活の兆しが見える村松を4番で起用し、リコーの新人・郡山にストレート勝ち。勝負はまたもラスト、吉田海偉対鹿屋良平。バックハンドの強さと鋭いフォアフリックを生かし、鹿屋がゲームオールに持ち込んだが、最後は吉田が締め、歓喜の雄叫びを挙げた。

 「目標とする団体5冠(日本リーグ前後期・全日本実業団・全日本団体・ファイナル4)を狙ううえで、ファーストさんが出てくる全日本実業団が一番難しいと思っていた。吉村がワールドツアー、坪井がユニバーシアードに出場して、大会前の調整が万全ではない中で、選手たちが頑張ってくれたと思います」(東京アート・大森監督)

 女子団体決勝はエース鈴木を手首の故障で欠く日立化成が、カットの後藤と牛嶋を前半に配するオーダーで勝負。後藤が低く正確なバックカットでストレート勝ちをおさめ、2番牛嶋も安藤から1ゲームを先取したが、安藤が逆転勝ち。「2番安藤が踏みとどまってくれたのが大きかった」と十六銀行の河田監督は語った。

 3番ダブルス以降はすべてゲームオールの熱戦。ラスト山本対平は、3ゲーム目を逆転で奪った山本が、劣勢の最終ゲームも懐の深い攻守で粘り強く得点を重ね、劇的な勝利。クールな山本がベンチに戻り、満面の笑顔を見せた。「日本リーグ前期から3−2の接戦が続いていて、ラストまで回せば勝てるという雰囲気がチームにあった」(河田監督)。準決勝・決勝といずれも3−2で制する勝負強さで、うれしい3年ぶりの優勝だ。