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●男子シングルス決勝
樊振東(中国) 6、10、6、−6、8 馬龍(中国)

 男子シングルス優勝は樊振東、馬龍に4−1で快勝!!

 一時期はフォアハンドの強化に重点を置き、バックサイドのボールを強引に回り込んで打球点が落ち、攻めが遅くなっていた感のある樊振東。昨年のグランドファイナルではカルデラノに敗れるなど、外国選手にも多くの敗戦を喫したが、今大会のプレーの充実ぶりは目を見張るものがあった。試合の序盤から、非常に打球点の早いバックストレートへのバックドライブを連発し、3球目でもバック対バックでも、馬龍のフォアサイドを何度も抜き去る。全盛期ほどの動きの幅はないとはいえ、抜群のフットワークを誇る馬龍のフォアをこれだけノータッチで抜けるのは樊振東ならでは。久しぶりに伝家の宝刀の切れ味を見た。

 馬龍としては10−8でゲームポイントを握った2ゲーム目を取っていれば、接戦に持ち込めたはずだが、ここを10−12で落としたのが大きく響いた。そして印象的だったのが3ゲーム目の3−2と馬龍がリードした場面。バックサイドに来るドライブを、馬龍が横回転を入れた「ワイパースイング」のバックブロックで、樊振東のフォアに返球。樊振東のミスになるか、ノータッチで抜けるかという場面だったが、樊振東は目にも留まらぬ前陣での飛びつきで、フォアクロスに打ち返して得点。この前陣でのフォアへのフットワークも、間違いなく改良されたポイントだ。

 馬龍としてはバックハンドで何度もフォアを抜かれるため、バックサイドへのボールに対してもどうしても反応が遅れる。回り込みの手数が減り、らしからぬバックドライブのミスが多かった。4ゲーム目は馬龍が11−6で奪い返したが、5ゲーム目は樊振東が馬龍のフリックに対してもカウンターを連発し、11−8で優勝を決めた。

 試合後の表彰式で中国卓球協会の劉国梁会長からトロフィーを受け取った時、「この調子で頑張れ」と声をかけられたという樊振東。優勝会見で「試合前から十分な準備をしてきたし、試合中にどのような困難に対して、どのように立ち向かっていくかを自分に言い聞かせていた。勝つことができてうれしい。今年は自分にとって特別な1年になった」とコメント。東京五輪の団体メンバー入りもほぼ当確で、あとは許シンとシングルスの座を争うことになりそうだ。

 一方、馬龍は敗れたとはいえ、貫禄の強さで決勝まで勝ち上がった。「2020年に向けては中国卓球協会とコミュニケーションを取りながら戦略を立て、東京五輪でベストの結果を残すつもりです」と最後のビッグゲームに向けた抱負を語った。