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卓球王国ストーリ-

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 今野は編集者(1981年以降)としてのキャリアの中で、何百人以上のインタビューをしてきた。その中でも最も印象深いインタビューがフランスのガシアンとシーラへのそれだ。
 ガシアンは1993年世界チャンピオン。シーラは当時ヨーロッパのトップ選手の一人で、ダブルスのパートナー。二人は2000年シドニー五輪の男子ダブルスで銅メダルを獲得した。

 しかし、92年バルセロナ五輪でも銀メダルを獲得しているなど、ガシアンの銅メダルには驚かないのだが、大会前に彼のお父さんが亡くなり、五輪前に十分に練習できる状態ではなかった。

 ガシアンのお父さんは、いつもフランスチームの試合に帯同して、トランペットを持って応援する陽気な人で、世界選手権を観戦した人ならば誰でも知っている有名な人だった。その父の急死でガシアンは打ちひしがれていた。そしてチームメイトも……。シーラも個人的にもガシアンと仲が良く、家族ぐるみのつきあいをしていた。
 そこの背景を十分知っていたし、また友人のフランスのミッシェル・ブロンデルコーチからも聞いていた。

 かくして、2000年秋のヨーロッパ取材は、まずパリに降り立ち、この二人のインタビュー、そしてその後ドイツに行き、日本選手の活躍を見に行くことになっていた。 <続く>

e Book 2001年2月号
http://world-tt.com/ps_book/ebook.php?lst=2&sbct=A&dis=1&mcd=AZ145&pgno=7
  • ガシアンとシーラが表紙を飾った2001年2月号