2001年秋に今野が向かったのは上海。
地元で駐在している日本人向けの『上海ウォーカー』という雑誌を発行されている会社を訪れた。そこで中国での出版事情のレクチャーを受けたのだ。
そこでわかったのは、雑誌、書籍を出版するには政府の許可が必要で、政府系の広告代理店を使わなければいけないこと。出版社などのマスコミは日本からの独資(100%子会社)は不可能。合資(中国の会社との共同出資)が可能か微妙、もしくは100%の現地法人にしなければいけないこと。
このハードルは高かったし、わかったことは、中国におけるマスコミはすべて政府にコントロールされているという点だ。
もし、中国にとってマイナスのことを書いた出版社は、許可を取り消され、出版を絶たれることを意味する。
そういうことを考えたら、苦労して独立したものの、出版の自由を与えられている日本は天国にも思えた。
いずれにしても、中国版卓球王国の夢はこのときに遠のいたのだ。