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リオ五輪

●男子団体決勝
〈中国 3ー1 日本〉
○馬龍 6、9、6 丹羽
 許シン ー10、ー9、3、7、ー10 水谷○
○張継科/許シン ー4、6、9、5 吉村/丹羽
○馬龍 1、4、4 吉村

日本、歴史的勝利はならず……中国に1ー3!

試合前のオーダー交換で、日本は水谷を前半と4番で使えるABCではなく、前半と5番に回るXYZになった。中国を相手にオーダーでもやや不利。厳しい戦いが予想された。

トップは丹羽対馬龍。丹羽はゲームカウント0ー1の第2ゲーム、8ー4、9ー5とリードを奪うが、ここから馬龍が6点連取で逆転。丹羽、このゲームを取りたかった。第3ゲーム、中盤で8ー4とリードされたところから、あえて中陣に下がり、馬龍の攻めを受けてチェンジペースを計る丹羽。ここでエッジとネットインが連続し、ラッキーなポイントで追い上げたが、最後は対ツッツキのフォアドライブがネットを越えず。日本、先制点を許す。

2番、エース水谷が出陣。第1ゲーム、課題の出足で2ー2、5ー3とリードを奪う水谷。許シンが圧倒的に強いフォアサイドへ、両ハンドで強打を打ち込む水谷。自信にあふれるプレー。許シンは完全にバックサイドで待っており、逆を突かれる場面が多い。1ゲーム目、11ー10の3回目のゲームポイントで、許シンの強打をバックハンドのカウンターではね返し、水谷が1ゲームを先取。さらに2ゲーム目も、水谷は5ー1から5ー6と逆転されたが、10ー9と逆転し、またもバックハンドのカウンター。吠える水谷、2ゲーム先取!

しかし、許シンは次第に水谷のコース取りを読み、中・後陣からのパワードライブにミスがなくなってくる。水谷もよく応戦するが、力比べになると厳しい。第3ゲームは0ー6と離されて、3ー11で許シン。4ゲーム目も4ー2のリードから5ー7、5ー9と逆転されて落とす。
最終ゲームは水谷2ー5で倉嶋監督がタイムアウト。許シンが5ー7、6ー9とリードを保ち、7ー10で許シンがフォアストレートへのフォアドライブでマッチポイント。しかし、「ニッポン!」コールが圧倒する場内で、許シンの表情も苦しい。水谷がミドルへの3球目パワードライブ、バックハンドのカウンターで10ー10。3回マッチポイントをしのいで11ー10とマッチポイントを取り返し、最後は萎縮した許シンの合わせるようなフォアフリックがオーバー。水谷、過去全敗の許シンからついに白星!

3番ダブルスも出足から吉村/丹羽が完璧なプレー。吉村がクロスへパワードライブで寄せて、丹羽ががら空きのフォアストレートへ打ち抜く。丹羽のサービス・レシーブが張継科によく効いて、11ー4で先取。この丹羽のボールを張継科が受けるパターンが有利だった。同じパターンの3ゲーム目も、丹羽のチキータとフォアドライブが抜群のキレで、7ー5、9ー7と終盤までリードするが、張継科が意地を見せて強引に丹羽のボールをフォアで狙い、9ー11と逆転。痛恨の4連続失点。これがあまりに惜しかった。中国ペアが3ー1で勝利し、胸ドン。

4番馬龍のやることは決まっていた。出足でパワードライブを見せておいて、ストップと安定したバックハンドで吉村のプレーを縛る。1ゲーム目は1ー3から8点連取されて1ー11。馬龍は徹底して不要なリスクは犯さず、台上での攻防に絞り、チャンスボールにはパワードライブを打ち込む。吉村、馬龍の強打を警戒し、リスクを負えずに台上の攻防につきあってしまった。最後は4ー10で吉村のバックストップがネット。

試合中、ベンチで絶叫を繰り返した劉国梁監督。「ニッポン!」コールが続いた会場の雰囲気は完全に中国のアウェー。そして張継科や許シンのプレーは「一か八か」のカウンターミスが目立った。圧倒的な実績を背景に、ミスのない「不敗のプレー」で相手を呑み込んできた中国のプレーが崩れかけた。しかし、世界王者・馬龍だけは崩せなかった。ダブルスで腰をかばっていた張継科と水谷の5番まで持ち込みたかった。
  • トップの丹羽は馬龍に対し善戦。2ゲーム目を逆転で落としたのが悔やまれる

  • 馬龍の強さが目立った。2点を奪われた

  • 2番で許シンに勝った水谷。会場を熱狂させた

  • 最終ゲーム10−7とマッチポイントを握った許シンは水谷に逆転負け

  • ダブルスで負け、4番で馬龍にとどめを刺された

  • 試合中に気合を入れる倉嶋監督