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2018世界卓球ハルムスタッド大会速報

●女子団体決勝
〈中国 3ー1 日本〉
 劉詩ウェン ー9、8、5、ー8、ー10 伊藤○
○丁寧 6、10、11 平野
○朱雨玲 4、7、8 石川
○劉詩ウェン 6、6、10 平野

 日本、トップ伊藤の先制点も中国には及ばず、1ー3で敗れる…!

 日本はトップ伊藤がいきなり勝利。1ゲーム目終盤に得意の巻き込みロングサービスからの攻めで得点を重ね、1ゲームを先取。しかし、劉詩ウェンは2ゲーム目はロングサービス、3ゲーム目は巻き込みのハーフロングサービスとサービスを変えながら、バック対バックでは少しタイミングを遅く、回転をかけたバックハンドで伊藤のミスを誘う。伊藤はゲームカウント1ー2と逆転を許す。
 4ゲーム目も1ー3となって伊藤がタイムアウト。ここから再びロングサービスを連発して追いつく。ベンチからは馬場監督の「迷わない!」という檄が飛ぶ。10ー8でゲームポイントを握った伊藤は、劉詩ウェンのロングサービスを読み切り、回り込んでフォアスマッシュで引っぱたいて11ー8。最終ゲームに持ち込む。

 最終ゲームは1ー5、4ー7、6ー9と終始リードを許す苦しい展開。8ー9で勝負をかけて回り込んだサービスが短く、レシーブが高く浮いて叩かれ、8ー10。マッチポイントを握られながらも、サービスを握った伊藤が10ー10に追いつく。
 ここでバック連打から先にフォアで攻め、ついに11ー10でマッチポイントを握った伊藤。最後はバックドライブがネットをかすめて入り、さすがの劉詩ウェンも拾えず。その場にしゃがみ込んだあと、立ち上がって満面の笑顔を見せた伊藤。「自分からとにかく攻めていくこと、最後まで自分の卓球をして、攻めることを意識しました」と会場インタビューで語った。

 2番平野は丁寧との対戦。平野はフォアストレートへの鋭いカウンタードライブを連発し、連続バックドライブの攻めも厳しいコースに打ち込んだが、丁寧はバックハンドはタイミングの早いボールを混ぜ、フォアハンドは少しタイミングを遅くして回転をかける。傷めたという左足の影響を感じさせない中陣での連続フォアドライブで、平野のフォア攻めを受け止めた。
 3ゲーム目は両ハンドとも速く攻めていた平野が、フォアドライブのタイミングを少し遅くして、そこに両ハンドの速攻を混ぜていく。9ー5でリードした丁寧だが、「チャンスがあると思って戦い続けた」と試合後にインタビューで語った丁寧。ここから5点連取で9ー10と逆転し、ジュースにもつれたこのゲームも13ー11で奪ってストレートで勝利した。

 3番は石川対朱雨玲。昨日はキム・ソンイを相手に、最後まで素晴らしい闘志と集中力で戦い抜いた石川だが、この試合は出足からどこか元気がなかった。「彼女には最近はずっと3ー0で勝っていたので、自信を持って戦った」と試合後の朱雨玲。朱雨玲のフォアサイドを厳しく攻めても前陣で対応され、バックハンドでの逆襲を許す。2ゲーム目に0ー7までリードされながら5ー8、7ー9まで挽回したが、最後は7ー11。3ゲーム目も中盤で離され、8ー11で敗れた。

 4番は平野対劉詩ウェン。何とかラスト伊藤につなぎたい平野だが、ラリーの基本となるバック対バックで劉詩ウェンの細かいコース変更と緩急に揺さぶられ、無理にコースを変えるとフォアのカウンターを食らう。前陣でのより攻撃的な両ハンド速攻へモデルチェンジを目指した時に、劉詩ウェンがひとつのモデルであった平野。同じスタイルだけに、劉詩ウェンには攻略のポイントがよく見えていた。
 3ゲーム目に平野はうまく両ハンドに緩急をつけ、6ー3、さらに10ー6でゲームポイントも奪ったが、ここから劉詩ウェンが5点連取で11ー10と逆転。最後は台から出た平野のサービスに、レシーブドライブをフォアクロスに決められ、勝負あった。

 日本女子、中国から2004年ドーハ大会以来となる勝利を挙げたが、中国の長城を崩すには至らなかった。次なる2020年世界団体戦、そして東京五輪でリベンジだ。
  • トップ伊藤、中国から見事な先制点

  • 逆転勝利に感極まった

  • 2番平野、決してプレーは悪くなかったが、丁寧の壁厚し

  • 1ゲーム目から丁寧の気迫は凄まじかった

  • 3番石川、中国に傾いた流れを引き戻してほしかったが…

  • 憎らしいほどの安定感を見せた朱雨玲

  • 4番劉詩ウェン、3ゲーム目6ー10から6点連取で優勝を決めた