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平成30年度全日本選手権速報

 男子シングルス通算10回目の優勝を達成し、その興奮冷めやらぬ会場での優勝インタビューで「今回10度目の優勝を達成したので、最後の全日本にしたい」と衝撃的な発言をした水谷隼。優勝会見の主な内容は下記のとおり。

 「まだ自分が優勝したという実感がないですね。張本には勝てないんじゃないかという不安もあったし、彼が決勝に上がってこなかったのは自分にとってはラッキーでした。今までも本当に苦しい全日本選手権だったんですけど、今年もめちゃくちゃ苦しかったです。最初に優勝したのが12年前で、当時のことはそんなに覚えていないんですけど、1回優勝するだけでもこんなに大変なのに、よく今まで9回優勝してきたなと思います。

 一番大事なのは気持ちですね。絶対誰にも負けないという強い気持ちを持って臨めたことです。自分の中では、他の大会に比べて全日本選手権への思いがすごく強くて、他の選手には絶対負けないという気持ちがありました。確かにこの1年苦しかったですけど、これからもこの苦しさは続いていくと思います。

 この全日本選手権が始まる前から、10回優勝したらもう自分の中で満足というか、2年前に9回目の優勝を達成して、記録を更新してからなかなか全日本への思いが強く持てなかった。周りは優勝をすごく期待するので、そのプレッシャーに勝てないというか、自分がもう日本でラケットを振るのは無理なんじゃないかという気持ちです。

 日本代表としてプレーするのも来年が最後だと思うので、今回V10を達成できて、引き際としては悪くないんじゃないかなと思います。これから年齢を重ねていくとパフォーマンスも落ちてくると思いますし、今までの全日本選手権のように強い気持ちで臨むことが難しくなっている。そのぶん、今大会に懸ける思いというのはものすごく強く、その思いがあったから優勝できた。今回優勝したことによって、何か自分の中での全日本への思いというものがプツンと切れました。来年いよいよ東京五輪があるので、まずは東京五輪に出場する権利を勝ち取りたい」(水谷)

 「最後の全日本」という発言について、会見後の囲み取材で水谷は「今のところは、ですよ」と笑った。引き際として悪くない、という感情は理解できるが、これまでどれほど苦しくても、頂点を目指して全日本の舞台に立ち続けてきた男だ。来年もまた全日本の季節がやって来たら……、「10 Times Champion」はどのような決断を下すだろうか。
  • 決勝後に会場で優勝インタビューに答える水谷

  • 両手で「10」の文字を作り、V10を自ら祝福