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卓球ワールドカップ団体戦

 男子団体の表彰後、会見に臨んだ中国男子チーム。秦志ジェン監督は「今回優勝できて大変うれしいです。優勝したことと、来年のオリンピックの会場で戦い、勝てたことが意味のあることですね」と語った。

 決勝ではエース馬龍を温存するオーダー。その理由を尋ねられ、秦志ジェン監督は「馬龍は誰もが注目する選手で、前半戦で2回出しましたが、準決勝・決勝で起用しなかったのは若い選手を鍛えようと思ったからです」とコメントした。中国からの応援団の姿も目立った観客席。決勝前に馬龍が入場してきただけで歓声があがっていただけに、ファンにとっては少々残念な「馬龍外し」だったかもしれない。

 決勝でシングルス2勝を挙げ、優勝の原動力になった樊振東は、一時の不調を脱した感がある。「この大会を経験し、自分のポジションで勝てたことが自信の回復になった。3番の梁靖崑の試合を見ながら、自分の4番の試合を待っていたけど、膠着状態になっていたし、大接戦だった。途中からは自分の試合に集中しようと思った」(樊振東)。

 3番で鄭栄植との大激戦を制した梁靖崑は、ダブルスに負けた後に中国卓球協会の劉国梁会長から「自分を信じて戦うように」とアドバイスを受けたという。まだ戦術にもプレーにも柔軟性がなく、自分で自分を苦しめているような戦いぶりだったが、最後は自分に打ち勝った。「優勝できたことがうれしい。チームメイトと監督に感謝しています」(梁靖崑)。

 そして許シンは、「私はこのメンバーで唯一オリンピックを経験している選手だけど、今日の決勝では唯一勝てない選手になったね」と笑いながらコメント。「結果は想定内だし、惜しい試合だった。戦術的には、もっと決断力を持って戦うべきだったと反省しています。監督にはオリンピックのつもりで試合に臨むように言われたので、自分でもオリンピックを戦うつもりで臨んでいました」(許シン)。一時期は肩や腰に故障を抱え、東京五輪出場も危ぶまれる状態だったが、ここに来て確実に調子を上げてきた。この男のパワーボールは、やはり脅威だ。