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世界ジュニア選手権大会

 ジュニア女子団体決勝1番、石洵瑶にゲームカウント2ー0から惜しくも逆転を許した長崎美柚。準決勝で復調の気配を見せていたが、この石洵瑶戦では完全に本来のリズムを取り戻し、高い打球点の両ハンドドライブがビシビシ決まった。勝利を目前にしながら敗れた理由について、「3ゲーム目の9ー9で勝ちたい気持ちが出てしまって、挑戦しなければいけない場面なのに守りに入ってしまった。そこを落としてしまったのがすごく痛かった」と試合後に語った。

 中国選手の凄みについて、長崎が語ったのは「勇気」。「中国選手は技術もすごいですけど、メンタルもすごく強い。自信がなくても相手が嫌がっているところを突いてくる。それは勇気のいることなんですけど、中国選手の優れたところだし、もっと見習っていかないといけない」(長崎)。

 この中国選手の「勇気」について、偶然と言うべきか、今日の昼にも同じ話を聞いた。会場のフードコートで昼食をとりながら、日本選手団・男子スタッフの董崎岷コーチと話をしていた時だ。競った時の「あと1本」の取り方について、董さんはこう語っていた。「競った時の1本、それを取るために大事なのは勇気ですよ。勇気というのは、決して攻めることだけじゃない。たとえばチキータに自信がある選手でも、相手がストップを嫌がっているなら、ストップからの展開で勝負する。そう決断して、迷わずに実行できることが勇気なんです」。

 ジュニア世代での層の厚さ、実力の高さを今大会で改めて証明している日本チーム。個々の技術力も間違いなく世界のトップクラスだ。残る個人戦、各種目の上位ラウンドで中国勢と対戦することになるであろう日本。急所を突かれた中国選手が顔をしかめるような、勇気を持ったプレーを見せてもらいたい。