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中国リポート

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 3月8日、中国卓球協会は4月21〜28日にハンガリー・ブダペストで行われる世界選手権個人戦の中国代表メンバーを発表した。各種目へのエントリーは下記のとおり。

★世界選手権(個人戦)ブダペスト大会・中国選手のエントリー
●男子シングルス

馬龍、樊振東、許シン、林高遠、梁靖崑
●女子シングルス
丁寧、劉詩ウェン、陳夢、王曼昱、孫穎莎
●男子ダブルス
馬龍/王楚欽、梁靖崑/林高遠
●女子ダブルス
陳夢/朱雨玲、王曼昱/孫穎莎
●混合ダブルス
許シン/劉詩ウェン、樊振東/丁寧

 「4月18日まではエントリーの変更は可能」としているが、このメンバーで確定と見ていいだろう。男子シングルスのエントリーは予想どおり。5番目の選手には、「地表最強12人」(世界代表選考会)で2位となった梁靖崑が入り、2大会ぶりのシングルス代表となった。左ひざの故障からの復帰を目指す馬龍も代表入りを果たし、荘則棟(61・63・65年大会優勝)以来となる男子シングルス3連覇を目指す。

 一方、女子はサプライズがあった。現世界ランキング2位で、前回の世界選手権でも2位だった朱雨玲がシングルスの代表から外れ、20歳の王曼昱と18歳の孫穎莎がシングルスに出場する。世界ランキング2位の選手が世界選手権に出られないというのは、近年の中国のエントリーを振り返ってみても前例がない。

 「地表最強12人」で朱雨玲は6勝5敗の6位に終わったが、東京五輪時の年齢は選手としてのピークと言える25歳。朱雨玲を外すなら、東京五輪時には29歳となる劉詩ウェンを外してもおかしくないところだが、昨年のスウェーデンオープン決勝で、伊藤美誠選手に一蹴されたのが大きなマイナス要因か。もともと李隼監督が担当していた朱雨玲が、同じ四川省出身の邱貽可に担当コーチが変わったことで、両者の不仲説を伝えるマスコミの報道もあるが、それだけとも考えにくい。

 また、ダブルス3種目のエントリーも興味深い。近年は国際ペアを組み、それほど成績を重視していなかった混合ダブルスで、久々に「本気」のエントリー。国家チームの指導陣への賞罰制度でも、世界選手権の男女ダブルス優勝はポイントゼロで、混合ダブルス優勝には「2000点」というポイントが与えられる。混合ダブルスが種目に加わる東京五輪を見据えた方針転換だ。男女ダブルスは若手を中心に、混合ダブルスに出場しない選手でペアを作り、どの選手も最大でも2種目の出場。体力の消耗を防ぎ、男女シングルスと混合ダブルスで確実に優勝を狙う構えだ。
  • 4月のアジアカップには出場する朱雨玲だが、世界選手権ではまさかの単不出場