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 世界の卓球界の中でのリーディングカンパニーはタマス社だ。バタフライのブランドで過去に『ブライス』『テナジー』というヒットラバーを発売し、ラケットでも水谷隼や張本智和が使用するラケットを作り、販売している。
 日本では人気スポーツの一つに数えられるようになった卓球だが、業界の特殊事情のためにメジャーなスポーツブランド、例えば、ナイキ、アディダス、プーマ、アンダーアーマーなどが卓球市場には参入してこない。
 それは卓球市場ではラバー、ラケットという用具が重要な部分を占め、その用具の特殊性と専門性が高いために、用具に関しての知見がないと市場に入れないし、入ったとしてもそこでの利益を生むことが難しいからだろう。かつて、アディダスが卓球の専門部隊(外部の会社だったが)で卓球市場に入ろうとしたが、数年後に撤退したケースがある。

 さて、卓球を知らない一般の方は卓球の用具の価格をどう考えているのだろう。
卓球のラケットは、木材を主としたラケットとゴムが材料のラバーは別々に売られていることからまずは説明しなければいけないだろうし、そのラバーが今や1万円近いものもある。そのラバーは卓球愛好者は数週間で替えるし、トップ選手は数日で替えるといったら驚くだろう。

 2008年に卓球界では揮発性有機溶剤の入った接着剤(ラケットとラバーを貼る)が禁止となった。わかりやすく言えば、シンナー系の接着剤だった。この接着剤でラバーを膨張させて、トップ選手から一般愛好者までが試合に出ていた。
 禁止されて以後は、ラバーそのものの性能が問われ、前述した『テナジー』が大ヒットした。ボールをつかむ感覚、回転力が卓越した商品で、多くの選手たちはこのラバーを使った。
 そして、それから11年後の今年の4月にバタフライは『ディグニクス』というラバーを出した。毎年のように新製品をリリースする他メーカーを尻目にバタフライはじっくりと研究開発に努め、11年かけて市場に送り込んだ。しかも市場価格が9000円を超える高価なモノだ。発売前から、水谷、張本などが使用し、バタフライの多くの契約選手がこの新商品に替えている。

 9000円を超えるラバーを簡単に買うことは卓球愛好者でもできない。ましてや中高校生にとっては高嶺の花かもしれない。
 そこで明日発売する「卓球グッズ2019」(別冊卓球王国)では、上級者、中級者の試打の感想を掲載する。そして,その開発の裏側にも迫ってみた。
 卓球ファンの皆様、「卓球グッズ2019」を読んでから『ディグニクス』を買うのでも遅くはない。 

詳細はこちら『卓球グッズ2019』 定価800円(税込)