弱点がなく高い性能。
これは意外にそれほど存在しない
ヴェンタスを打てば打つほど、「弱点がない」ということに気づく。これはバランスの良さとも言えるが、実はこういうラバーはメーカーはあまり好まないと言う。
なぜなら、
「弱点がない。バランスが良い」
→「目立った特徴がない」
という印象になるからだ。
ウリにできる尖った特徴があったほうが、ユーザーに性能を説明しやすいが、「バランスが良い」では何が良いのか説明しづらいのだ。
だから「バランスが良い」ラバーは実はあまり存在しない。
ヴェンタスは数少ない代表例なのだ。
オールマイティに使えるラバーだが、気になるのは
チキータやカウンターなどの高度な技術
タクティブ渋谷店の水野コーチに使用してもらった。
グッズインフォのヴェンタスVol.3がもうすぐアップされます pic.twitter.com/Q80guoSP6t
— ゆう(卓球王国編集部) (@yu_okoku) 2017年11月29日
いかがだろうか?
決して速くはないが、
チキータは余裕をもってネットを越えていく安心感がある。
そしてカウンターは強振しても落ちずに入っている。
「カウンターはラバーの力が大きい。滑ってしまうラバーだとカウンターはできません。落ちないラバーだから強く振っていけるんですよ」(水野コーチ)
水野コーチの技術力もあるが、カウンターは用具に頼る部分が大きい。
自身も使用していたという林コーチは語る。
「ヴェンタスは実は2.0mm が良いんですよ!」
トップコーチならば、MAX(特厚)を使うのが当然と思いがちだが、林コーチは2.0mm(厚)を推す。
「ヴェンタスはトップシートが軟らかく、スポンジもそれほど硬くないから食い込みやすい。だからラケットの感覚が伝わりやすいし、ラケットの硬さを活かせます。
2.0mm のほうが打球時にボールがラケットまで到達しやすいので、ドライブやミート打ちなどもすごくやりやすいし、ボールも走る。
正直、MAX よりも2.0mm のほうが弾む感覚があります。MAX はもう少しつかんでくれますが、球の飛び出しが遅く感じますね。だから私は個人的に2.0mm をオススメします」(林コーチ)
今までは知らなかったラバーかもしれない。
これを機に『ヴェンタス』を再認識していただければ幸いだ。
使えばきっと
「あ、意外と良い。やるじゃんヴェンタス」
と納得するはずだ。
〈完〉
文=佐藤祐