Konno 『卓球天国の扉』発刊、おめでとうございます。まあ、うちの発行書籍ですが(笑)
Jota ありがとうございます
Konno 昨年7月に『ようこそ卓球地獄へ』を上梓。その勢いで、続編の卓球天国。しかもラジオ出演を果たすなど、勢いが止まらないね。なのに、休筆宣言ですね
Jota 私が宣言したんじゃなくて、そっちから宣告したんでしょうが
Konno そうだね(笑)。だってネタ探しが苦しそうだったから。それはそうと、この本の読みどころはどこでしょうか?
Jota 前作よりマニア度が濃く深くなったところですね。卓球本へのツッコミとかね
Konno 卓球本悦楽主義。条太さんの卓球王国でのデビュー作だね。特に荻村伊智朗さんの本を斬る時は条太ワールドの真骨頂。あれ、笑えたね
Jota マイナーにもほどがある連載でしたね。王国編集部とか一部関係者にはウケたようです。あと、『奇天烈 逆も~ション』ではとびっきりの下ネタの一本がお気に入りです。よく書けたもんだと自分でも思いますよ。中学校の先生から怒られそうですが
Konno 自分の子どもには読んで欲しくない内容だけど、面白い。ところで、おれ、条太さんと電話で話したり、会って食事したり、一緒に世界選手権にも行くけど、条太さんっていつもしゃべりの抑揚がないよね。感情のアップダウンがないというか、冷静というか、面白みがないというか、でも文章は面白い時もある。あとね、世界選手権で原稿打っている時でも背筋が伸びている。身体の姿勢まで抑揚がない(笑)。そういえば(星野)美香ちゃん(元全日本チャンピオン)が一緒に世界選手権に行った時とか、「条太さんの姿勢は美しい。歩いている時も背筋がピンとしている」と言ってたな
Jota ふふふ。今野さん、忘れてるでしょうけど、私はずーっと前かがみで原人みたいな歩き方だったんですよ。それが4年ほど前のあるとき、会社の後輩から指摘されてショックを受けて、その日から無理やり直したんです。そしたらあっという間にそれが自然になってしまいました。人間、こんなに変われるものなんですね。いやー感慨深いです
Konno ああ、そうだったの。そこまで詳しく聞いてないけど(笑)。それはそうと、条太さんのファンってオタクっぽい人が多い。それにもちろん文章が好きで、卓球をやらせるとヘタ! まあ、最後のところは想像ですけど
Jota そんなこと言って、ヘタだと思われるのが嫌で、本、買わなくなったらどうすんですか!
Konno いやいや、条太さんのファンは何があっても絶対買うから、大丈夫。こっちも新聞一面に広告出したりしているんだから売れてもらわないと困るんだよね。でもさ、いつも思うんだけど、お互い同じ東北人(山形&岩手)で、条太さんも必要以上のことあまりしゃべらないけど、意外に自己顕示欲強いよね。これって口数とは関係ないのかね
Jota 意外じゃなくて自己顕示欲の塊ですよ。口数が少ないのはですね、つまらないことを言ってると思われるのが嫌だからです
Konno そのわりに、たまに言うこともつまんないんだけど
Jota ガクッ
Konno おれ、条太さんと付き合い長いけど、最初に会った時の印象が希薄なんだよね
Jota 97年のジャパンオープンですね
Konno なんか千葉の大会会場だったことは覚えていて、「自分が若かったら卓球王国に入りたかった」とか言われたような。これって、記憶違いかな
Jota そう言ったと思います。今思えばあれは33歳のときだから十分若かったですけどね
Konno その時から老け顔だったよ。条太さんは世間的に言うところの大企業に勤めているんだけど、この間、朝日新聞のスポーツ局の人に条太さんの本を紹介する際、「この人、普段は○○○に務めているんですよ」「ええ? プロじゃないんですか?」「違う違う、ただのサラリーマン」「それを売りにしたらいいじゃないですか」「いや、本人はそれをヨシとしない。コラムニストとしての肩書きを重視しているから」と答えたら、「うわー! 男気あってさわやかですね」と言ってたよ
Jota 男気どころか会社から苦情が来る面倒を避けてるだけなんですけどね
Konno だから「男気は全くなくて、全然さわやかじゃないから」と言っておいたよ
Jota あーっ、余計なことを
Konno もしリストラされたら王国で待ってるよ
Jota その前に連載再開させてくださいよ、まったく
Konno あ、そうか(笑)。でも、反響を見てからね。連載やめても何の反響もない・・つまり、「何でやめたんですか!もう卓球王国買わない!」という声もなく、静かだったら、そのままかな。ブログには「何でやめるんですか」という声もチラホラあるし、休筆の発表から2週間ほど経って、何か反応ある?
Jota ええ、メールとかブログの書き込みとかでチラホラ反応があって一安心です。『卓球天国の扉』を読んで泣いたとか、司馬遼太郎の次に尊敬していますなんて意見もいただいて、ますますいい気になっちゃってますが
Konno なんだそりゃ。これはもっと苦しめないとね(笑)
Jota これ以上はご勘弁を

2冊の書籍を出し、少々浮かれていた伊藤条太氏。
編集部内では世界大会速報や最近の原稿に首をかしげるムードが漂う。
編集長&代表の私は、東京で伊藤氏と食事をする時に流れで「休筆宣告」となった。

つまり、伊藤条太氏を選手にたとえるなら・・・。
そこそこの大会で優勝はする(だって唯一の卓球コラムニストとして一人しか大会に出ていないから)。
競争原理は働かない。
安住の地で、周りにチヤホヤされるプレーヤー。
まわりからも、「強いね~」とか言われる中年男。
最近、技術の進歩もなく、戦術の切れも無し。
惰性でボールを打ち続ける男。

そこで、長年見てきた今野コーチが「おまえ、なんだその技術は、その試合ぶりは……卓球をやる資格はない。
しばらく卓球から離れて、ゲートボールでもやってろ」と言い放つ。
言われた伊藤条太は最初何のことかわからない。でもふと振り返り、自分の甘さに気づく。

しかし、一見突き放した今野コーチはその後もコラムニスト(いや、伊藤選手)を気に懸け、電話で馬鹿話をする。
今までドライブマンだった伊藤選手がカットマンになって帰ってきても、懐深く受け入れようという覚悟はある。

近著の『卓球天国の扉』はよりマニアックになり、面白い。
「毎月ネタ探しで正直しんどかった」と言う伊藤氏の連載はしばらくお休みとするが、
いずれパワーアップした『逆も~ション』が登場するだろう。
卓球界でコラムニストとして地位を築いているが、面白くなくなったら伊藤条太ではない。

2015年7月のある日。東京は梅雨の真っただ中。
見た目もジトッとしている伊藤氏と、ある実業団選手たち、編集部有志で食事をした。
面白そうなネタをコースターに書き込んでいた伊藤氏(あのコースター、お店に忘れていないだろうね)。
彼はすでにネタ探しの旅に出ている。
どこかの卓球場に変な中年男がいたら、それが「伊藤条太」かもしれない。(今野)


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