ビートルズ勝負

私は卓球とビートルズが好きで、あれこれと本を読んだり考えたりして、脳のかなりの部分を卓球とビートルズのために使っている。

中学、高校、大学と「ビートルズが好きだ」という人には何人にも会ったが、話してみるとだいたいは私の圧勝である。ときどき同程度の人がいるととても嬉しくなって話が弾む。それで自分のビートルズ度にはかなり自信を持っていた。

会社に入ると「ビートルズ好き」と言われる人がいたのでさっそく話してみると、ものの5分で勝負がついてしまった。完敗だったのだ。
私は2,3のマニアックな話題を出したのだが、その人、そのすべてを私よりはるかに知っていた。卓球の試合と同じで、差がありすぎると話も合わないのだ。「こりゃとても勝負にならない」と思った私は早々に退散してしまった。恐ろしい世界だ。

ビートルズは卓球と比較しておそらく愛好者も多いだろうし、聴く以外にやることがないのでどうしても情報の収集合戦となる。そのマニアの世界では私などまったく素人同然であることがよくわかった。

それ以来私は、ビートルズに関しては「知ってればいいってもんじゃないだろ」と思うことにして現在に至っている。

なお、卓球については未だ完敗したことはないので「知っている方が偉い」と思うことにしている。