超能力者と幽霊

年末の恒例番組、ビートたけしの超常現象スペシャルを見た。まあまあだったが、超能力パフォーマーとして出てきたウェイン・ホフマンという人には困った。超能力者という触れ込みなのだが、やったのはすべてマジックだった。テレビ番組のやらせを問題にされることがあるが、ああいうものをマジックだと注釈をつけずに放送したらかなりの人が「超能力ってあるんだ」と思うだろう。そして、それを食い物にする商売のカモになってしまうのだ。信じるのは自分の責任だとはいっても、嘘の情報を流しておいて自己責任とはあまりにもひどいと思う。これは一種の詐欺である。実害があるという点で、ブラックタイガーを車海老だと偽装するよりも性質が悪いと私は思う。

こういう明白な嘘を意図して放送したら罰則を設けるぐらいの規制が必要だろうと思う。

幽霊が映った映像というのもひどかった。肉眼では見えない幽霊がカメラに映ることを不思議に思わない人がいるようだが、人間の網膜とカメラの撮像部分に像が映るメカニズムはまったく同じなのだからそんなことはあり得ない。仮に霊魂が直接電子回路に働きかけて自分の姿を映したと考えると、その霊魂はデジタル記録にかかわる電子回路やプログラムに精通していなくてはならない。生前、さぞ優秀なエンジニアだったか、あるいは霊界で教育でも受けたのだろう(笑)。

幽霊のくせに眼鏡をかけているのもいたから、おそらく眼鏡にも霊があるのだろう。もちろん衣類にもだ。もともと生きていない鉱物や化学繊維にも霊魂があるというのだから豪華な話である。

ゲストたちが幽霊の映像とやらを見てはきゃーきゃー騒いでいたが、いい大人が何を怖がっているのだろう。霊魂があるならこれほど結構なことはない。死を恐れなくて済むからだ。運悪く幽霊に呪い殺されたとしても霊魂があるのなら自分も幽霊となって死後の世界を楽しめばよいだけではないか。

どう考えたって幽霊がいないことの方が底なしに恐ろしい。だれか早く幽霊がいることの間違いのない証拠を見つけてほしい。

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