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トピックス

トップニューストピックス
 最新の世界ランキングで8位になり、世界のトップランカーに君臨している丹羽孝希(スヴェンソン)のオフィシャルサイトが開設された。
 同サイトでは、丹羽選手のプロフィール、試合結果などを発信していくという。
 
 丹羽選手は、明日から横浜文化体育館で行われるアジアカップにも出場。世界最速と評されるライジングの両ハンドカウンタープレーをぜひその目で見てほしい。

丹羽孝希オフィシャルサイト
https://t4management.com/koki-niwa/
本日、ITTF(国際卓球連盟)より、2019年月の世界ランキングが発表された。
 男女とも上位3位までは変動がなく、日本男子の首位は張本智和で、先月と変わらず4位。日本女子の首位は石川佳純だが、先月より順位を2つ落として6位だった。

その他、気になるトップ選手の動向は

   ↓ をクリック
http://world-tt.com/ps_player/worldrank.php
 全日本選手権大会で女子史上初の2年連続3冠王に輝いた伊藤美誠(スターツ)のオフィシャルサイトが開設された。
 同サイトでは、伊藤選手の大会出場情報や試合結果、メディア出演情報などを発信していくという。

伊藤美誠オフィシャルサイト
https://www.starts.co.jp/mimaito/
 3月26〜31日にカタール・ドーハでITTFワールドツアープラチナ・カタールオープンが開催。日本からは男子14名、女子16名の選手が参加し、シングルスでは張本智和(JOCエリートアカデミー)、水谷隼(木下グループ)、伊藤美誠(スターツSC)のベスト8が最高位となったが、混合ダブルスで全日本2連覇中の森薗政崇/伊藤美誠(岡山リベッツ/)が2位に入った。
 混合ダブルス、森薗/伊藤は準決勝で張本/石川佳純(/全農)との同士討ちを3-1で制すると、準決勝では林昀儒/鄭怡静(チャイニーズタイペイ)にゲームオールジュースで競り勝ち決勝進出を決めた。決勝では許昕/劉詩雯(中国)からゲームを奪えず敗退となったが準優勝の成績を残した。
 
 男子シングルスでは準々決勝で張本がフォア表のファルク(スウェーデン)に水谷がケガから復帰の馬龍(中国)に敗れ準決勝進出を逃しベスト8に終わった。優勝は馬龍。準決勝で許昕、決勝で林高遠との同士討ちを制し、昨年5月の中国オープン以来のタイトルを手にした。
 女子シングルスでは伊藤が唯一準々決勝に進出したものの、丁寧(中国)にストレートで敗れベスト8に終わった。石川はトーナメント1回戦で孫穎莎(中国)に、平野美宇(日本生命)は2回戦で何卓佳(中国)にそれぞれ中国の壁を越えられずに敗退。早田ひな(日本生命)は予選で劉恩寵(韓国)にゲームオールジュースで敗れ決勝トーナメント進出を逃した。

 また、女子ダブルスでは伊藤/早田、佐藤瞳/橋本帆乃香(ミキハウス)が3位に入
った。優勝と日本選手の上位記録は以下のとおり。

ITTFワールドツアープラチナ・カタールオープン上位結果
●男子シングルス優勝:馬龍(中国) ベスト8:張本智和、水谷隼
●女子シングルス優勝:王曼昱(中国) ベスト8:伊藤美誠 
●男子ダブルス優勝:黃鎮廷/何鈞傑(香港)
●女子ダブルス優勝:王曼昱/孫穎莎(中国) 3位:伊藤美誠/早田ひな、佐藤瞳/橋本帆乃香
●混合ダブルス優勝:許昕/劉詩雯(中国) 2位:森薗政崇/伊藤美誠
北九州市で開催されている高校選抜。
最終日となった本日は準決勝〜決勝が行われ、男子が愛工大名電、女子は四天王寺がそれぞれ5連覇を達成した。

愛工大名電は準決勝で希望が丘と大激戦を展開。前半を1−1で折返してからの、3番のダブルスが踏ん張ったのが大きかった。
決勝では曽根がジュニア王者の戸上に勝利し、一気に流れを引き寄せる。曽根はゲームオールの5−9の劣勢だったが、「リードしてから入れにいってしまった。5−8になった時に開き直っていこうとやりました」(曽根)と逆転勝ち。試合後に今枝監督も曽根を讃えた。

そして4番の加山の気合もすごかった。ダブルスは落としたが、自分が決めてやるという気迫に溢れ、内田を圧倒。「大会に入って、ずっと調子が良かったので、どこかで調子が狂わないようにいつもより気を遣いながら準備しました。やってやるという気持ちと緊張が半々くらいでしたが、先輩たちの記録を繋げられたのでホッとしています」(加山)。遊ぶボールはほとんどなく、どんなに点数が離れても気を抜かなかった加山。表彰式ではやっと緊張がほぐれたのか笑顔がこぼれた。

女子は破竹の勢いで勝ち上がってきた桜丘が決勝で四天王寺に挑戦。
前半は2−0の勝ち星を重ね、ダブルスも追い詰めたが、あと1点が遠かった。四天王寺はダブルスでつないだ希望を後半へつなぎ、高橋・大川が4・5番で決めた。

男子学校対抗
●準決勝
愛工大名電 3−2 希望が丘
野田学園 3−0 出雲北陵

●決勝
愛工大名電 3−1 野田学園
○曽根 -8、4、9、-8、9 戸上
○横谷 7、7、7 松田
 加山/曽根 −9、5、−5、−8 戸上/宮川○
○加山 4、10、7 内田

女子学校対抗
●準決勝
四天王寺 3−2 明徳義塾
桜丘 3−2 遊学館

●決勝
四天王寺 3−2 桜丘
 三浦 10、−5、−6、8、−7 浅井○
 本井 −9、−8、−9 顧琳セイ○
○三浦/高橋 11、11、−5、−8、6 原田/浅井
○大川 8、4、8 原田
○高橋 5、9、4 立神

詳しい報道は卓球王国6月号(4月21日発売)に掲載予定です
  • 集中力MAXの加山が試合を決めた!

  • 戸上は決勝で苦杯

  • アップダウンサービスで次々に得点を重ねた大川

  • 桜丘は強烈な印象を残した。夏が楽しみだ

  • 5連覇を達成した愛工大名電

  • 四天王寺も苦しみながら5連覇

高校選抜のシングルス(2部)でチャンピオンが決定。
これは各都道府県予選会の学校対抗で1・2位になった学校や今大会への出場権を持った学校からは出場できない。また、過去にインターハイや国体、全日本(一般・ダブルス・ジュニア)に出場していないことが条件になっている。

それでも出場選手のレベルは年々高くなっており、卓球界の底上げを感じた。
男子はしゃがみ込みサービスから強烈なフォアドライブを打ち込む烏田(広島商船)が優勝。
女子はラリー力の高い今井(愛知商業)が優勝を果たした。

シングルス(2部)の結果は以下のとおり

男子
優勝:烏田幸(広島商船)
準優勝:木許怜(大分鶴崎)
3位:南克樹(高知工業)、平原颯(北越)

女子
優勝:今井汐珠玖(愛知商業)
準優勝:針生凛(利府)
3位:永井祐衣(星野)、高橋のりか(宇短大附属)
●女子学校対抗・決勝トーナメント1回戦
四天王寺 3-0 岩国商業
山陽女子 3-1 希望が丘
明徳義塾 3-0 駒大苫小牧
横浜隼人 3-0 愛み大瑞穂
富田 3-0 鹿児島城西
桜丘 3-2 正智深谷
就実 3-2 浜松修学舎
遊学館 3-0 秋田商業

●女子学校対抗・決勝トーナメント準々決勝
四天王寺 3-0 山陽女子
明徳義塾 3-2 横浜隼人
桜丘 3-1 富田
遊学館 3-0 就実

明日の女子準決勝カードは
四天王寺 vs. 明徳義塾
桜丘 vs. 遊学館

高校選抜女子学校対抗は非常に熱戦が多く、ロングゲームが続いた。
その中で桜丘が接戦を次々にものにし、明日の準決勝へ進出。天才的なタッチを持つ浅井と両面表ソフトの原田の両輪は強力で、昨年3位の富田を相手に見事な試合で勝利をもぎ取った。
昨年までは浅井に頼りがちにならざるを得ないチームだったが、全体的に選手のレベルアップが見え、勝てるチームに成長していた。

その桜丘と準決勝で対戦するのは遊学館だ。
和気あいあいとしたベンチは、卓球を楽しむような雰囲気があり、出雲・相馬のふたりはあっけらかんとした顔で勝利を重ねる。初優勝へプレッシャーは皆無のようだ。

もうひとつの準決勝は、5連覇を狙う四天王寺対明徳義塾。
四天王寺は昨年までの主力が抜けて戦力ダウンは否めないが、それでもここまで落とした試合は1のみ。1年生主体だが、さすがによく鍛えている。
明徳義塾は船場・岡田・三村・里川という粒ぞろいメンバーが揃っている。やはり明徳義塾は総合力で勝負するチームだけに、団体戦では不思議な力が出て、ドラマチックなゲームを演出する。四天王寺を飲み込む可能性は大いにあるだけに楽しみな一戦になるだろう。
  • 昨夏のインターハイメンバーの本井が引っ張りたい

  • 遊学館は昨年2位のリベンジを狙う(写真は出雲)

  • イケイケの桜丘。勢いは止まらない

  • チーム力で勝ち上がる明徳義塾。横浜隼人戦は我慢の勝利

3月26〜28日まで福岡県北九州市で高校選抜が行われてる。
本日(27日)は学校対抗の準々決勝まで行われた。

●男子学校対抗・決勝トーナメント1回戦
愛工大名電 3−0 富田
明徳義塾 3−2 杜若
希望が丘 3−2 上宮
遊学館 3−0 新潟産大附
鶴岡東 3−2 静岡学園
出雲北陵 3−1 滝川第二
育英 3−1 福島東稜
野田学園 3−0 東奥学園

●男子学校対抗・決勝トーナメント準々決勝
愛工大名電 3−1 明徳義塾
希望が丘 3−2 遊学館
出雲北陵 3−1 鶴岡東
野田学園 3−0 育英

第一シードの愛工大名電は明徳義塾戦でダブルスを落としたが、加山・曽根・横谷のシングルスが安定しており、盤石の勝ち上がり。4連覇中の王者校を止めるのは容易ではない。

希望が丘は準々決勝で遊学館に辛くも勝利して、準決勝へ進出。順当に力をつけている阿部が前半で先行し、度胸満点の杉本がキッチリ後半で点を取るスタイルだ。準決勝の愛工大名電戦でも阿部の1点は必須だろう。

ジュニア王者・戸上を要する野田学園は6年ぶりの優勝を狙う。戸上・宮川の単複にプレッシャーがかかりすぎているため、松田・内田・松岡の3人でどうにか両輪の負担を軽くしたいところだ。

そして今大会、出雲北陵が初のベスト4へ進出。山本駿介、山本歩の単複が安定しているので、前半で落としても後半勝負に持ち込める。しなやかな両ハンドを操る山本歩のポテンシャルは高く、鶴岡東戦では昨夏インターハイのヒーロー・小松を下した。
「昨年のインターハイで負けたあと、生徒たちが自主的に練習するようになりました。こちらから言わなくても、自分たちで練習メニューを考えたり、自己管理ができるようになってます。そこからチームがまとまり出したことが、今日勝てた要因だと思います。競り合った時に日頃の取り組みが出たんだと。
 私たちはたくさん悔しい思いをしてきました。悔しい経験ばかりで、選抜とインターハイは絶対に結果をだそう、死に物狂いでやろうと声を掛け合いました」(出雲北陵・古瀬監督)
準決勝の野田学園相手にどんな戦いをするのか注目したい。

明日の男子準決勝カードは
愛工大名電 vs. 希望が丘
出雲北陵 vs. 野田学園
  • 加山が手塚を完封し、明徳義塾を振り切る

  • 杉本は遊学館の大野から決勝点

  • 山本歩のセンスあるドライブは野田学園に風穴をあけるか?

  • 戸上はまだ本調子ではない。少しずつギアを上げている

 今シーズンからITTF(国際卓球連盟)の大会カレンダーに組み込まれたT2ダイヤモンドの開催地が発表された。

●T2ダイヤモンド イベント1(7月18日〜21日) ジョホールバル(マレーシア)
6月3日時点(中国オープン終了)でのワールドツアースタンディング上位者15名が参加資格を得る

●T2ダイヤモンド イベント2 (9月26日〜29日)海口(中国・海南省)
7月15日時点(オーストラリアオープン終了)でのワールドツアースタンディング上位者15名が参加資格を得る

●T2ダイヤモンド イベント3(11月28日〜12月1日)シンガポール
10月14日時点(ドイツオープン 終了)でのワールドツアースタンディング上位者15名が参加資格を得る

 現在、2019年はITTFが主催するワールドツアーはプラチナ6大会、レギュラー6大会の合計12試合が開催される予定で、それ以外に、このT2ダイヤモンドが3大会組み込まれることになる。
 しかも、東京五輪の前年に、世界ランキングに関係する大会となる。選ばれる15名というのは、世界ランキングでほぼ五輪には出場可能な選手だが、日本のようにシングルスの2名枠を争うような国や、オリンピックでのシード権に関係し、かつ高額賞金となると、世界のトップ級は出場せざるをえない。

 T2ダイヤモンドとはITTFのワールドツアーのスポンサーとなっている「シーマスター」(上海・シンガポール/フランク・ジー社長)が2年前の2017年にに立ち上げた卓球イベント。独自のルールや卓球の見せ方を追求したもので、今回は電通アジア、そしてITTFと提携して、T2のシーズン2として展開しようとしている。

T2のCEO&コミッショナーのジェフ・チューのコメント
「T2ダイアモンドに対して、様々なパートナーや都市が興味を示してくれたことを大変嬉しく思っています私達は、T2の革新的な幕開けの瞬間に、ジョホールバル、海口市、シンガポールが参加してくれることに心から感謝しています。開催都市での既存アセットを最大限活用することで、商業的に実行可能な国際スポーツイベントを開催できることを証明したいと思っています。また、スポーツツーリズムの促進、スポーツを通じたコミュニティーエンゲージメントの向上など、各都市の長期的なゴールに貢献するために、T2ダイアモンドのコンセプトを啓蒙してまいります」

 現在の世界ランキングのシステムは、常に過去1年間のワールドツアーや世界選手権などの国際大会から、獲得ポイントの高い8大会の合計によって決まる。ところが、このT2ダイヤモンドに関しては、その8大会と別のボーナスポイントとして選手の獲得ポイントに加算されていくために、このT2ダイヤモンドに参加できる参加できないということが世界ランキングに大きく影響を与える。
  • 2017年のシーズン1の男子シングルスで優勝したティモ・ボル

 ネットメディアがきっかけとなり、各テレビ局のワイドショーは「卓球の水谷の目が見えない」というテーマで、にわかに騒がしくなっている。
 多くの卓球人にとっては、「何を今さら」という感もある話題だ。1月の全日本選手権で水谷隼が優勝を決めた直後、卓球王国が行ったロングインタビューでも、彼は目に問題を抱えていることを語り、苦しむ心の内をさらしていた。
 1月に話を聞き、2月21日発売号で掲載した水谷隼のロングインタビュー。その中から、目に関する彼のコメントを拾ってみた。

−−5回戦、6回戦の後のミックスゾーンでは、「決勝に行ける確率は25%くらいだけど、張本も勝つか負けるかわからない」と語り、全日本という試合の難しさを表現していた。あれは本心だったの?
水谷 本心ですよ。ボールが見えなかったし、1球のストレスがすごくて、どんなチャンスボールでもミスをしそうだった。
−−ボールがよく見えないという問題は、前回の世界選手権で途中までメガネをかけたりとか、つきまとっているね。
水谷 それが「全日本に出ない」と決めた理由のひとつですから。
−−もしそれが改善したら、また出るかもしれないね。
水谷 可能性はあるけど、どうかな。目の病気ではないので原因がわからない。光が反射して、ザワザワした感じでクリアに見えない。

−−今大会、長いラリーにはあまりなっていない。
水谷 ないですね。ボールがよく見えてないので、ラリーになってもラケットにまともに当たらないから、コースがある程度読める、早めのラリーのほうが狙いやすい。

−−会見でもミックスゾーンでも、なぜ「ボールが見えない」ことを言わなかったの?
水谷 言っても何も変わりませんから。もし目が良くなって帰ってきたら成績は伸びる。その時、目のことを知らない周りの人はプレースタイルが変わったとか、いろんな理由を挙げる。それもおもしろいかなと。
−−目が改善されなくて、オリンピックに行くのはしんどくない?
水谷 オリンピックと言うよりは、これからのワールドツアーだと会場が暗くて本当にボールが見えない。手術もしたけど、いまだにボールが見えなくて、これからどうしていいのかわからない。
(卓球王国2月21日発売号:4月号より)

 オフレコの部分で、「優勝してなくても目のことは言ったの?」と聞くと、「どうでしょう。言ってないかも」と答えている。
 水谷は優勝したからこそ、目のことを公にした。負けた時にこれらのコメントをしたら、敗者の言い訳と受け取られることを知っていた。ロングインタビューの翌日に彼はアメリカに旅立ち、目の検査を受けたが、異常なしと言われて帰国している。

 とは言え、ここまでオープンに目のことを語り、ここまで騒がれることを彼は想定していたのだろうか。2012年のロンドン五輪後にラバーのドーピングと言われた「ブースター問題」で彼が国際大会に出ないと宣言した時は、ここまで騒がれなかった。リオ五輪でブレイクした水谷の影響力は、その頃と今では違う。
 
 彼が「ボール見えづらい」「LEDの看板の文字を何とかしてほしい」と言っていたのは、もう数年前からの話だ。もちろん、彼だけでなく、ショーアップされた近年の卓球の試合で、ボールが見えにくいと感じる選手は水谷だけではない。リオ五輪にはLED看板はなかった。広告行為が許されないから通常のフェンスが置かれる。東京五輪でも当然LEDはない。

 「ボールが見えないから良い時の3割程度」と言ってしまったら、彼に敗れた選手も複雑な感情を抱くことになる。もちろん、目の違和感というのは彼自身しかわからないことだが、ことさらそこにフォーカスされてしまうと、今後、彼が負けるたびにマスコミや一般の人も「目のせいかな」と思ってしまう。そういった周りの見方が彼にとってプラスなのだろうか。
 全日本選手権で前人未到の10度目の優勝を飾った水谷の卓球は、「目が不調」とは言え、張本智和と対戦しなかったとはいえ、素晴らしい出来であり、チャンピオンにふさわしいものだった。

 今回の「ボールが見えない問題」だけがクローズアップされることは、これから東京五輪の選考レースを戦ううえで,何のプラスにもなならず、試合で負けた時のひとつに逃げ道を用意したことにはならないのだろうか。
 水谷隼という選手は、取り巻く環境に対して過敏に反応し、非常に繊細な選手であることは間違いない。大会会場では、卓球台のバウンド、気温、湿度、自分が使っているラケットやラバーの状態、シューズ、床の状態、すべてに細やかなアンテナを張っている。それらがひとつでも自分にマッチしていないとナーバスになるタイプの選手で、ここまで繊細な選手を私は知らない。
 そういう繊細な神経を持っているからこそ、水谷はすべてのボールの弾み、軌道を予測できる。相手の表情、身体や手の動き、ラケット角度で打たれるボールを予測できる類い希な才能を持っている。
 しかし、その優れた才能が自らを傷つけているのが今回の目の問題なのだ。普通の選手が「見えづらいな」と感じるレベルでも、彼にとっては「見えない」となってしまい、一瞬でも後ろのLED(看板)の文字とボールが重なり、消えたと感じると彼のコンピューターのような予測能力が機能しなくなるのだ。
 そんな両刃の剣を持つ水谷隼の卓球。彼の活躍を期待する人間からすれば、今まで悶々と苦しんできたことをオープンに言ったわけだから、これから東京五輪にフォーカスして挑戦してほしいと願うばかりだ。

 水谷は全日本選手権以後、サングラスを着けたり、替えてみたり、必死に改善の糸口を探っている。
 彼自身、卓球選手としての集大成の場は東京五輪である。今さらワールドツアーの会場のセッティングは変えられない。今年12月のワールドツアーのグランドファイナルで、五輪のシングルス代表はほぼ決まってしまう。残り9カ月で彼の卓球人生の方向が決まり、正念場を迎える。
 彼の目の状態が少しでも良くなることを願う。それが叶わないとしても、日本の王者が「心の目」で直径40mmの卓球ボールをとらえ、ラケットを振り続けてくれることを望む。それが「卓球ニッポン」の栄光へのひと振りになるのだから。(今野)
  • 2月24日のTリーグではサングラスで登場した水谷隼