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 本日、午後3時半から東京のニューオータニホテルで丹羽孝希選手(明治大)のスポンサー契約記者会見が開かれ、新聞各社やテレビ局などのマスコミ関係者が取材に集まった。
 丹羽選手は10年間タマス社とアドバイザリー契約を結んでいたが、新たに1月1日付でウィッグやヘルスケア商品を扱うスヴェンソン社、そしてスヴェンソンのグループ企業でもあるヤマト卓球と契約を結んだ。今後はヤマト卓球のVICTASブランドを使用し、活動していく。
 以下は各代表のコメント。

兒玉義則・スヴェンソン社長
「丹羽選手は、プレー中は感情を表に出さないが人一倍負けず嫌いと内に秘めた闘争心がある。世界のトップレベルの技術の持ち主なので、これから世界で活躍することを期待してます」

松下浩二・ヤマト卓球社長
「丹羽選手は小学生の頃から高いポテンシャルを持っていた。世界ジュニア、ユース五輪、全日本選手権でも優勝した実績を持った選手で、世界ランキングも13位。VICTASとして丹羽選手をサポートし、彼のノウハウを商品作りに生かして、日本と世界の市場を変えていきたい」

丹羽孝希(明治大)
「この度、スヴェンソンさんとヤマト卓球さんと1月1日から5年間の契約を結ぶことができました。世界選手権とオリンピックで結果を残し、大きく飛躍していきたい。
 ぼくは今まで10年間バタフライさんと契約していましたが、一つのブランドのトップランナーでいたかったので、今回VICTAS(ヤマト卓球)と契約することにしました。実際に、VICTASのラケット、ラバーを使っているのですが、ぼくが試合で一番大切にしているサービスの切れ味やカウンターで良い感触だったので、これなら契約できると思いました」

  • 左からスヴェンソン兒玉義則社長、丹羽孝希選手、ヤマト卓球松下浩二社長

 以下は全日本チャンピオン、世界ランキング6位の水谷隼(beacon.LAB)がプロリーグについて語ったコメントの続きだ。

 協会の人たちや松下さんはプロリーグができれば選手はみんなが参戦すると思っているのではないか。1千万円ほど出せば日本の選手はやるはずだと勝手に思い込んでいるのではないか。今、日本のレベルは上がっているから1千万円くらいでは日本選手の中には参戦しない人も出てくると思う。だから選手にヒアリングをしてどのくらいの報酬、どのくらいの試合数を希望しているのかなど調査すべきではないだろうか。
 今は松下さんがこのくらいあれば選手はやるだろうという予想でシミュレーションをしているのかもしれないけれども、それと選手の希望は違っているのではないか。「プロリーグをスタートします。報酬はこのくらいです」と言われて、実際にそれで満足できない日本選手がいるかもしれない。プロ選手が条件の良いほうに流れていくのは仕方ない。
 海外のプロクラブと同じ条件とか、それより少し下回る条件なら日本でやります。あとは試合数。ブンデスリーガみたいに試合数が多かったら日本ではやらない。
 自分がブンデスリーガでプレーしていた時期は多い時で4千人から5千人くらい観客が入って盛況だったし、フランスのプロリーグも盛り上がって良かったと思う。超級リーグ(中国)みたいに、1チームに国家チームの選手は一人だけしか入れないようなルールにしないと、今の日本リーグみたいに優勝、準優勝チームが何年も同じというようにマンネリ化してしまうのではないだろうか? 
 強いチームがあまりにも偏ると、ファンの方々の応援にも力がはいらないのではないだろうか? 優勝できないとわかってるチームにスポンサーはお金をだすだろうか? 問題はまだまだ山ほどあると思う。(水谷談)

*写真は2013〜14年シーズン、ロシアリーグでプレーする水谷


  • 「日本のプロリーグは問題は山ほどある」と語る水谷

 王国WEBで何度もプロリーグを取り上げてきたが、吉村真晴選手に続いて日本のエース、全日本チャンピオン、世界ランキング6位の水谷隼(beacon.LAB)が語った、プロリーグについて語ったコメントは以下の通りだ。2回に分けて掲載する。


 日本の卓球界にとっては「プロリーグ設立」は最優先事項だと思う。選手の立場で言っても最優先されることだと思っている。
 プロチームがあればまとまって練習ができる。フルタイムでできる。そして定期的に試合ができる。そういう練習環境、試合環境のプラス面はある。それに日本にプロリーグがあれば、自分の家族やサポーターの人が応援に駆けつけてくれる。
 今海外のプロリーグでプレーしていて感じるのは、長時間の移動と時差がきつく、年間で言えば約2カ月間ほどの時間を移動で使っている。日本にプロリーグができれば移動時間に費やす時間が減り、練習ができるようになる。
 孤独の中で言葉も覚えながら 海外でのプロリーグでメンタルが養われるのは数年で十分なのだ。現段階では海外のプロリーグのほうが報酬も良い。プロ選手としては報酬の多いクラブでプレーするのは当たり前で、もし日本のクラブがそれに近い報酬を出せるのであれば日本でプレーする可能性もある。ただ、協会やプロリーグの準備室、松下浩二さんはぼくらの報酬を知らないと思うし、直接ヒアリングもしていない。
 今プロリーグができても、選手は実態がわからないから行かないかもしれない。本気度が見えてこないから関心がない。本当にプロリーグを作るのであれば、まずプレーするであろう選手にヒアリングをしてほしい。日本のプロリーグにはもともと興味があったのだが、今は関心がなくなった。日本リーグを気にしすぎたら前に進まないだろうし、協会が本気でやるのかどうかが疑問だ。 (続く)
  • 13〜14年シーズン、ロシアリーグ「UMMC」でプレーする水谷

 昨年、12月に国際大会からの引退を表明した46歳の「レジェンド」、J.セイブ(ベルギー)。新年1月5日、ベルギー王室に招待を受け、フィリップ国王を訪問した。

「ラケット4本を持っていきました。国王の子どもたちが少し卓球をすると聞いていたので、贈り物として選びました。フィリップ国王から今までで最高の出来事は何かと、これから何をするつもりかとの質問をいただきました。また、私の成功と国への貢献に感謝と祝福のお言葉をいただき、卓球の技術的な話も少ししました。」とベルギーのスポーツ記者に語ったセイブ。
 
 国王からセイブには国王夫妻のサイン入り写真が贈られた。
「これは自分の事務所に飾りたいね」(セイブ)。
国王からの贈り物は、セイブが長年に渡り培ってきたものの偉大さの証なのだろう。

 リオ五輪で選出される、国際オリンピック委員会のアスリート委員4席の候補者、24人のひとりに現在選ばれているセイブ。選手としては国際舞台から退いたが、「レジェンド」の活躍はこれからも続きそうだ。

情報提供:ITTF
写真提供:ITTF(Philippe Saive)



  • サイン入りラケットを贈ったセイブ(左)とフィリップ国王

 すでにリオ五輪代表に内定している丹羽孝希選手(明治大)が、前スポンサーのタマスとの契約を終了し、1月1日付でヤマト卓球(松下浩二社長)とアドバイザリー契約を結ぶことを本日発表した。同時に、ウィッグや健康関連会社のスヴェンソン(児玉義則社長)とも契約を結んだ。

 「自分がVICTASブランドのトップランナーとして先頭に立ちたいという思いは選手として持ってました。誰かの後ろにいるのではなく、ひとつのブランドのトップに立ちたいとずっと思っていました」と丹羽選手はコメントしている。「今年は五輪イヤーなので、用具のことを考えてもう1年待ったらどうだというアドバイスももらいましたが、今しかないと思いました」。
 日本のトップ選手は用具のこともあり、タマス社との契約をするのが主流になっていたが、異端児とも言われる丹羽選手はその常識を覆したことで卓球市場にも大きな影響を与えそうだ。
 ヤマト卓球とスヴェンソンによるビッグオファーが噂されているが、「日本選手は世界ランキングを考えても契約金が安いのでは」という声は以前から海外でもあった。プロフェッショナルとしての高待遇は選手への刺激にもなるだろう。

 ヤマト卓球の松下社長はコメントを発した。
「今年は丹羽選手にとって大事な年になりますが、そのタイミングで契約できてうれしいです。用具も違和感なく使ってもらえているし、今後は全面的に彼をサポートしていきたい。これから世界のトップ選手としての彼のノウハウを商品作りにも生かすことで日本、いや世界の卓球市場を変えていきたいと思います」。
 普段は試合でも緊張しない丹羽選手は「新契約によって今まで以上に結果を求められるので頑張ります」とコメントしているが、トップランカーではあるがやや停滞気味だった丹羽孝希選手にとって、今回の契約が新たな転機になるかもしれない。
  • 丹羽選手(左)とヤマト卓球・松下浩二社長

  • 丹羽選手(左)とスヴェンソン・児玉義則社長

 ロシア・プレミアリーグのUMMCでエースとして活躍する水谷隼選手(beacon.LAB)が、来シーズンは同じプレミアリーグのオレンブルクと契約したことが明らかになった。契約期間は1年間。

 世界ランキング4位のオフチャロフ(ドイツ)、同11位のサムソノフ(ベラルーシ)、地元ロシアのスミルノフやクズミンを擁し、男子ECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)では昨シーズンを含めて3回の優勝を誇るオレンブルク。天然ガスの生産・供給では世界最大を誇るガスプロムという巨大スポンサーをバックに、ヨーロッパ屈指の強豪クラブへと成長してきた。

 UMMCとオレンブルクはプレミアリーグの2強として、激しい優勝争いを繰り広げてきた宿命のライバル。これでプレミアリーグには、オレンブルクの「1強時代」が到来することになるだろう。両チームは今月行われる男子ECLの準々決勝で対戦するが、水谷選手にとっては普段にも増してハードな戦いになりそう。しかし、これもプロ選手の宿命だ。

 水谷選手のチームメイトとなるオフチャロフは、自身のフェイスブックで次のようにコメントしている。「友人であり、古くからのライバルでもあるジュン・ミズタニがともにオレンブルクのために戦ってくれることになった。クラブと来季の契約を結んだんだ。彼と同じクラブでプレーできて、とてもうれしいよ。Welcome,Jun!」
  • 14年ワールドツアー・グランドファイナルでの水谷とオフチャロフ

 12月26日に埼玉県・越谷市立総合体育館で行われた全国ろうあ者(聴覚障害者)選手権大会で望月翔太(神奈川)と佐藤理穂(東京)が優勝。望月は2年振り3度目、佐藤は5年振り2度目の優勝となった。上位の結果は下記のとおり、

【男子】
1位:望月翔太(神奈川)
2位:伊藤優希(広島)
3位:灘光晋太郎(東京)
4位:井藤博和(千葉)

【女子】
1位:佐藤理穂(東京)
2位:川崎瑞恵(東京)
3位:牧山洋子(群馬)
4位:長田恵(大分)

 1日で12人の総当たりのリーグを戦った男子を制したのは2年前の王者・望月。最終戦で昨年優勝の伊藤にフルゲームで勝利し、見事王者返り咲きを決めた。普段は神奈川県のろう学校で教諭をしている望月。応援に駆けつけた生徒が見守る中、優勝を決めて、ベンチで号泣する姿が印象的だった。優勝した望月は来年トルコで開催される世界ろう者選手権日本代表に内定。「今年は世界で戦えなかったので、世界選手権でその悔しさをぶつけたい」と優勝後に語った。
 女子は2013年デフリンピックダブルス準優勝など、上田萌とともに日本代表として活躍した佐藤がその実力を見せつけ全勝優勝。東京富士大卒業後は、一時は競技から離れていたが、「まわりの選手の頑張りを見ていたら、もう一度出場しようという気持ちになった」と今大会でカムバック。昨年初優勝を果たした日本女子のホープ・川崎との試合では、代表の後輩に勝負の厳しさを教えるようなプレーで完勝。別格の強さを見せて5年振りの優勝を飾った。

 なお、この大会の模様は卓球王国3月号(1月21日発売予定)に掲載いたしますのでお楽しみに!
  • 男子1位・望月翔太

  • 女子1位・佐藤理穂

  • 男子2位・伊藤優希

  • 女子2位・川崎瑞恵

 12月23日より広島グリーンアリーナで開催されていた2016世界選手権クアラルンプール大会女子選考会が終了。浜本由惟(J0Cエリートアカデミー/大原学園)が優勝し、初の世界選手権代表に内定した。試合の結果は下記のとおり。

【準決勝】
浜本由惟 4-3 前田美優(日本生命)
森薗美咲(日立化成) 4-0 平野早矢香(ミキハウス)

【決勝】
浜本由惟 4-2 森薗美咲


 浜本は準決勝で前田に対し、1-3とゲームをリードされるも逆転で勝利し決勝進出。決勝序盤は森薗のバック連打に圧される展開もあったが、徐々に懐の深いバックでラリーの主導権を奪い返し、威力あるフォアドライブを厳しいコースへ打ち込み森薗に勝利した。
 今大会はコース、威力ともに成長した両ハンドドライブに加え、メンタル面でも成長を見せた浜本。以前はやや不安定な部分もあったが、村上女子日本代表監督が「ドイツでプレーするようになってから、精神的に自立した」と評したように、今大会ではどんな場面でも弱気になることなく、自らのプレーを貫き通し、初代表の座を掴みとった。

浜本コメント
「うれしいけど、まだ実感がわかない。(トーナメントからの出場で)リーグを勝ち上がってきた選手と対戦するのは、雰囲気がわからないので緊張した。(決勝は)森薗さんには一度も勝ったことがなかったし、強い選手なので、リードしてもリードされても、つねに向かっていくプレーを心がけた。今まではリードされたり、流れが悪くなるとズルズルいってしまったのが、今回は立て直して戦えた。そこは成長したと思う。ブンデスリーガに参戦して、ヨーロッパの選手と打つ機会が多くなって、対応力もついた。ドイツに行ったことはすごくプラスになっている。世界選手権では中国に勝って優勝を目指したい」

村上日本代表監督コメント
「精神面に課題があり、やや伸び悩んでいた感のあった浜本だが、秋からドイツに行って一人で違った環境で練習、生活をすることを経験して大人になったように感じた。ここ最近はワールドツアーでも結果を出していたし、それが優勝という大きな結果につながった。プレースタイル的にも、以前は不安定だったフォアが安定してきて、そこからバックで勝負というスタイルができつつあると思う。毎年、40人近くの選手を集めて選考会を行っているが、選考会は強化合宿兼の意味合いもある。これまで何度も選考会を経験してきた浜本が結果を出してくれたのはうれしい」
  • 初代表を決めた浜本

  • 回転量の多い両ハンドで攻め抜いた

  • 優勝を決め、ベンチの劉コーチと抱擁

  • 森薗美咲は昨年に引き続き、あと一歩で優勝を逃した

昨日より広島グリーンアリーナで開催中の2016世界選手権クアラルンプール大会女子選考会。本日は第1ステージのリーグ戦が終了し、シード選手を加えた決勝トーナメントがスタート、ベスト4が出揃った。明日行われる準決勝の対戦カードは下記のとおり。

【準決勝】
前田美優(日本生命)vs 浜本由惟(JOCエリートアカデミー/大原学園)

平野早矢香(ミキハウス)vs 森薗美咲(日立化成)

ベスト4に一番乗りを決めたのは前田。若宮三紗子(日本生命)、早田ひな(石田卓球クラブ)とサウスポー2人を倒し準決勝進出。浜本は平野美宇(JOCエリートアカデミー)をストレートで下して勝ち上がった森さくら(日本生命)とのラリー戦に打ち勝った。
平野、森薗は準々決勝でともに佐藤瞳(札幌大谷高)、石垣優香(日本生命)と、カットマンに勝利し準決勝へ。2人ともに集中力の高いプレーを見せており、明日は好ゲームが期待される。



今回の日本リーグと準備室の間での「プレゼン資料は十分、不十分」という見解の相違は見ていて滑稽だ。今まで協会として何年も時間をかけてもこれなのか、という印象を抱いてしまう。 
 準備する前からいろいろと心配をする関係者はいるが、100%完璧で、100%安心な新規事業というものがビジネスの世界、スポーツの世界に存在するのだろうか。
 そんなものはない。すべての新規事業はリスクをともなう。そのリスクを最小限に食い止める方策を準備しておけばよいのだ。スタートする前から「これできるのかな、大丈夫かな」という心配だけが先行する人はこのプロジェクトから去るべきではないのか。「プロリーグはできる」「プロリーグは卓球界に必要」と思う人だけが達成に突き進んでいくべきだろう。

 まだ「設立準備をしていいかどうか」が議論されている状態で、プロリーグの具体策を論じることはできない。ただ言えるのは「将来の卓球界のためには必要」という大きな絵が見えるだけだ。そして、できるならば東京五輪前に、少しでも早くスタートをしてほしい。
 もちろん日本卓球協会として、プロリーグ設立に向けてお金をかけるということは登録している卓球愛好者のお金を使うことを意味する。それが日本の卓球界の将来のためになる事業で、競技力向上と卓球の普及、卓球というスポーツの社会貢献という前提があれば大いに使うべきではないか。

 プロ選手を目指す人にとって、時間が最も大切だ。「検討継続、決定先延ばし」などという協会の報告に一番苛立っているのはトップ選手だろう。プロを目指す彼らにとってプロリーグ設立が遅くなることは「プロ選手寿命」を削られるのと同じなのだ。
 日本の卓球ファンは「卓球のプロリーグ」を待望している。国内でもトップ選手のスーパープレーを見たいと思っているし、少しでもリーグの様子をテレビなどのマスコミが流してほしいと思っている。
 プロリーグによって卓球のステイタスが上がれば、卓球愛好者や一般の人に「卓球」という話題が提供されるだろう。それはプロ選手だけでなく、日本リーガー、学生選手、愛好者にも良いことではないのか。

 もしかつての「ミスター卓球」荻村伊智朗のような剛腕・カリスマ指導者だったらこう言うはずだ。「卓球をメジャーにしよう。そのためのプロリーグならばすぐにやろう。1日24時間ある。君たちは寝る時間があるならば、寝る時間を削って設立の準備をすればいい」と。
 真の卓球メジャー化、プロ選手のための環境整備、競技力向上、普及発展のためのプロリーグ設立は「やるべきかどうか」ではなく、「やらなければいけない」 MUST事業だ。 (今野)