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 9月15日から徳島・アミノバリューホール(鳴門県民体育館)で行われている第52回全日本社会人選手権。大会第2日目に男女ダブルスが決勝まで行われ、男子ダブルスは松下海輝/藤村友也(日鉄住金物流)、女子ダブルスは森美紗樹/平野容子(豊田自動織機)が優勝を飾った。

 男子ダブルス優勝の松下/藤村は、決勝で鹿屋良平/有延大夢(リコー)の豪打に押され、2ゲームを先取される苦しい展開。4ゲーム目には9−10と先にマッチポイントを握られたが、最後まで粘り強く、集中力の高いプレーを見せた。

 「1・2ゲーム目はふたりとも緊張していて、決めなきゃいけないボールのミスが出たり、レシーブがあまくなったりしたけど、3ゲーム目を取れて開き直れた。逆に相手ペアの緊張も感じることができて、4ゲーム目からは気持ちが楽になった」と試合後の松下。一方の藤村は、小学生時代まで徳島で過ごした「ご当地選手」。まさに故郷に錦を飾る優勝となった。「向こうも硬くなっているのが表情でわかったので、こちらは相手より1本多く返すことを心がけました」と笑顔で語った。3位には松平賢二/平野友樹(協和発酵キリン)と横山輝/徳島剛(原田鋼業)が入った。

 日本リーグの実力派ペアが揃う女子ダブルスを制した森/平野は、フォア面に一枚ラバー、バック面に表ソフトを貼る森がクセ球と緩急でチャンスボールを引き出し、左腕の平野のパワフルなカウンターが炸裂。決勝では平侑里香/松本優希(サンリツ)をゲームオールで破った。2月の大阪オープンで3位に入って自信をつけたふたりが、日本リーグの女子2部で戦う豊田自動織機に、初の全国タイトルをもたらした。

 表彰でも満面の笑顔を見せた平野は、「正直ここまで来られるとは思っていなくて、一戦一戦目の前の試合だけを考えてやりました。大会前はお互い調子が良くなかったんですけど、一戦ごとに話し合いながらやるうちにかみ合ってきた」とコメント。森は「優勝は狙っていたけど、正直できるとは思っていなかった。なにより楽しんでプレーできたのが結果につながったかなと思います」と語った。3位は松澤茉里奈/高橋真梨子(十六銀行)と小道野結/永尾尭子(デンソー)。

 男女シングルスは、男子でベスト16、女子でベスト8が出揃った。明日、男女シングルスのチャンピオンが決定する。
  • 男子ダブルス優勝の松下/藤村ペア

  • 女子ダブルス優勝の森/平野ペア

  • 松下/藤村は粘り強いプレーで勝利を引き寄せた

  • 鹿屋/有延、4ゲーム目にマッチポイントを取るも、あと一歩及ばず

  • 森/平野は役割分担がしっかりしていた

  • 平/松本、決勝で惜しくも敗れた

合宿中の練習に歓声が沸き起こる

 9月12日(水)、宮城県塩釜市の塩釜ガス体育館で行われている卓球男子ナショナルチームの合宿は3日めを迎え、公開練習とそれに続けて中高校生を対象とした講習会が行われた。
 合宿初日の10日(月)に行われた公開練習のときよりも取材陣は少なめだったが、講習会があるためか観客は初日より多く、500人ほどが二階観客席に陣取った。

 午後2時半、ひとしきり体をほぐし終わった選手たちが軽く体育館をランニングし始めると、観客から拍手が起こった。ナショナルチームの練習が見たくて待ちきれない様子だ。ランニングをしただけで拍手されるというのは選手もなかなかない経験だろう。

 軽いランニングが終わると、田中礼人フィジカルコーチの号令の元、約20分間の筋力トレーニングが行われた。ステップを踏みながら床のロープを跨ぐトレーニングでは、2チームに分かれてバトンを使ったリレーで会場を沸かせた。故意か観客を意識してか、松平健太選手が大胆なステップの省略を見せたりして自然とコントのようになり、観客を大いに楽しませた。卓球では超絶的に速い動きを見せる丹羽孝希が意外にも足が遅いのは有名な話だが、こうしたトレーニングにおいても遅いのだろうか。倉嶋監督に聞くと「遅いです(笑)」とのこと。卓球は不思議だ。

 台についての練習が始まると、それまでの和やかな雰囲気は一転し、ウォーミングアップのワンコース練習からどよめきが起こった。凄まじい打球音とシューズが擦れる音、選手が出す気合の声、そして早回しかと思うような異常な弧を描いて相手コートに吸い込まれるボール。
 観客の視線は地元出身の張本智和の練習に集中したが、ファインプレーに大きな拍手が送られる一方、惜しいミスには遠慮のない「あー⤵」という嘆きの声が起こる。選手にとっては練習でも、観客にとってはショーなのだ。こうした普段の練習とは別の種類の緊張感を感じるのもこの合宿の目的のひとつなのだろう。

イジられキャラの上田仁と、練習後の握手

 この日の練習は、ウォーミングアップのラリー15分の後、各自が決めた課題練習7分半を相手と交代で6回ずつ正味90分というスケジュールだった。休憩は途中で5分入れただけだ。長すぎる休憩にすると体が動かなくなるため(倉嶋監督談)とのことだ。

 練習は午後4時半に終わったが、森薗政崇と張本が残り、それぞれ田添健汰、松山祐季を相手に練習を続けた。最後には張本だけになり、講習会が始まるぎりぎりまで練習を続けていた。初日と同じ光景だ。練習のペアは毎回倉嶋監督が決めているそうだが、張本とペアになった選手はこの調子で延長練習に付き合わされるのだろう。強いわけである。

 講習会には地元の小中高生が120人ほどが集まった。8台の卓球台にナショナルチームの選手やコーチがひとりずつ着き、子供たちが順番に1分間ずつの指導を受けるシステムだ。
 ただし人気抜群の張本だけは全員と打てるように「ひとり3球」に限られた。「張本はとても頭がいいので、3球見ればアドバイスができます」という倉嶋監督の説明には張本も思わず苦笑いした。

 各台での指導が始まると、意外に遠慮がちな子供たちの様子を見かねた倉嶋監督が「アドバイスもらわずに勝負を挑んでもいいんだからねー。上田仁になら勝てそうでしょ?」と高度なジョークを飛ばしたが、子供たちならずとも少々高度すぎた。よりによってなぜ上田仁(全日本社会人3連覇)なのか倉嶋監督に聞いてみると、イジられキャラなのだという。あの、スーパーフォアハンドドライブの上田仁がイジられキャラだとは。試合だけ見ていてはわからないものだ。

 今回の公開練習を通して、練習が終わる度に相手と握手をする光景が目についた。試合後に握手するは当然としても、練習後の握手というのは見たことがなかったので倉嶋監督に聞くと、特に指導したわけではなく自然に定着したものだという。海外の選手はこれが普通なので、それが広がったのかもしれないとのこと。おそらくそうなのだろう。

 イジられキャラだと聞いて勝手に親近感を増した上田にも握手の件を聞いてみると、母体の実業団チームでも定着しているという。ナショナルチームに選手を出すような母体には広がっているということなのだろう。この習慣を取り入れて、形だけでも「ナショナルチーム風」にしてみるのもよいのではないだろうか。 
(卓球王国コラムニスト・伊藤条太)
  • ウォーミングアップに励む男子選手

  • 地元の子どもたちを集めて講習会を行った

  • 講習会での倉嶋監督

  • 地元のヒーロー、張本へのチャレンジマッチ

9月23日(日)に『水谷は無駄な練習をやらないDVD』(水谷隼・監修)の発売を記念して、【水谷隼選手サイン&握手会】を開催予定です。

お店で『水谷は無駄な練習をやらないDVD』(6,000円+税)を購入してサインしてもらおう!
当日、書籍『卓球王 水谷隼の勝利の法則』・『負ける人は無駄な練習をする』いずれかを購入してもサインしてもらえます。

当日の予定は下記のとおり(時間が多少前後する場合あり)。
詳細は各店舗にお問い合わせください。

2018年9月23日(日)
11:00〜12:00
 国際卓球 高田馬場本店
 東京都新宿区高田馬場1-28-18 和光ビル1F  TEL:03-3205-1601

14:00〜15:00
 クニヒロ卓球 荻窪店
 東京都杉並区上荻1-18-13 文化ビル B1F  TEL:03-3393-2731

16:00〜16:30
 唐橋卓球 代々木店
 東京都渋谷区代々木1-13-3  TEL:03-3379-5151

17:00〜18:00
 国際卓球 渋谷店
 東京都渋谷区道玄坂1-15-3 プリメーラ道玄坂1F  TEL:03-3463-1660

19:00〜20:00
 T4 TOKYO
 東京都渋谷区神南1-12-16 ASIA BUILDING 1F  TEL:03-6452-5743  Eメール:info@svensonsm.co

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「後悔」という言葉さえ口にする張本は
一体どこに向かっているのだろう

 一見、お調子者に見える吉村だが、この男がどれほどの苦境から這い上がってきたかを我々は知っている。高校3年生のとき、全日本選手権の決勝で、5連覇中の王者・水谷を破り一躍トップ選手の仲間入りをしたが、その後、成績が低迷し、2014年の世界選手権東京大会では代表から外された。「吉村は終わった」という声も聞かれた。そのどん底から這い上がってのリオ五輪団体銀メダルと昨年の世界選手権混合ダブルス金メダルだった。
 現在世界ランク26位で、日本選手の中では上から5番目。陽気な笑顔に隠された不屈の闘志で東京五輪の枠3名を狙うこの男を応援せずにはいられない。

 しかし、もっとも強烈な存在感を示したのは、やはりこの男、張本智和だった。15歳の中学3年生にして全日本チャンピオンかつ世界ランク8位。五輪チャンピオン、前五輪チャンピオン、そして世界ランク1位までをも倒した男。
「今の自分の現在地(実力)をどう評価しているか」という記者の質問に対して張本は「満足はまったくしていませんし、まだまだ上に行けたなという後悔もありますが、ここまで来られた嬉しさも少しある」と答えた。なんたる率直さ。世界の頂点になることしか眼中にないこの少年には、驕りや謙遜といった凡俗なものは必要ないのだろう。それにしても、世界卓球史に類を見ない異常な成長をしていながら「後悔」という言葉さえ口にするこの少年は一体どこに向かっているのだろう。世界選手権で金メダルを獲っても、オリンピックで金メダルを獲っても満足しないのではなかろうか、そんな心配、いや、不安さえ覚えた。

 張本は練習でも異彩を放っていた。練習は休憩を入れて約2時間半だったが、張本は前半こそ他の選手たちと同じように、ラリーを主体とする練習をしていたが、後半になると様子が変わった。
 トレーナー選手にネット際に短くボールを送ってもらい、それを「チキータ」と呼ばれるバックハンドで打ち込む練習、それだけを徹底的に行っていたのだ。それも安定重視の練習ではない。「うっ」とも「えっ」ともつかないうめき声を発しながら一発で抜き去る全力強打の練習だ。トレーナーが送るボールの高さは、張本が打つ時点でネットの上端とほぼ同じ。よほど強い前進回転をかけなければあの球速のボールは相手のコートに収まってはくれない。実際、張本をもってしても半分しか入ってはいなかった。しかし球速を緩めようとはしない。球速を保ったまま入る確率を上げようという明確な意思がそこにはあった。これを延々1時間、最後には他の選手が練習を終わっていなくなった中、ひとりそれを続けた。

 「チキータ」が張本の大きな武器であることは周知の事実だ。なぜそれほどまでに張本の「チキータ」は威力があるのか。「そういう練習をしているから」という単純な事実がそこにあった。あらためてそれを確認することができた、公開合宿であった。 (卓球王国コラムニスト・伊藤条太)
  • 宮城県塩釜で行われている男子ナショナルチーム合宿

  • 宮城県生まれの張本はチキータの練習を繰り返す

「Tリーグ初戦は勝たせていただきます」(水谷)。
「僕ら今バチバチなんで」(吉村)

 9月10日(月)から、宮城県塩釜市の塩釜ガス体育館にて、卓球男子ナショナルチームの合宿が始まった。14日(金)までの5日間の予定で、初日の10日、記者会見および公開練習が行われた。
 卓球の場合、ナショナルチームといっても、そのチームで何かの大会に出るわけではない。国内のトップ選手を集めて定期的に合宿をし、日本選手の国際競争力を向上させる、そのための器をナショナルチームと呼んでいるだけである。つまり、日本のトップ全員を集めたのがナショナルチームなのである。

 通常、ナショナルチームの合宿は、東京都北区にある「味の素ナショナルトレーニングセンター」で行われるが、選手のモチベーション向上や観客がいる中でプレーすることによる緊張感の付与、そしてファンサービスなどの目的で、遠隔地で行われる場合もある。今回の塩釜合宿はそのひとつだ。

 現在、男子ナショナルチームには9名の正規選手と23名の候補選手が名を連ねている。今回の合宿には、張本智和(15)、水谷隼(29)、吉村真晴(25)といった有名選手を含む正規選手8名と、候補選手3名の合計11名が参加している。
午後1時、小雨がちらつく中、到着したマイクロバスから選手たちが現れると、体育館の入り口で横断幕を持って待っていた子供たちや卓球ファンたちから歓声が上がった。

 間もなく行われた記者会見には、倉嶋洋介監督と上記3人の選手が参加した。取材陣は40名ほどだった。
 注目の水谷は、1ヶ月ほど前にアレルギー鼻炎のため鼻の手術をしたので、この合宿が1ヶ月ぶりの練習であり、もとの状態に戻すことが先決だと語った。

 会場に笑いが起こったのは、記者からの質問が10月に開幕するTリーグに及んだときだ。Tリーグへの参加は選手個人の判断によるが、結果として、ナショナルチームの9名全員が4つのチームに分かれて参戦することが決まっており、互いに敵同士になる。
『木下マイスター東京』として参戦する水谷が、隣の吉村を指しながら「初戦で対戦する『T.T彩たま』には勝たせていただきます」と言えば吉村が「見ての通り、僕ら今バチバチ(の緊張関係)なんで」と続けて笑いを誘った。
 
 水谷のスター性は今さら言うまでもないが、吉村のサービス精神にはいつも感心させられる。それは練習が始まってからも発揮された。観客席から「選手の皆さん、自己紹介お願いします!」という声が飛ぶと(練習中の選手に対してかなり無茶なリクエストではある)、すかさず吉村が練習を止めて直立し「『T.T彩たま』の吉村真晴です!よろしくお願いします!」と声を張り上げた。後に続く選手はなく、照れる吉村に満場の拍手と笑い声が起こった(その後、倉嶋監督がマイクを使って全員の紹介を行った)。
  • 宮城県のファン、そして大勢のマスコミが選手を迎えた

  • 会見でのNT男子。左から倉嶋監督、張本、水谷、吉村

 10月24日、25日、両国国技館で開幕するTリーグ。
 そのTリーグで使用される卓球台と公認ボールが決定した。日本の卓球専門メーカー4社がTリーグをサポートしていく。

●Tリーグ男子使用球 バタフライ(タマス)
●Tリーグ男子卓球台 VICTAS
●Tリーグ女子使用球 ニッタク(日本卓球)
●Tリーグ女子卓球台 ヤサカ

 
 卓球新リーグ『Tリーグ』開幕を来月に控えた本日(9月8日)、千葉・イオンモール幕張新都心にてTリーグのイベントが開催された。
 Tリーグに参戦する吉村真晴選手(T.T彩たま)、松平賢二選手(琉球アスティーダ)、坂本竜介監督(T.T彩たま)が、観客とのチャレンジマッチやエキシビションマッチなどを行い、多くの観客を楽しませた。さらにサイン入りのTリーグポスターやペアチケットが当たる抽選会も行われるなど、卓球とTリーグをアピールする良いイベントとなった。
  • チャレンジマッチの様子。松平賢二選手に挑戦!

 Tリーグ男子「 T.T.彩たま」のチーム披露、設立記念パーティが、9月28日(金)に埼玉県浦和で行われる。選手紹介はもちろん、エキシビジョンマッチなども行われるとのこと。
 今回は、チームのファンにも開放するとのことで、一般の方もパーティに参加できる。

●日時 9月28日(金) 16時受付 17時開会
●場所 浦和ロイヤルパインズホテル ロイヤルクラウン(4階)
●主催 T.T.彩たま株式会社
●会費 お一人 1万円
●参加人数 約800人
●出席予定選手 吉村真晴・岸川聖也・平野友樹・アポロニア

*パーティ参加希望者連絡先
メール:suefuji@ttsaitama.jp
電話:048-814-1226(担当者 町田、末藤)


  • 吉村真晴

  • アポロニア

 10月に開幕するTリーグに、吉村和弘選手、平野友樹選手が参戦することがわかった。

 岡山リベッツは、9月1日、吉村選手と正式契約したことをツイッターで発表。岡山リベッツはすでに上田仁、吉田雅己、森薗政崇、柏竹琉、横山友一、李尚洙(韓国)という6選手と契約をしており、吉村選手の加入でメンバーは7名となる。

 9月3日には、T.T彩たまが平野選手の加入を公表。これによりT.T彩たまのメンバーは、黃鎮廷(香港)、鄭栄植(韓国)、アポロニア(ポルトガル)の海外3選手と、吉村真晴、岸川聖也、そして平野という日本3選手という布陣となった。


 同リーグのチケットは9月2日に一般販売もスタート。サイトで日程をチェックしてぜひ観戦にいこう!


■Tリーグオフィシャルサイト
https://tleague.jp/