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 明日11月28日から29日にかけて神奈川・横浜武道館で開催される全日本学生選抜強化大会。新型コロナウイルス感染症の影響により中止となった全日学、全日学選抜の代替大会として行われるこの大会は、全国各地の学生卓球連盟から選ばれた選手たちが優勝を争う。新型コロナウイルス感染症予防の観点から無観客での開催となっているが、試合の模様をLabo Liveが無料でライブ配信。
 大会には昨年の全日学選抜優勝・木造勇人(愛知工業大)、全日本選手権3位の戸上隼輔(明治大)、鮮烈なTリーグデビューを果たした木村香純(専修大)、1年生で関西学生女王に輝いた皆川優香(大阪成蹊大)などが出場予定。学生界トップレベルの戦いをぜひ視聴してほしい。

◆Labo Live
https://labolive.com/special/jsttf-selection-2020
  • 昨年の全日学選抜男子チャンピオン・木造勇人

  • 昨年の全日学選抜女子チャンピオン・木村香純

 マカオで開催中の「WTT(ワールド・テーブルテニス)マカオ」は2日目が終了。予選ラウンドである「バトル2」とシードを決める「トップ4シードバトル」の順位決定戦が行われ、優勝決定トーナメントである「エリミネーション・ファイナルズ」に進出する選手が決定した。

【WTTマカオ 2日目】
〈男子〉
●バトル2
※11ポイント先取の5ゲームズマッチ。5ゲーム目以外はジュースなし
方博(中国) 7、10、-2、-10、11 林昀儒(チャイニーズタイペイ)
ファルク(スウェーデン) 5、10、10 ツボイ(ブラジル)
王楚欽(中国) 6、4、-6、5 黃鎮廷(香港)
鄭栄植(韓国) -6、8、8、-9、5 ピッチフォード(イングランド)

●トップ4シードバトル・順位決定戦
※5ポイント選手の5ゲームズマッチ。ジュースはなし
1・2位決定戦:許昕(中国) -1、2、4、-3、2 馬龍(中国)
3・4位決定戦:林高遠(中国) -2、-2、3、1、2 カルデラノ(ブラジル)

〈女子〉
●バトル2
鄭怡静(チャイニーズタイペイ) 9、-8、5、-8、7 劉瑋珊(中国)
馮天薇(シンガポール) 5、4、6 リリー・チャン(アメリカ)
王芸迪(中国) 5、2、5 田志希(韓国)
陳幸同(中国) 8、8、3 杜凱琹(香港)

●トップ4シードバトル・順位決定戦
1・2位決定戦:王曼昱(中国) 0、-4、3、3 陳夢(中国)
3・4位決定戦:丁寧(中国) 1、2、-1、2 孫穎莎(中国)


 勝者がエリミネーション・ファイナルズに進出するバトル2では、男女8試合中、このラウンドから登場の選手7名が勝利。唯一、バトル1から勝ち上がりバトル2でも勝利を収めたのは方博だった。女子では鄭怡静が劉瑋珊から勝利を上げたが、エリミネーション・ファイナルズ出場の8名中6名が中国勢となっている。
 エリミネーション・ファイナルズのシードを決めるトップ4シードバトルは男子が許昕、女子は王曼昱が1位。今回のWTTが故障からの復帰戦となっている丁寧は、孫穎莎を下して復帰後初勝利をあげた。

 大会3日目の今日はエリミネーション・ファイナルズ準々決勝男女計8試合が行われる。


※写真提供:ITTF
  • エリミネーション・ファイナルズに第1シードで望む許昕

  • 王曼昱は先週のITTFファイナルズで敗れた陳夢にリベンジ

  • 唯一バトル1からバトル2を勝ち抜いた方博

  • 故障から復帰の丁寧は孫穎莎を下す

  • 鄭栄植はピッチフォードをフルゲームで振り切った

  • リリー・チャンから完勝を収めた馮天薇

 フランスが生んだ伝説的な選手のひとり、1977年世界選手権バーミンガム大会の混合ダブルスチャンピオンのジャック・セクレタンさんが11月25日に亡くなった。71歳だった。

 1976年にはヨーロッパ選手権で優勝し、フランス国内では1962年から1986年にかけて、62のタイトルを獲得したフランス卓球界のレジェンド。中陣でのしのぎが得意で、両ハンドでの粘りのドライブから仕掛けるカウンター攻撃を得意として、観客を沸かせるプレースタイルだった。

 現役時代からコミカルな卓球ショー「Ace of Ping」を始め、引退後も長く世界中を回って多くの人を魅了し、一時は「卓球のプロ選手として最も稼ぐ男」と呼ばれるほどだったセクレタンさん。卓球ショーは2007年まで行っていた。
 卓球ショーをセクレタンさんと主催し、50年近くの友人であるパトリック・モズィーラさんは「突然のことだ。昨日も電話で話をしていて元気だった。彼は、卓球のプレーを続けることはやめない。ラケットを持ち続けることが重要なんだ、といつも言っていた」と悲しみの中で語った。
 2024年のパリ五輪を前にして、フランス卓球界は、大きな星を失った。
  • 現役時代のジャック・セクレタンさん

  • 1977年世界選手権では、日本の田阪登紀夫・横田幸子ペアを破り、混合複で優勝。パートナーはベルジェ

 昨日よりマカオにて国際卓球連盟(ITTF)が主催する新たなツアーシリーズ「WTT(ワールド・テーブルテニス)」の第1戦が開幕。男女各16名が出場して優勝が争われている。
 このWTTでは、独自の試合方式を採用。「バトル1」「バトル2」「トップ4シードバトル」「エリミネーション・ファイナルズ」とラウンドが設けられているのだが、少々難解。ざっくりとした試合方式は下記のようになっている。

【バトル1】
・下位シード8選手同士が対戦し、勝利した4選手が「バトル2」進出
・ジュースなしの11点先取で5ゲームズマッチで試合を実施。5ゲーム目のみジュースを採用

【バトル2】
・第5〜8シードの4選手と「バトル1」を勝ち上がった4選手が対戦し、勝利した4選手が「エリミネーション・ファイナルズ」進出
・ジュースなしの11点先取で5ゲームズマッチで試合を実施。5ゲーム目のみジュースを採用

【トップ4シードバトル】
・第1シードvs.第4シード、第2シードvs.第3シードで試合を行った後、両試合の勝者同士、敗者同士で試合を行い順位を決定。その順位を「エリミネーション・ファイナルズ」のドローに反映
・ジュースなしの5点先取で5ゲームズマッチで試合を実施

【エリミネーション・ファイナルズ】
・第1〜4シードの選手と「バトル2」を勝ち抜いた選手の合計8名でトーナメントを行い優勝者を決定
・「トップ4シードバトル」の順位が上位の選手から順番に、「バトル2」を勝ち上がった選手の中から準々決勝の対戦相手を使命していく
・ジュースなしの11点先取で、準々決勝は5ゲームズマッチ、準決勝は7ゲームズマッチ、決勝は9ゲームズマッチで試合を実施。各ラウンドで最終ゲームにもつれた場合のみジュースを採用


 と、いうようにだいぶ複雑なルールと試合方式。上位シード4選手は無条件で「エリミネーション・ファイナルズ」に進出、それ以下の選手は「バトル1」「バトル2」を勝ち抜くと「エリミネーション・ファイナルズ」への出場権を得る。黒の卓球台とフロアマットを採用し、コートレイアウトも独特。加えて「トップ4シードバトル」では、オレンジボールで試合が行われた。今大会に日本選手の出場はなかったが、初日の昨日は男女「バトル1」と「トップ4シードバトル」の1試合目が終了。女子では故障で欠場が続いていた丁寧(中国)が復帰を果たしている。

【WTTマカオ・1日目】
〈男子〉
●バトル1
ツボイ(ブラジル) -4、6、8、8 趙子豪(中国)
黃鎮廷(香港) -8、10、7、-9、9 サレフ(エジプト)
方博(中国) 9、-8、3、7 ガルドス(オーストリア)
ピッチフォード(イングランド) -9、4、10、7 張禹珍(韓国)

●トップ4シードバトル・1試合目
馬龍(中国) -3、2、2、2 林高遠(中国)
許昕(中国) -4、-3、1、2、3 カルデラノ(ブラジル)

〈女子〉
●バトル1
田志希(韓国) 6、2、8 A.ディアス(プエルトリコ)
劉瑋珊(中国) -6、6、8、3 徐孝元(韓国)
リリー・チャン(アメリカ) 5、7、8 P.ゾルヤ(ドイツ)
杜凱琹(香港) 7、-7、8、-6、7 スッチ(ルーマニア)

●トップ4シードバトル・1試合目
陳夢(中国) 2、3、-4、1 丁寧(中国)
王曼昱(中国) 3、-1、-2、3、3 孫穎莎(中国)


※写真提供:ITTF
  • 試合前の練習タイムの演出。WTTはブラックとオレンジがテーマカラー

  • 卓球台、フロアマットも斬新な黒。コートも八角形に区切られている

  • トップ4シードバトルではオレンジボールで試合が行われた

  • WTTが故障からの復帰戦となった丁寧

  • バトル1で趙子豪を下したツボイ

  • 伏兵・サレフは黃鎮廷を苦しめる

【交通銀行2020 ITTFファイナルズ】
●男子シングルス決勝
馬龍(中国) 11、7、10、-9、8 樊振東(中国)

●女子シングルス決勝
陳夢(中国) 9、-11、12、8、5 王曼昱(中国)


 交通銀行2020 ITTFファイナルズは男女決勝が行われ、男子シングルスは馬龍、女子シングルスは陳夢がタイトルを獲得した。1週間前に行われた男子ワールドカップ決勝の再戦となった男子シングルス決勝。その際は樊振東がフルゲームで勝利していたが、今回は馬龍がリベンジ。前回の対戦同様に「超」がつくほどのハイレベルがラリーを繰り広げた両者だったが、馬龍がプレーの精度で樊振東を上回り、自身の持つワールドツアー・グランドファイナル(今回はファイナルズとして開催)最多優勝記録を更新する6度目の優勝を飾った。

 女子シングルスは女子ワールドカップに続き、陳夢がV。陳夢はこの優勝でワールドツアー・グランドファイナル4連覇を達成。これは史上初の快挙であり、張怡寧(中国)の持つ女子最多優勝記録に並んだ。準決勝で伊藤美誠を破って勝ち上がってきた王曼昱との決勝は、序盤の3ゲームが僅差となるも、勝負所でミスが目立った王曼昱に対して抑えるポイントでしっかりポイントを重ねた陳夢が勝利を収めた。陳夢は10月の全中国選手権、女子ワールドカップ、ITTFファイナルズと直近の3大会すべてで優勝。丁寧、劉詩ウェンが故障で大会出場を見合わせている中で、東京五輪に向けて大きく前進したと言えるだろう。

 この後、11月25日からがマカオにて国際卓球連盟の新しいトーナメントシリーズ「WTT(ワールドテーブルテニス)」の第1戦「WTTマカオ」がスタートする。この大会を持って「RESTART」シリーズは一旦幕を閉じる。


※写真提供:ITTF
  • 男子シングルス優勝の馬龍(右)と準優勝の樊振東

  • 女子シングルス優勝の陳夢(右)と準優勝の王曼昱

  • 1週間前のリベンジを果たし、馬龍が吠えた

  • 先輩・馬龍に屈し、2連覇ならず

  • 直近3大会すべてで優勝と圧巻の強さを見せている陳夢

  • 決勝へ進んだ王曼昱だが、初タイトルはお預け

 11月3、21日に京都・島津アリーナ、大阪・池田市五月山体育館で関西学生新人大会が開催され、男子シングルスは吉田勝紀(関西学院大)、女子は三浦千緋呂(同志社大)が優勝を飾った。

【男子シングルス】
優勝:吉田勝紀(関西学院大/遊学館高卒)
準優勝:津村優斗(関西大/鳥取敬愛高卒)
3位:高須航(立命館大/愛工大名電高卒)、久世雄登(同志社大/知立東高卒)

【女子シングルス】
優勝:三浦千緋呂(同志社大/四天王寺高卒)
準優勝:山形あすか(近畿大/山陽女子高卒)
3位:榎谷優香(神戸松蔭女子学院大/鹿児島城西高卒)、田村美佳(立命館大/育英高卒)


 男子シングルス決勝は9月に行われた関西学生選手権の再戦となり、吉田がリベンジを果たしてV。決勝は吉田がゲームを取っては津村が次のゲームを奪い返すクロスゲームとなったが、最終ゲームは吉田が突き放して優勝をつかんだ。関西学院大の男子シングルス優勝は2017年大会の大西尚弥以来3年ぶり。

 女子シングルスは四天王寺高出身の三浦が高い実力を見せて優勝。三浦は準々決勝の河野(立命館大)戦、準決勝の榎谷戦にフルゲームで勝利。決勝はストレートで快勝して頂点に立った。高校の先輩でもある塩見紗希以来の新人戦女子シングルスのタイトルを同志社大にもたらした。「緊張感のある試合が続き、疲れましたが、優勝できて良かったです」と三浦。11月28、29日に開催される全日本学生選抜強化大会(無観客開催)でもこの調子でプレーしたいと語った。

◆写真提供:関西学生卓球連盟/馬渡卓也
※表彰写真に関しては会話せずにマスクを外して撮影
  • 男子シングルス入賞者:(左から)吉田勝紀、津村優斗、高須航、久世雄登

  • 女子シングルス優勝者:(左から)三浦千緋呂、山形あすか、榎谷優香、田村美佳

  • 男子シングルス優勝:吉田勝紀

  • 女子シングルス優勝:三浦千緋呂

  • 男子シングルス準優勝:津村優斗

  • 女子シングルス準優勝:山形あすか

  • 男子シングルス3位:高須航

  • 女子シングルス3位:榎谷優香

  • 男子シングルス3位:久世雄登

  • 女子シングルス3位:田村美佳

【交通銀行2020 ITTFファイナルズ】
●女子シングルス準決勝
陳夢(中国) 9、8、8、10 孫穎莎(中国)
王曼昱(中国) 3、4、9、6 伊藤美誠

●男子シングルス準決勝
樊振東(中国) 8、4、−13、8、5 張禹珍(韓国)
馬龍(中国) −11、9、9、8、7 許シン(中国)

ITTFファイナルズの大会第3日は、男女シングルスの準決勝が行われ、日本勢で唯一勝ち残っていた伊藤美誠は王曼昱に0−4で敗戦。昨年に続く3位で大会を終えた。

176cmの長身を誇る王曼昱。高い打球点から放たれるバックドライブは強烈で、伊藤の左右への揺さぶりにも確実に対応し、先にストレートへ厳しく攻められた。かつては体が左右に倒れる場面が多く、体勢を崩しやすかった王曼昱だが、豊富なトレーニング量をこなすことで体幹の強さも加わっていた。伊藤としては7−10から9−10まで挽回した3ゲーム目を取り、反撃に出たかったが、9−11で惜しくも落とした。

試合後は中国メディアから矢継ぎ早に質問を浴びせられ、取材時間は30分以上に及んだ伊藤。中国女子の最大のライバルとして、中国でもその存在感はより大きなものになりつつある。女子ワールドカップの初戦ではやや緊張感も感じさせたが、試合を重ねるにつれて硬さも取れ、より進化した姿を見せてくれた伊藤。今回の敗戦を糧に、さらなる成長を期待したい。

★準決勝後の伊藤美誠のコメント
「王曼昱選手はすごく攻撃的な選手で、それは最初からわかっていたんですけど、自分の展開に持っていける場面が少なくて、点数も取れなかった。1本を取ること、1ゲームを取ることを目標にしていたので、0−4という結果についてはすごく差があるなと感じました。ただ、このままでは王曼昱選手には一生勝てないなと思ったので、また工夫してやり直していきたい。

 王曼昱選手がすごく攻めてきて、自分自身が攻め切るところまでいかなかったし、サービスで崩すのも難しかった。相手のサービスも際どいコースにコントロールしてきて、細かい部分で負けていたので、大きい展開になっても難しさがあった。

 王曼昱選手とは小さい頃から戦ってきていて、本当にすごく努力家だし、練習量も多い。コーチと熱心に練習している姿を何回も見てきているし、本当に実力が上がってきているのがわかる。ボコボコに負けて吹っ切れてはいるんですけど、自分をしっかり見直したい。前のワールドカップの時より、自分のプレーは良くなっていたし、中国選手との試合は得るものがたくさんあるので、しっかり練習して、中国選手との試合を楽しみにしたい」

一方、男子シングルスは樊振東と馬龍が決勝へ勝ち上がった。樊振東は試合後、「この試合に向けて十分な準備はしてきましたが、それでも非常にタイトな試合でした。勝つことはできましたが、ベストなパフォーマンスができたとは考えていません」とコメント。4−1の完勝にも満足しなかった。馬龍と許シンは直近の対戦(20年ドイツオープン)では許シンが4−0で勝利していたが、今回は馬龍が4−1で快勝。改めて「馬龍健在」をアピールしている。

※写真提供:ITTF
  • 王曼昱に0−4で敗れた伊藤。中国選手を連破していくのは容易ではない

  • サービスの長短で揺さぶりたかったが、長身の王曼昱は崩れず

  • 勝利の瞬間、感情を露わにした王曼昱

  • 女子ワールドカップに続く勝利。陳夢は「孫穎莎攻略法」を見つけたか

  • 樊振東は張禹珍を4−1で下す

  • 男子ワールドカップと同様、樊振東と決勝で相まみえる馬龍

  • 馬龍と許シン、国際大会では何度目の対戦になるか……

【交通銀行2020 ITTFファイナルズ】
●男子シングルス準々決勝
樊振東(中国) 6、11、7、−9、9 カルデラノ(ブラジル)
張禹珍(韓国) 7、−10、−1、7、10、−8、6 林高遠(中国)
馬龍(中国) 5、−7、−5、6、9、11 ファルク(スウェーデン)
許シン(中国) 7、8、−9、−7、2、3 林昀儒(チャイニーズタイペイ)

●女子シングルス準々決勝
陳夢(中国) −9、−10、5、5、8、6 ゾルヤ(ドイツ)
孫穎莎(中国) −10、6、−8、3、11、5 徐孝元(韓国)
王曼昱(中国) 7、7、−9、6、6 鄭怡静(チャイニーズタイペイ)
伊藤美誠 −6、8、−11、4、7、−7、5 王芸迪(中国)

 ITTFファイナルズ、大会第2日目の11月20日は男女シングルス準々決勝まで終了。伊藤美誠が王芸迪とのゲームオールの接戦を制し、昨年に続いてベスト4進出を果たした!

 伊藤にとって王芸迪は過去1勝3敗。前回の対戦(19年香港オープン)では0−4で敗れており、決して相性は良くない相手。1ゲーム目を落とし、3ゲーム目は8−10のビハインドから追いつきながら11−13で奪われるなど、序盤は苦しい展開だった。王芸迪のベンチには中国女子チームの李隼監督が入り、サービス・レシーブやバック対バックからのコース取りなど、伊藤のプレーを相当研究している様子がうかがえた。

 しかし、伊藤は終始冷静にプレー。特に最終ゲーム、軽打と変化に強打を交えて王芸迪を手玉にとったプレーは見事だった。7−0と一気に突き放し、11−5で決着をつけた。今日行われる準決勝でもうひとりの「王」、王曼昱の挑戦を受ける。

 男子シングルスでは樊振東、馬龍、許シンという中国のトップ3が順当にベスト4に入る中、1回戦で張本智和を破った張禹珍(韓国)が林高遠(中国)との激闘を制し、ベスト4に勝ち上がった。準決勝で対戦する樊振東には、先週行われた男子ワールドカップで0−4で敗れるなど、まだ勝利を挙げたことがないが、好ゲームを期待したい。
  • 王芸迪に勝利し、笑顔を見せた伊藤

  • バック面の表ソフトから多彩な変化を繰り出し、ミスを誘った

  • 王芸迪は最終ゲームの出足で離され、敗れる

  • 王芸迪のベンチに入った中国女子の李隼監督

  • 張禹珍、中国の壁を破って4強入り

  • 樊振東とファイナルで3大会連続の対戦となったカルデラノ。今回は敗れ、通算1勝2敗

  • 林昀儒との左腕対決に競り勝った許シン(手前)

  • 今大会は有観客での開催。ファンにとっては待ち遠しい大会だっただろう

 昨日から中国・鄭州にて行われている「交通銀行2020 ITTFファイナルズ」。世界ランキング上位選手男女16名ずつが出場し、優勝を争う大会となっている。日本からは張本智和(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)、伊藤美誠(スターツ)、石川佳純(全農)、佐藤瞳(ミキハウス)、加藤美優(日本ペイントホールディングス)の6名が出場したが、1回戦を突破したのは伊藤のみと厳しい戦いとなっている。

【交通銀行2020 ITTFファイナルズ】
●男子シングルス1回戦
樊振東(中国) 6、2、5、7 鄭栄植(韓国)
カルデラノ(ブラジル) 4、4、11、10 ピッチフォード(イングランド)
林高遠(中国) 9、3、4、9 丹羽孝希
張禹珍(韓国) -6、-2、7、-7、10、2、5 張本智和
馬龍(中国) 10、1、6、4 フランチスカ(ドイツ)
ファルク(スウェーデン) 4、9、-5、-7、-10、6、7 ゴーズィ(フランス)
林昀儒(チャイニーズタイペイ) -8、3、-4、9、6、10 オフチャロフ(ドイツ)
許昕(中国) 10、8、6、5 アルナ(ナイジェリア)

●女子シングルス1回戦
陳夢(中国) 6、11、-7、6、-8、4 加藤美優
P.ゾルヤ(ドイツ) 8、-8、-9、5、7、9 馮天薇(シンガポール)
徐孝元(韓国) 8、-3、9、5、5 石川佳純
孫穎莎(中国) 10、8、7、4 田志希(韓国)
王曼昱(中国) 6、14、5、9 佐藤瞳
鄭怡静(チャイニーズタイペイ) -9、4、10、5、11 A.ディアス(プエルトリコ)
王芸迪(中国) 3、12、7、7 ポルカノバ(オーストリア)
伊藤美誠 11、-6、6、5、6 杜凱琹(香港)

 
 日本勢で唯一初戦を突破した伊藤は香港のエース・杜凱琹を余裕のある戦いぶりで撃破。準々決勝では王芸迪と対戦する。張本は張禹珍を相手にゲームカウント3-1とリードし、4ゲーム目に10-8でマッチポイントを握るも痛恨の逆転負けを喫した。
 ワールドカップからの連戦となった丹羽と石川も1回戦敗退。石川はワールドカップで完勝していた徐孝元との再戦となったが、1ゲームを奪うにとどまりリベンジを許した。加藤と石川は久々の国際大会出場。加藤はワールドカップを制した陳夢から2ゲームを奪うなど健闘したが、最後は振り切られた。佐藤は終盤積極的に攻撃を仕掛けたがミスが出てストレート負けに終わっている。

※写真提供:レミー・グロス/ITTF
  • 日本勢唯一の準々決勝進出となった伊藤

  • 張本は勝利目前から痛恨の逆転負け

  • 石川はワールドカップで10日前に完勝していた徐孝元に敗れた

  • 久しぶりの公式戦となった佐藤は王曼昱を崩せず

  • 加藤は第1シードの陳夢に迫ったが敗戦

  • 林高遠にストレートで敗れた丹羽

 11月13〜15日、女子ワールドカップに続いて中国・山東省威海市で行われた「迪尚 2020 ITTF男子ワールドカップ」。ITTF(国際卓球連盟)のオフィシャル・フォトグラファーであるレミー・グロスから、熱戦の写真が海を越えて続々と届いている。とっておきの写真は12月発売の卓球王国本誌に掲載するとして、レミーの感性が光るオフショットを少しご紹介しましょう。「Remy’s Collection」その2です。
  • 馬龍と激闘を演じ、3位入賞の張本智和。自粛期間中も、燃え盛る闘志は消えてはいなかった!

  • 試合後はラケットタッチが慣例となる中、馬龍と樊振東はがっちり握手。それだけ凄い決勝だった

  • プレゼンテーターの大先輩・王楠さんから声をかけられ、馬龍は満面の笑顔

  • 一方、こちらの馬龍は……。視線は微妙にすれ違い

  • トロフィーの上に据え付けられた人形。戦型も服装もプレーも、すべて謎

  • オフチャロフからのアイコンタクト。半マスクなのはご愛嬌

  • バックフィッシュも両手でしのぐカルデラノ

  • ドイツ男子のロスコフ監督、往年の名優のような風格あり

  • 選手入場で花火にビックリの張禹珍。爆発に巻き込まれたかのよう

  • 中国に入国してもう3週間以上。素敵な笑顔の瞳ちゃんですが、試合が待ち遠しいんです