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 12月10日からポルトガル・リスボンで行われている2015ITTFワールドツアー・グランドファイナル。U-21男子シングルスで大島祐哉(早稲田大)が優勝、U-21女子シングルスで浜本由惟(JOCエリートアカデミー/大原学園)が準優勝と好成績を残した。

 世界ランキング25位の張禹珍(韓国)を予選グループで4ー0で破り、3戦全勝で第2ステージに進んだ大島。準決勝で吉田雅己(愛知工業大)に4ー2で勝利し、決勝ではデンマークの帰化選手、ジャイ・ユージアに4ー1で快勝した。大島は男子シングルスでも鄭栄植(韓国)との大激戦をゲームオール14ー12の大激戦の末に下し、ベスト8進出。森薗政崇(明治大)と組んだダブルスでも、フレイタス/ガチーナ(ポルトガル/クロアチア)を破って準決勝進出を決めており、3種目で無敗と快進撃が続く。
 U-21男子の他の日本勢では、吉田が3位、三部航平(青森山田高)は予選グループで金東賢(韓国)を下したが、惜しくもグループ3位で敗退となった。

 U-21女子準優勝の浜本は、準決勝では得意のカット打ちで佐藤瞳(札幌大谷高)を4ー1で破り、決勝進出。シンガポールの強打者リン・イエとも白熱のラリー戦を見せたが、予選グループに続いて2ー4で惜敗した。また、佐藤は3位となったが、予選グループで世界ランキング26位の杜凱琹(香港)、シンガポールの周一涵とツォン・ジェンを破り、存在感を見せている。

男女シングルスは1回戦が終了。日本勢の結果は下記のとおり。

●男子シングルス ※WR=15年12月発表の世界ランキング
大島 6、ー5、9、2、ー6、ー4、12 鄭栄植(韓国・WR13)
オフチャロフ(ドイツ・WR4) 7、6、ー14、7、ー10、ー7、7 水谷
サムソノフ(ベラルーシ・WR11) 9、3、ー6、7、8 丹羽
●女子シングルス
若宮 11、10、ー8、ー8、ー9、9、8 福原
石川 5、9、8、ー6、ー10、8 シャン・シャオナ(ドイツ・WR17)
陳夢(中国・WR8) 4、8、ー9、3 伊藤

 男子シングルスでは大島が唯一のベスト8進出。今日の深夜、13日午前0時(日本時間)からの準々決勝で、張継科(中国)と激突する。女子シングルスは第1シードの福原愛(ANA)が、若宮三紗子(日本生命)との日本勢対決に3ー4で敗れ、若宮がベスト8に進出。準々決勝では若宮は田志希(韓国)、シャン・シャオナ(ドイツ)を下した石川は朱雨玲(中国)と対戦する。
  • U-21男子優勝で賞金1万ドルを獲得した大島

  • プレーもメンタルも安定感を増す浜本【写真提供:ITTF】

 12月9日、2015ITTFワールドツアー・グランドファイナルの開幕前夜、ポルトガルの首都・リスボンで『2015ITTFスターアワード』の授賞記念パーティが行われた。

 今年で3回目を迎えるITTFスターアワード。日本からは男子選手賞に水谷隼(beacon.LAB)、女子選手賞に石川佳純(全農)がノミネートされていた。水谷は男子ワールドカップ3位決定戦のオフチャロフ戦(第2ゲーム1ー4)、石川は女子ワールドカップ決勝の劉詩ウェン戦(第1ゲーム4ー4)で展開した好ラリーで、ラリー得点賞にもノミネート。また、最優秀新人賞に相当する「ブレークスルースター賞」には伊藤美誠(スターツSC)がノミネートされた。

 審査の結果、今年の男子選手賞は世界選手権&ワールドカップを制した馬龍(中国)。女子選手賞は世界選手権2位・女子ワールドカップ優勝の劉詩ウェン(中国)の頭上に輝いた。石川と水谷は、男女選手賞・ラリー得点賞とも、惜しくも次点となったが、伊藤はカルデラノ(ブラジル)、張禹珍(韓国)との選考レースを制し、見事にブレークスルースター賞を獲得。ITTFスターアワードで、日本選手初の受賞という快挙だ。各賞の受賞者は下記のとおり。

★2015ITTFスターアワード・各賞受賞者
【男子選手賞】馬龍(中国)
【女子選手賞】劉詩雯(中国)
【男子パラ選手賞】デイビッド・ヤコブス(インドネシア)
【女子パラ選手賞】ボリスラバ・ペリッチ(現姓:ランコビッチ/セルビア)
【スターコーチ賞】劉国梁(中国)
【スターポイント賞(ベストラリー賞)】方博(中国)
※2015年世界選手権決勝の馬龍戦、第5ゲーム11ー11でのラリー
【ブレークスルースター賞(新人賞)】伊藤美誠(スターツSC)
【フェアプレースター賞】リノール・チタク&ブローナ・マロク(コソボ)
  • 男女選手賞の馬龍(右)と劉詩ウェン。

  • ブレークスルースター賞を受賞した伊藤(右)

  • ユニフォームとは違う装いでパーティに出席した日本女子チーム

 12月3~6日にフィンランドのロホヤでフィンランドオープンが開催。日本からは日学連代表の男女各4名、計8選手が参加し、女子シングルスで鈴木李茄(専修大)が決勝で安藤みなみ(専修大)との同士討ちを制し優勝を決めた。鈴木は安藤との団体戦でも決勝で山本怜(中央大)、政本ひかり(同志社大)の日本2チームを下し優勝。2冠を獲得した。

 また、男子団体の決勝も日本チームの同士討ちとなり、田添健汰(専修大)と上村慶哉(早稲田大)の日本1チームが藤村友也(愛知工業大)と宮本幸典(中央大)の日本2チームを破り優勝を飾った。
男子シングルスの優勝はプラトノフ(ベラルーシ)。日本勢では藤村の5位が最高位の成績となった。

【フィンランドオープン記録】
● 男子団体優勝:日本1(田添健汰、上村慶哉) ※2位:日本2(藤村友也、宮本幸典)
● 女子団体優勝:日本1(鈴木李茄、安藤みなみ) ※2位:日本2(山本怜、政本ひかり)
● 男子シングルス優勝:プラトノフ(ベラルーシ)
● 女子シングルス優勝:鈴木李茄 ※2位:安藤みなみ

※団体戦は2〜4名で4単1複を構成するコービロン方式
12月5〜6日に日本リーグプレーオフ・JTTLファイナル4が大阪市中央体育館で行われた。
ファイナル4とは、日本リーグの前後期総合順位のトップ4チームが出場し、年間王者を決める大会。
男子は協和発酵キリン、シチズン、東京アート、日鉄住金物流
女子は日本生命、サンリツ、日立化成、中国電力が出場した。

男子は東京アートが1回戦で日鉄住金物流に3-1、続く準決勝でも3-1シチズンを破り、決勝へ進出。
決勝では後期リーグと全日本団体、実業団選手権を制し、今年絶好調の協和発酵キリンと対戦。
一進一退の試合となり、ラスト5番の松平と塩野の対戦までもつれた。
塩野が2ゲームを先取したが、3ゲーム目は松平が息を吹き返し、点数をリード。しかし何度も東京アートのラストを任されてきた守護神・塩野が諦めずにボールをつなぐ。2ー7と最大5点差まで開いたが、そこから驚異の粘りで追いついた。
最後は渾身のフォアカットが松平のフォアドライブのミスを誘って、劇的な勝利。
塩野は床に倒れ込み、ガッツポーズ。

これで東京アートはファイナル4を9連覇。
今年無冠の東京アートだったが、最後の最後で王者の座を守った。


女子は日立化成が2年連続4度目のファイナル4制覇。
準決勝でサンリツを破り、決勝では日本生命と対戦。
トップで日本生命の文佳が先取点を挙げ、2番では日立化成の馬克が1-1のタイに戻し、勝負となったダブルスは日立化成ペアの中村・市川が、前田・森を接戦で下した。全日本3位の中村・市川のダブルスが点数が計算できるエースペアに成長したのが大きい。ダブルスを制し、一気に流れを引き寄せた。
その後も日立化成の勢いは止まらず、4番で市川が大スパーク。世界代表の若宮をストレートで下して日立化成の優勝を決めた。

詳しい報道は卓球王国2月号に掲載予定です(12月21日発売)
 11月29日〜12月6日、フランス・ヴァンデ県で行われた2015世界ジュニア選手権。11月にパリで発生した同時多発テロ事件の影響を受け、日本やチャイニーズタイペイが選手派遣を中止する中、中国が7種目を完全制覇。圧倒的な強さを見せた。

【2015世界ジュニア選手権記録】
●男子団体

優勝:中国
2位:韓国
3位:フランス、中国香港
●女子団体
優勝:中国
2位:韓国
3位:アメリカ、ルーマニア

●男子シングルス
優勝:劉丁碩(中国)
準優勝:薛飛(中国)
3位:王楚欽(中国)、朱誠(中国)
●女子シングルス
優勝:王曼昱(中国)
準優勝:王芸迪(中国)
3位:陳可(中国)、陳幸同(中国)

●男子ダブルス
優勝:王楚欽/薛飛(中国)
準優勝:劉丁碩/朱誠(中国)
3位:何鈞傑/ン・パクナム(中国香港)、安宰賢/趙勝敏(韓国)
●女子ダブルス
優勝:陳可/王曼昱(中国)
準優勝:コ・ウングム/リ・ヨンヘ(北朝鮮)
3位:アン・ヨンウン/金智淏(韓国)、カン・ダヨン/キム・ヘウン(韓国)
●混合ダブルス
優勝:薛飛/陳可(中国)
準優勝:王楚欽/陳幸同(中国)
3位:何鈞傑/蘇慧音(香港)、朱誠/王曼昱(中国)

 中国は男女とも、昨年の上海大会を経験したベストメンバーと言える陣容。男子シングルス優勝は前回3位の右シェークドライブ型・劉丁碩で、アジアジュニアチャンピオンの右ペンドライブ型・薛飛に決勝でストレート勝ち。女子シングルスを制した長身の王曼昱は、世界ジュニアでは男女を通じて初の2連覇を達成した。

 日本不在の世界ジュニア、団体戦では韓国が男女とも決勝に進出し、意地を見せたが、中国の厚い壁は破れず。女子は伊藤美誠・平野美宇・早田ひなという中3トリオにカットの佐藤瞳を加え、史上最強と言われる陣容だっただけに残念。来年の世界ジュニアは南アフリカ・ケープタウンで開催予定だが、こちらも現地の治安にはやや不安あり。果たして開催は可能だろうか。
  • 男子団体優勝の中国チーム

  • 女子団体も圧倒的な層の厚さを誇る中国が制す

  • パワーヒッター劉丁碩がビッグタイトルを獲得

  • 大器・王曼昱、2連覇の金字塔【4枚ともに写真提供:ITTF】

 五輪7大会連続出場の「レジェンド」、ベルギーのジャン-ミッシェル・セイブが、国際大会からの引退を表明。12月3日、ベルギー・ブリュッセルにあるベルギーオリンピック委員会の本部で会見を行った。

 「2016年のリオ五輪出場を目指したいという思いは強いよ。だけど、6月のヨーロッパ競技大会とその後のワールドツアーを経て、もう一度考えてみたんだ。オリンピックのような大会でプレーしようと思うなら、そこに200%集中していかなければならない。片手間ではダメなんだ。
 それに、もし自分が良いプレーをして、五輪の出場権を勝ち取ったら、それは若手の活躍の場を奪ってしまうということ。この夏の間、ずっと国際大会からの引退を考えていた。数ヶ月も考え続けて、決断を下すことができて今はホッとした気持ちだ」(セイブ)。

 今後もクラブでのプレーと、ITTFレジェンドツアーへの参戦は続けるというセイブ。83年東京大会からの世界選手権への連続出場記録は、24大会で途切れることになる。コート狭しと駆け回るフットワークと、身を挺したダイビングショット、時に奔放なパフォーマンスで会場を沸かせたかつての「悪童」も46歳。ついに胸のベルギー国旗を外す時が来た。

 セイブとともに五輪7大会連続出場のパーソン(スウェーデン)はオフチャロフ(ドイツ)とコーチ契約を結び、プリモラッツ(クロアチア)はロシアのUMMCでコーチ兼選手として活動。プリモラッツは9月のオーストリアオープンにも出場したが、リオ五輪への道は限りなく険しい。7大会連続出場という記録とともに、レジェンド3人は五輪の舞台を下りることになりそうだ。
  • 13年世界選手権でのセイブのプレー

  • 3人の鉄人、右からセイブ、プリモラッツ、パーソン(11年世界選手権時)

11月28、29日に愛知県・名古屋市昭和スポーツセンターにて行われた全日本学生選抜が終了。試合の結果は下記のとおり。

【男子】
優勝:上村慶哉(早稲田大)
準優勝:酒井明日翔(明治大)
3位:厚谷武志(専修大)
4位:町飛鳥(明治大)

【女子】
優勝:安藤みなみ(専修大)
準優勝:温馨(日本体育大)
3位:高橋真梨子(同志社大)
4位:劉笑利(近畿大)


男子の上村、女子の安藤ともに初の全国大会シングルス優勝。上村は準決勝で厚谷にマッチポイントを奪われながらフルゲームで勝利し、決勝では酒井のカウンターをうまくかわして強打を打ち込んだ。早稲田大では昨年の大島祐哉に続く学生選抜優勝。女子の安藤は準々決勝で徳永(早稲田大)に苦戦するも、徐々に調子を上げて決勝では昨年女王の温馨にストレートで快勝し、生まれ故郷の愛知で見事優勝を果たした。


この試合の模様は卓球王国2月号(12月21日発売)に掲載予定ですのでお楽しみに!
  • 男子優勝・上村慶哉

  • 女子優勝・安藤みなみ

 11月21日に閉幕した、2016年韓国代表選抜および世界団体選手権の代表選考会。16歳の女子高生・金智淏(キム・ジホ)が14勝6敗の成績で3位となり、来年2月28日〜3月6日にマレーシア・クアラルンプールで行われる世界団体選手権の代表入りを決めた。

 右シェークドライブ型の金智淏は、現在世界ランキング149位(2015年11月)。昨年のワールドカデットチャレンジでは、伊藤美誠(スターツSC)と組んだ女子ダブルスで優勝し、女子シングルス決勝では伊藤に敗れて2位。今年はITTFワールドジュニアサーキットのスロバキア大会と韓国大会で女子シングルスを制していた。韓国女子では高校生の世界代表入りは、87年ニューデリー大会に18歳で出場した玄静和(93年世界チャンピオン)以来の快挙。

 来年の世界団体選手権に出場する韓国チームの陣容は、男子は朱世爀、鄭栄植、李尚洙、そして今回の代表選考会で1・2位となった張禹珍と丁祥恩。女子は徐孝元、梁夏銀に加え、代表選考会1〜3位の朴英淑、李ジオン、金智淏というメンバーだ。
  • 16歳で世界代表の座をつかんだ金智淏(写真は14年世界ジュニア)

 11月18〜21日、ブラジル・リオデジャネイロにあるコンベンションセンター「リオセントロ」のパビリオン4で、来年行われるリオデジャネイロ五輪・卓球競技のプレ大会となるリオ国際トーナメントが開催された。長距離の移動に加え、世界ランキングのポイント対象外であることから、日本や中国をはじめ強豪国が軒並み参加を見送ったこの大会。男子シングルスで優勝したドリンコール(イギリス)の他は、ブラジル・アルゼンチン・チリの選手しか出場せず。女子シングルスもベスト4をブラジル勢が独占し、中国系選手のグイ・リンが優勝した。

 なんとも寂しい五輪プレ大会になってしまったが、ビジュアル面では大きな変化もあった。まず卓球台は、リオ五輪のオフィシャルサプライヤーである三英が「レジュブルー」という新色を採用。フランス語で「青い瞳」を意味する、美しいカラーリングの卓球台で白球が激しく飛び交う。

 そして驚かされるのが、中国の天速が製作したグリーンのフロアマット。グリーンの色味が強くなったレジュブルーの卓球台に、グリーンのフロアマットという新しいビジュアルは新鮮だ。大会に出場したブラジルのマツモトは「この色が嫌いだとか、ボールが見にくいと感じる人もいるかもしれないけど、ぼくは落ち着くね」とコメント。ITTFのバイカート会長も「我々の第一印象はとても良い。もう来年への準備は万端だ」と語っている。

 テニスやサッカーの芝生(しばふ)のような色合いの、新しいフロアマット。このカラーに映えるのは、配色の多いプリント柄よりも、単色のシンプルなウェアかもしれない。リオ五輪後も新しいカラーリングが定着していくのかどうか、注目だ(柳澤)。
  • リオ国際トーナメント、男子シングルス優勝のドリンコール

  • 天速のグリーンのフロアマット

  • コートはまるで草原か芝生のよう……

  • 4台の卓球台が設置されるリオセントロのパビリオン4(写真提供:ITTF)

 リオ五輪の内定を決めている吉村真晴選手(愛知工業大)が、12月10日から始まるITTFワールドツアー・グランドファイナルを棄権することを決定。ITTF(国際卓球連盟)からもすでに発表されている。
 
 吉村はワールドツアーでの獲得ポイントを示すスタンディング・リストの5位だったが、7月に痛めた肩のリハビリのために10月のアジア選手権以降、1カ月ほどラケットを握らずトレーニングに集中していた。現在はかなり回復しているとのことだが、大事を取ってグランドファイナルを棄権することを決めた。次に同選手が出場する大会は、1月の全日本選手権となる。

 グランドファイナルのシングルスには、日本男子からは水谷隼(beacon.LAB)、丹羽孝希(明治大)、大島祐哉(早稲田大)が出場。日本女子では福原愛(ANA)がスタンディング・リストの1位につけ、伊藤美誠(スターツSC)、石川佳純(全農)、若宮三紗子(日本生命)の各選手も出場する。
  • 吉村真晴はグランドファイナルを欠場