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アテネ五輪

左・会場入り口。非常に厳しいセキュリティーチェックを受ける。五輪ならではの厳戒態勢
中・会場のギャラツィースポーツセンター。大きいですね。卓球のあとは新体操の会場になる
右・photo managerのMaria Xenarionつまり写真担当のマリアさんです。5カ国語を操る才女。すっかちうち解けてというか仕切っている高橋カメラマン
ワルドナーのコメント「2ゲーム目、5-10から逆転して、そのゲームを取ったのがとても重要だった。それがこの試合のキーポイントになった。そのゲームのあと、ぼくはこの試合の主導権を奪ったと感じることができた。この試合での戦い方というのは、バックハンドをより攻撃的に打っていきたかったという点だろう。時に、ぼくのバックハンドは受け身になることがあるからね。台上では早いタイミングで速いボールをボルのミドルに送ることを心がけた」
「準決勝の柳承敏は世界の中でもっとも強いフォアハンドプレーヤーだね。彼はどの国際大会でも常にベスト8に入る強い選手で、ぼくはとても尊敬している。この五輪でベスト4に入った選手は誰もがこのトーナメントでベストの卓球をした選手だけが残ったということだろう」
写真右は観戦中のスウェーデン国王と王妃
まだ昨夜の興奮が冷めやらぬ卓球王国取材班の高橋・今野。昨夜は「ワルドナーに乾杯、五輪に乾杯」が続いたが、朝はパッチリと目覚めた。
世紀の一戦のあとの二人のコメントを紹介しよう。
ボルのコメント「ぼくのプレーの持ち味であるラリー戦に持ち込むことができなかった。おそらく、ぼくはもっとサービスを持った時にリスクを冒して攻めていくべきだったんだろう。ワルドナーは偉大な選手だし、すべての選手の中でももっとも偉大で尊敬されるべき選手だと思っている。この試合で彼はボールにものすごく回転をかけてきたし、様々なバリエーションのストロークで打ってきた。なんて言えばいいんだろう。それは「JO.ワルドナー現象」の中に入ってしまった感じだ。大会を振り返れば、世界チャンピオンのシュラガーやシーラに勝ったことは満足できるし、ポジティブに考えている。誰がこの五輪のチャンピオンになるのか? ぼくはこの五輪のチャンピオンに負けたと信じたいよ」
シドニー五輪で銀メダルを獲得したとはいえ、ワルドナーは足を骨折したあとに過去に人になっていた。世界ランキングでかろうじて自動出場枠に入ったとは言え、スウェーデンの国内オリンピック委員会ではワルドナーを出場させるかどうかを最後まで迷っていたという話を聞いていた。しかし、この驚くべきパフォーマンス。やはりこの男は「神の子」だ。
昨日の男子ダブルスでは腰痛で試合中にマッサージを受けるほどで、今日の試合へ向けての調整が心配されたほどだった。
試合後、興奮する高橋カメラマンも「こんな試合が見れて幸せだ。ありがとう」興奮気味。そして撮った写真を見るとこれまたすばらしいショットの数々。「カメラマンは役者(選手)に育てられる」と名言を残して、プレーの余韻に浸りながら、仕事後の美味しいビールをごくりと飲み干した。ありがとうワルドナー、ありがとうオリンピック!
ワルドナー(スウェーデン) 4(11-7、13-11、6-11、11-7、13-11)1 ボル(ドイツ)
すごいの一語に尽きた。過去、金メダルと銀メダルの2個を獲得しているワルドナーが、馬琳戦に続いて、ボルにもすばらしいプレーで圧倒し、4-1で下し、準決勝に進んだ。
出足からワルドナーはフォアハンドの横回転のドライブを駆使し、ボルのネットミスを誘い、台上でも先手を取り、完勝した。この2,3年間パッとせず、特に2年前に足を骨折してからは精彩を欠いたプレーが続いていたワルドナーだが、五輪という大舞台で一世一代のプレーを見せ、会場を熱狂させた。ミラクルだ。奇跡を呼ぶ男、ワルドナーが魅せた、見せた、魅せた。
柳承敏(韓国) 4(6-11、10-12、11-6、11-6、11-9、11-5)2 梁柱恩(香港)
●出足で梁柱恩のドライブにタイミングの合わなかった柳承敏は自滅。先に2ゲームを連取されるも、次第に柳承敏は的確な距離感を取りながら、ドライブを連打。最後は梁は成すすべなく敗れた。さすが世界3位の実力を発揮し、準決勝に進んだ柳承敏。
王励勤(中国) 4(11-9、13-11、6-11、11-8、11-4)1 高礼澤(香港)
王皓(中国) 4(5-11、12-10、9-11、11-4、11-6、11-7)2 荘智淵(タイペイ)
●王励勤は香港の高礼澤に圧勝。王皓は3ゲーム目まで苦しんだが、4ゲーム目からは完全にラリーの主導権を奪った。分の良かった荘智淵は2ゲーム目をジュースで落としたのが痛かった。
王楠のコメント「昨晩の敗戦にはとてもがっかりしたし、大きな後悔が残った。なぜなら私はシングルスで勝つことを目標に準備をしてきていたから。敗戦のあと、チームの監督、コーチが話をしてくれて、今日の決勝への精神的な準備を説いてくれました。もう昨日の負けは過去のこととして考えるようにつとめました。そうしないと、今日のダブルス、とりわけパートナーに影響を与えることになりますし、張怡寧にはまだシングルスが残っていますから、悔しい気持ちを捨てて戦わなければいけなかったのです」
張怡寧「今日の私たちのダブルスは非常に出来が良くて、際立った強さだったと思います。この大会前に入念に細かいところまで準備をしてきました。それは目標が中国にとっての最初の金メダルを取ることだったからです。王楠が昨日負けたけど、彼女は精神面でそれを今日の試合に引きずることなく、戦ったと思います。明日の準決勝は韓国の金景娥で、とても強い相手で、とてもきつい試合になると思います」
王楠「今日の金メダルで昨日悔しさをはらしたか? 昨日は昨日で悔しさはありますが、今日の金メダルはとてもハッピーなことです。中国チームはこれからもいいチームであり続けることはできると考えています。私自身のこれからについては、まず家に帰ることが最初で、それからのことはあとで考えます」
女子ダブルス決勝
王楠/張怡寧(中国) 4(11-9、11-7、11-6、11-6)0 李恩実/石恩美(韓国)
●王楠/張怡寧、圧勝金メダル
格の違いを見せた一戦。前日、リ・ジャウエイに負けてシングルスのメダルの夢を絶たれた王楠が見事にカムバック。しかし、アップの映像で見ると、目が腫れている。泣き明かしたのか、悔しくて眠れなかったのか。その心情は計れない。